伝説の投資家の一人で、金投資や商品市場をはじめとした商品先物に深い知識を持つジム・ロジャーズ氏が日経新聞に2015年の展望を語りました。
やはり、彼も中央銀行の金融緩和によるマネーの奔流を警戒。この収縮状況次第で金価格は大きな影響。
中央銀行が作った【人為的な流動性の海】
世界の中央銀行は景気悪化を防ぐために歴史的な規模でマネーを供給。
金融危機を受けてFRBはベン・バーナンキ元議長の元で大規模な資産買入れを実施。市場にマネーをばら撒き中央銀行の資産増加。
今後、金融政策の正常化をイエレン議長の元で行うことに。
ジム・ロジャーズだけでなく世界中の投資家や経済学者はFRBの出口戦略が成功するかどうかを固唾を飲んで見守っている。
さて、ここでは、ジム・ロジャーズ氏の見通しを見てみましょう。金投資への言及はありません。
ジム・ロジャーズ氏の予想
人為的な流動性の海は来年もしくは2016年には収縮し始める。
中央銀行のマネーは、債券バブルを作った。金利は人為的に歴史的な低水準に置かれている。
流動性収縮で苦しむ国
- インドネシアやトルコなど新興国にその兆し
- 中国は過剰な不動産開発など問題はある。しかし経済移行期に起きること。中国政府は公害対策・農業・ヘルスケアなどに資金を投じている
- 新興国全体を悲観する必要はない
- ロシアは巨額の外貨準備を備えており対外支払い能力は高い。
- 原油安も長続きしないだろうし、来年のロシアは屈指の投資対象ではないか。
余ったお金が新興国に流入。それに甘えて構造改革を後回しにした国は、これから苦しむ可能性が高い。
金融緩和からの出口戦略は来年以降の最大リスク
FRBが政策金利を引き上げて世界の市場が荒れるかも。問題はその結果、FRBが批判にさらされた場合、イエレン議長が再び緩和に戻ると【市場は最後にはFRBが助けてくれるという風潮】がはびこる。
日本の今後は1~2年の間、楽観的。
日銀の金融緩和が株価を押し上げて、原油安も追い風。ただし長期的には悲観的。
- 債務増大
- 人口減少
- 通貨価値下落
安倍晋三首相の改革には期待している。
世界に広がる格差問題について
世界で起きている貧富の格差は、歴史的には縮小している
今、目に見えやすいので問題化している面が強い。
共産主義もヒッピーも試行錯誤したが、最も上手く行ったのは市場主義
自由市場にも問題はあるが、今のところ最善策ではないか!
ロジャーズ氏はかつて冒険投資家として世界中をバイクで旅した男。さらに中国に注目し21世紀の台頭と商品市場の高騰を予測した男。今回は金価格についての言及はなかったものの常に金投資家の道標として活躍していました。
ゴールドには金融緩和正常化の影響はすでに出ており、金鉱山の一部は閉山など採算悪化。今後のマネー収縮がどう影響するか当サイトは情報収集に努めます。