金相場はこのところ、横這いでの動き。1200ドルから1300ドルのレンジ。最大の変動要因である米FRBの利上げは3月のFOMCで2016年中は2度の利上げ見通しとハト派に傾きました。
その後に、地区連銀総裁から4月利上げ実施する可能性ありとタカ派発言が相次ぎましたが、イエレン議長の講演では再度、6月利上げ方向が本命シナリオとして浮上。6月~9月頃がメド。
米利上げが実施されると一時的に金価格の下落要因。しかし、利上げによってNYダウの下落など資産価格がクラッシュしていけば、金相場上昇の可能性が出てきます。資産デフレと金投資の関係。中央銀行への信頼が薄れつつあることからも金価格の下支え要因。
- 2016年3月のFOMC結果:FRBはハト派に
- スティグリッツ教授の提言:中銀の金融政策に限界。
- ベルギーのテロ:ブリュッセルのテロ事件では、為替・株価・金価格の大きな変動はなし。
中国の春節も終ったことから3月は金価格下落の予想も外資系銀行中心に出ていましたが、ほぼ横這い。
インドのゴールド売上税
スタンダードバンクの池水雄一氏のコラムによると、インドのゴールド売上税が大きな影響を与える可能性ありとのこと。インド政府が2月29日に、ゴールド売上の1%に売上税を掛ける方針を発表。これに対しインドの宝飾品業界がストライキで太閤。
3月8日に、政府とIndia’s Gems and Jewelry Trade Federationの間で下記妥結案が出てきました。
このJewelry Trade Federationが政府に対して出した提案は、今後ゴールド地金(インゴット)を直接消費者に売るのをやめるということです。現在に至るまでこれはごく普通の商慣習で、個人投資家はゴールドインゴットを投資商品として宝飾店で購入していました。この団体の会長は「この決定はゴールドの輸入を減らすものですが、おそらく宝飾業者の売上の4分の1に影響を与えます。」と語っています。インドの宝飾業者に年間輸入される900トンのゴールドのうち、250トンから300トン以上が100グラムバーの形で輸入されます。そのため、この宝飾業者の決定は年間300トンの輸入を減らすことになり、これは2015年の世界のゴールド需要の7.1%に当たります。インドのゴールド売上税の影響 etc
2012年の売上税は、ストにより廃止。この施策が実施されて、インドの金投資需要が減れば、金価格の下落要因。
同国のジャイトリー財務相は、2月29日に提出した予算案で、金やダイヤモンドの宝飾品に対して1%の売上税を課す方針を発表。同国では20%の金持ちが約80%の金を購入しており、税の負担感が依然として低いためと説明しております。
同国政府は2012年にも売上税を導入したものの、宝飾品業者がストを決行したため、廃止に追い込まれております。EVOブログ
原油は4月17日の産油国会合に注目
原油については、2016年4月17日の産油国会合が最大の注目。イラン・リビアが産油量凍結に合意しない意向が伝えられる。富める側の国が犠牲を払い、イランやリビアなどこれから産油量を増やしたい国に対して譲歩できるかが鍵を握る。
原油相場が上昇しつつあることからも、実行力のある政策は打ち出せないとの見方が強まっている。産油国は20ドル台は避けたいとの念で一致しやすいが、40ドル前後だと減産意欲がわかないのではないでしょうか。産油国会合前にロシアとサウジ増産凍結で合意のニュース
●NY金価格チャート:EVOCX
株式・原油・米ドル/円の日足チャート:DMMCFD
日足チャートはDMMCFDから、クリックすると拡大します。
●NYダウ
●日経平均株価
日経平均は、4月1日の日銀短観(3月調査)が悪化し、異次元緩和開始直後レベルに。
- 大企業・製造業DIは+6(前回12月から6ポイントダウン)
- 非正常業は+22(3ポイントダウン)
- 想定為替レート:117.46円(2015年度は119.80円)
●オイル/米ドル
●米ドル/円
米雇用統計を4/1に控えてレンジ相場。上下ともに動きが少ない。
市場価格:2016年3月31日(一部は4月1日) 株価の( )は年間騰落率
- 金(CMX):1233.40 ドル/トロイオンス
- 金(TOCOM):4417.00 円/グラム
- プラチナ::979.46 ドル/トロイオンス
- WTI原油:37.81 ドル/バレル
- 天然ガス:1.95 ドル/MMBtu
- 日経平均株価(4/1):16164.16(-15.08)
- 中国上海総合指数(4/1):3009.53 (-21.02)
- ドイツDAX:5353.49 (-16.72)
- NYダウ:17685.09 (0.07)
- ナスダック総合:4869.85 (-0.63)
ゴールドマンサックスのアナリスト、ジェフリー・カリー、マックス・レイトンらは、FRBが2016年に3回の利上げ(0.25×3)を行い1.3%まで金利を上げると予想。そうなると金相場は2016年末に1000ドルまで下落すると予想しています。
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