米国利上げスケジュールと世界経済不安がキーポイントとなる2016年金相場

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金価格は、2016年に入り、上昇傾向となり、波乱の1月は終了。1月29日の日銀金融政策決定会合では、マイナス金利付き量的・質的緩和を公表し、日銀の金融緩和姿勢を示した。

一方、米FOMCでは、利上げスケジュールに大筋の変更はないと見られており、金価格に与える影響は、今後の米景気と世界経済の行方に委ねられた。

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ジャネット・イエレン氏に世界経済の命運は握られている。

金投資専門家による2016年金相場予想

さて、金投資専門家は、2016年の金相場をどのように見ているのでしょうか?幾つかご紹介しておきます。一番の問題はやはり米国の利上げスケジュール

米国の利上げは、金利を生まない金投資にマイナス要因かつ米ドル上昇すればそれも下落要因になります。ただし、米国利上げ=米ドル上昇とは限りませんのでご注意ください。

トムソン・ロイターの貴金属リサーチチームのGFMS

ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ社(GFMS)は、現在、トムソン・ロイターの傘下です。金相場の需給情報はナンバーワン。基本的に金相場に対して強気予想が多い。

GFMSの予想は、2016年の年末までに1トロイオンスあたり1200ドルを越えると予想。

  • 米国の利上げが想定より緩やかになる⇒市場は年4回の利上げを織り込んでいるが、2回にとどまる
  • 中国の経済危機や人民元安懸念から金投資が増える
  • 2016年の平均金価格は1164ドル程度、金投資への需要は5%伸びる

ヘッジファンドや銀行筋等金投資専門家の動向

ヘッジファンドによる金の売り越し残高は過去最大に達している。ゴールドマン・サックスやソシエテ・ジェネラルなどの銀行筋は、金相場の更なる下落を予想。そして、ヘッジファンドは2016年に入り、ここ数年忘れられていた金投資に注目し始めている。

●サークル・スクエアド・オルタナティブ・インベストメンツの代表、ジェフリー・シーカ氏は、株式資産などの下押し圧力が強まり、空売り投資家が金投資選好になった。

●RBCキャピタル・マーケッツのバイスプレジデント、ジョージ・ジロ氏は、電話インタビューで、ファンドマネージャーらが金相場に注目を始めたと指摘。現在、北米大陸を襲う寒波の影響で、米金融当局は予想よりもハト派的になると予想。東海岸全域を襲った今回のひどい大雪は経済に打撃を与える。

●HSBC証券の金属アナリストのジェームス・スティール氏は、米1月FOMCの結果は、追加利上げペースが緩まるとの観測。それゆえに金相場にプラスの要因。HSBCは、世界的な金融市場の混乱が実体経済に影響を与えるかもという不安を投資家から感じる。米金利先物は、FRBの2016年利上げが1回だけにとどまる可能性を示唆。

●ETF証券のマーチン・アーノルド氏は、投資家はディフェンシブな資産を求めており、株価の一段安や世界成長を巡る不安は、金相場に良い環境。

●シャープス・ピクスレーのロス・ノーマンCEOは、2016年の株式等金融資産が一段安になるとの合意があり、調整局面になる公算が大きいと予想。

●ダボス会議でのジョージ・ソロス氏は、中国経済のバブル崩壊とデフレを他国に輸出すると発言。中国経済はデフレと過大な債務を抱えている。中国経済の負債はGDP比率で300%に達し、輸出主導から内需主導への経済改革はそう簡単ではない。ハードランディングは不可避。世界経済は未曾有のデフレ時代となり、米FRBは利上げ継続できないと予想。

原油価格の下落と中国経済の動向が、好調を続ける米経済に影を落とせば、米FRBは利上げ継続不可となる。いまのところ、米国経済は好調だが、ファントム・メナスのように、影は忍び寄っている。FRBは2016年の原油価格回復を予想しているようだが・・・。米商務省が1月29日公表の2015年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は、季節調整後の年率換算で前期比0.7%増、2.0%増の第3・四半期から急減速。

人民元安は避けられない

利上げ継続となれば、金価格は下落し、利上げ中止は上昇を呼ぶ。2016年経済は楽観論と悲観論が交差しており、予測の難しい年になりそう。