北朝鮮が2016年1月6日午前10時ころに実施した地下核実験は、世界に衝撃を与えました。これで4度目になりますが、北朝鮮は、水爆実験だと主張。
そのため、金相場は上昇。1月6日のNY金価格は、1091.9ドル(前日比+13.5)と高値を付けた。
●NY金価格の日足チャート:クリックで拡大。
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朝鮮中央テレビの発表では、水爆実験は成功に終わったと発表。マグニチュード5.1の地震とは違う揺れが観測されています。なお、今回の地下核実験は水爆ではないとの報道も出ています
北朝鮮核実験と金価格の動き
今回の核実験で4度目
- 北朝鮮の核実験 (2006年) 10月9日
- 北朝鮮の核実験 (2009年) 5月25日
- 北朝鮮の核実験 (2013年) 2月12日
- 北朝鮮の核実験 (2016年) 1月6日
●過去の値動き:NY金価格週足チャート
2009年・2013年の核実験時の動きを見ると2009年は上昇トレンドの最中、2013年は下落中に一時的な上昇を見せる。
核実験=核戦争や韓国・日本侵攻へと直結する問題ではありません。そのため、危機を心配した市場・投資家が金投資を増やす傾向はあっても、金相場全体のトレンドを変える程の力はありません。
ただし、北朝鮮自身が、いつ倒れてもおかしくない程、危機が高まっていることや核実験の失敗・核兵器のテロリストへの譲渡など、不安材料が高まっています。世界情勢自体に不安が無ければ、北朝鮮も暴発し難く、関係諸国も注意をむけられます。
2016年は年明けから、中国経済悪化、中東でのサウジとイラン対立、IS問題と危機意識が高まっている中、北朝鮮が加わることで、有事の金投資が高まる可能性はあります。北朝鮮単体で考えると材料としてはまだ弱め。
北朝鮮情勢
2011年に金正日総書記が死去して以降、崩壊間近と言われながら、持ちこたえていますよね。これは、周辺諸国が現状維持を望むから。シリアの例を見るまでもなく国が崩壊した時は、周辺国に大きな負担を強いることになります。
日本・韓国は、負担を受け入れたくない。北朝鮮と韓国の1人あたり国民所得は、1200ドル:2万6718ドルと雲泥の差。これでは、韓国が統一に成功しても経済格差から社会が不安化します。
そうなると、北朝鮮及び関係諸国との関係は、従来通り、核のカードをちらつかせて、脅しをかける北朝鮮と、経済・食料援助を与えてなだめる周辺国。
ある意味で、一番怖いのは、金正恩体制が崩壊した時に起きる混乱。権力を失った独裁者の末路は哀れなもの。権力維持のために暴発する可能性やクーデターのどさくさに紛れて核兵器使用やテロリストへの流出が危険なシナリオ。
その際には、金相場上昇へと動くでしょう。
- 水爆の原理
- 「北朝鮮の水爆」は安倍首相のシナリオ通り?隠された日韓合意の真実=高島康司
- 外務省基礎データ:北朝鮮
- 北朝鮮経済の現状
- 北朝鮮による核実験実施発表に対する放射能影響の観測結果について:原子力規制委員会による日本への影響モニタリング
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