プラチナ価格は下落トレンド継続で1,000ドル割れの状態:2015年8月

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プラチナ価格の下落トレンド。金価格以上に下げが強く、価格逆転状態が続いています。すでに、1トロイオンスあたり1,000ドルを割り込み、2015年8月4日には945.4ドルの安値。

このため、プラチナ生産の大部分を占める南アフリカでは、鉱山会社のリストラが続く状況。南アフリカランドの弱さ・中国景気の悪化などが要因。


プラチナの下落で苦境の南アフリカ鉱山会社

●プラチナ価格=ローソク足、金価格=ライン:月足チャート

目安の1,000ドルを割り込み下落トレンド継続。

金価格と白金価格の推移

エボCX:クリックで拡大

プラチナは金に比べて希少で年産約200トン。白金鉱山からの生産は南アフリカとロシアに偏っています。

プラチナがゴールドよりも価格が安い5つの理由
・中国の宝飾需要
・南アの鉱山会社
・投資家のショート
・ユーロ建て、ランド建てのプラチナが重要、ドル建てでない
・長期的投資家の不在 – 多くの投資家がPGMではパラジウムに注目

池水雄一氏の意見

欧州の自動車用触媒としては、プラチナよりも価格の安いパラジウムの方に注目が集まるなどプラチナ需要が落ち込んでいるとのこと。

●プラチナとパラジウムの比較チャート:月足:緩やかな下落トレンドのプラチナと2014年後半から下落に転じたパラジウム。

プラチナとパラジウムの比較

パラジウムは約600ドルに対してプラチナは約990ドルと割高。もちろん宝飾品としてプラチナの価値は高い訳で、ここまで差が縮まっていることは驚き。長期の金投資家にとっては投資妙味あり!

でも、ちょっとお待ちください。なんと採算コスト割れ・供給不足で値下がりという不思議な現象が生じています。現物を少量購入や純金積立もといプラチナ積立ならば良いかもしれません。

プラチナ価格の採算コストと需給バランス

プラチナを鉱山で生産する採算コストは1トロイオンス1300~1500ドルと言われています。日経新聞によると業界2位のインパラ・プラチナム社の談話として、ほぼ全ての鉱山で赤字!

かなり厳しい状況です。3位のロンミン社は、6千人規模のリストラを7月に実施。アングロ・アメリカンもリストラを計画中。南アフリカの鉱山からの白金供給は減少傾向。

一方、需給バランス的には、供給不足。大起産業の小菅努氏によると、供給不足が64.62万オンスも発生

例えば貴金属調査会社GFMSは2015年のプラチナ需給について、年間764.59万オンスの需要が想定されるのに対して、鉱山生産とスクラップ供給を合計した総供給は699.97万オンスに留まることで、64.62万オンスもの供給不足が発生するとの見通しを示している。これは、年間鉱山生産の12%に相当する規模であり、プラチナ価格を押し上げて需要を抑制すると同時に、鉱山での増産、リサイクル供給の拡大を促す必要があると考えるのは、極めてロジカルな分析である。小菅氏のプラチナ相場調査

需給・採算的には上昇してもおかしくないのですが、南アフリカ通貨のランド安=新興国危機の一環などもあり、すぐに上昇に至らない環境。ランドは対ドルで13年ぶりの安値圏へと下落中。

クガニャゴ南アフリカ準備銀行総裁は、2015年3月26日に、「ランド相場は依然として不安定」「米国の利上げがランドを押し下げるだろう」と発言しており、米国利上げがここでも影響。これから利上げが始まることを考えるとランド及びプラチナ価格にとって厳しい環境が続きそう。下落トレンドがどこで止まるのか。止まればファンダメンタル要素から反発へと転換もありえます。