2014年1月末の新興国危機とビットコイントラブルで金投資に買いが入っている

2014年1月末、金投資は、2013年春以降の売り中心から流れが変わりつつある。きっかけはアルゼンチンショックをはじめ新興国不安。経常赤字を抱える国は、米国の量的緩和縮小とともに危機に陥るとの懸念が以前より示されていましたがその通りの流れが起きています。

新興国は危機回避のために、南アフリカ・インドをはじめ利上げによる通貨防衛を行っています。

金投資にマネーが流入し始める

日経新聞によると、金属資源トレーダーの話として、昨年末以降に「欧米機関投資家の買いが目立つ。新興国通貨安で世界経済の不安が増して、運用資金の一部に金を組み入れ始めた」との談話が載っています。

さらに、貴金属アナリストの亀井幸一郎氏は、「金融市場は安全資産からリスク資産へのグレートローテーションをはやしてきたが、大転換が調整局面に入った」と指摘。

金価格下落の象徴だったETFの動きも変化。SPDRゴールドシェアの2013年は資金流出の年だったのに対して2014年1月の流出は5トン、2月第一週は5トンの流入と金買いの動き。

SPDRゴールドシェアの残高:2014年2月11日:797.05

新興国危機は一筋縄ではいかないとの予測が強く、ファンドの解約は著しい勢いで1カ月で約180億ドルの資金が流出。リスク資産から安全資産への流入が加速しています。

IMF含め世界各国がこの危機をどう乗り越えるか次第で更なる金価格の上昇が起きるか見守っている状態。1997年にアジア通貨危機が起きた時に比べると外貨準備高の増加など対策はある程度取っているはず。しかし・・・逆に米国の量的緩和でばらまかれたバブルや中国の不良債権など危機を煽る要因も大きい。

●GMOクリック証券の週足チャート

金価格と株価

金価格・日経平均・NYダウ:株価の下落と金の上昇が逆相関。

仮想通貨ビットコインをめぐるゴタゴタも金投資を後押し

2013年は仮想通貨「ビットコイン」が脚光を浴びた年だった。一時大きく急騰した後に、通貨としての信頼性を相次いで否定されたことで急落。

自国通貨に信頼を置けない層やクールで最先端を好む層に広まり、金投資にとって代わると言われた勢いはダウン。とはいえ電子通貨・仮想通貨としての勢いはその利便性から止まったわけではありません。

ところが、この2月に大手取引所「マウント・ゴックス」で取引の一時停止が発生し、市場を震撼させました。

ビットコインの大手取引所マウント・ゴックス(東京)がコインの取引を一時停止している問題で同社はコインを他の口座へ移すことなどは不可能な状態にあるものの、「コインの現金化は可能」であることを明らかにした。取引停止の原因はシステム上の障害で流動性や資産価値に全く問題はないとしている。ブルームバーグ

もし、ビットコインを含む仮想通貨が、各国発行の通貨に対する代替通貨の役割を果たすなら、今までその地位にあった金価格は下落せざるを得ません。ところがこの一連の問題により安全性に疑問を持たれています。⇒金へのプラス材料。

その後、2014年2月25日、マウント・ゴックスは「当面、全ての取引を停止することを決定した」とする文書をウェブサイト上に掲載し、完全に機能を停止させた。ビットコイン預金者を誰が救済するのか(ロイター)

●エボCX:NY金月足チャート

NY金価格月足:クリックで拡大

下落傾向が止まりつつある。反転するかどうか?

新興国通貨ショックがさらに拡大する状況が起きると一時的に資金を確保するために金すら下がるかもしれません。そしてその後にはかなり金が買われることになるでしょう。

ここしばらくは、株式投資中心の方であっても金価格に注目しておきましょう。