2016年の金相場は、米利上げが落ち着くまで、現状維持が有力か?

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2016年の金相場はいかなるシナリオを描くのだろうか。米利上げは始り、QEで膨らんだバブルの後始末をしなければいけない。ゆえにどこかでドル高からドル安へと転換するタイミングが出てくるのではないか。

実際、ドル/円相場は、2016年1月4日に120円を割り込み。

そして、当サイトでも何度か紹介している米利上げが3回~4回目に達した辺りで大きなリスクが生じる可能性は高いのではないでしょうか。その時が金投資見直しの時。NY金価格は、現在1000ドル前後で推移しており、上昇の気配は見せていない。

●米ドル/円とユーロ/ドルの月足チャート:GMOクリック証券

ドル/円とユーロドル

シェール革命を要因の一つとして復活した米国経済。原油価格が高ければ、国内で安価な石油を賄うことができ、米国経済・製造業復活の烽火となったことでしょう。しかし、原油価格の下落により他国も安い原油を享受できるようになったことで、そのアドバンテージが少なくなります。さらに、過去に進んだ米ドル高により、競争力が減少しています。シリコンバレーを中心としたIT産業は絶好調なのに、製造業界は青息吐息で格差拡大は深刻です。

●WTI原油とNY金価格の月足チャート

原油と金価格

米ブルッキングス研究所の調査では2013年の全米50の大都市を対象にトップ5%の年収を調べるとサンフランシスコが42.3万ドル以上とトップ、最下位のデトロイトは10.8万ドルと大きな差が開いています。アップルやディズニーなどの娯楽系、セールスフォースなどのビジネス統轄・マーケティング分野では米国スタンダートの普及で強くなった米国に対して、物作りの点では、米国景気は弱い。

大統領選挙で、リベラル派が眉をひそめるドナルド・トランプ氏が人気を集めているのは、この格差拡大こそが原因で、トランプ氏や貧困層を非難し続けていれば、更なる溝が富裕層と貧困層との間に広がっていくでしょう。

●日経平均とNYダウ

日経平均とNYダウ

NYダウは、リーマンショック後の下落から早期に復活。日経平均株価もアベノミクスで上昇。資産家層には大きな恩恵を与えており、高級車市場や時計などラグジュアリー消費は活性化。

2016年の金相場を取り巻く状況予想シナリオ

  • その中で、長期的に米経済の失速を防ぐには、米ドル高を是正していく流れになるのではないでしょうか。
  • 中国経済は、過剰投資の後遺症で、6%割れ成長へと減速。ただし6%成長でも先進国に比べれば高いということをお忘れなく。
  • 原油価格の低迷が定着すれば、産油国の財政は悪化して、大きな政策転換を余儀なくされる。
  • 難民問題・IS問題・宗教対立から有事の金投資復活!
  • コモディティから資金は逃げ出しており金投資も例外ではない。
  • 2016年は前段階として、金価格は大きく上昇しない?

米国の利上げは、ゆるやかなペースが考えられており、1年間かけて3~4回のペースで進めば、それ程、ショックを引き起こすことはないかもしれません。

しかし、ここで問題が生じそうなのは、欧州と中東。欧州はドイツの独り勝ちが続く限り安定は望めず。ドイツと他国の格差を調整してくれる変動為替相場を放棄している以上、有効な政策は少ない。

一部では、世界経済において、貿易量が著しく減少しており、戦争経済によって経済規模を維持するしかないのではないかという議論も出ている。

サブプライムローンに次ぐ金融バブルとして、ジャンク債市場が注目されており、2015年12月に、米サード・アベニュー・マネジメントの投信や英ルシダス・キャピタル・パートーナズの清算によってリスクオフに動いた。ジャンク債には、シェールオイル関連などエネルギー分野への投資も多く、原油安が定着すれば、採算割れのジャンク債が続出すると予想されている。

新たな地政学リスクとして、サウジとイランの関係悪化。スンニ派とシーア派の対立が生じつつあり、原油・金価格双方に対して上昇要因。

サウジアラビアは3日、イランの首都テヘランのサウジ大使館襲撃を受け、イランとの外交関係を断絶した。イスラム教スンニ派のサウジ王室と国民の大半をシーア派が占めるイランの関係は、サウジがサウジ王室に批判的だったシーア派の有力指導者ニムル師を処刑して以来、急速に悪化している。ロイター