先日の米雇用統計が悪く、FRBの利上げ観測が遠のき、金利面で有利になる金価格は上昇。何しろ金投資では金利が得られませんからね。
しかし、何事も行き過ぎは良くありません。米10年債は、1.68%まで金利低下。日本や欧州のマイナス金利と比較すれば、まだまだ下がる余地はあります。
とはいえ、米国債がどんどん変われて利回りが低下していけば、世界中を巡り巡っているお金はどこに行けばいいのでしょうか。
大量の資金を運用できる資産なんてそうはありません。金投資でもカバ-しきれませんからね。
フラッシュクラッシュリスク? 下がり続ける米10年債とNYダウの動き
2016年6月9日:NYダウと米10年債利回りチャート:GMOFXネオ
前回、この水準まで金利が低下したのは2016年2月の1.63%。この時はNYダウが下落して16000ドルを割れていたところ。
ZEROHEDGEでもフラッシュクラッシュ(瞬間的な暴落)のリスクがあるのではないかと心配しています。
最新の債券価格はブルームバーグでチェックできます。
また、別の話で、経済学者のポール・クルーグマンは、米雇用統計の激減は、深刻な景気後退ショックには至らずも、米景気減速を示しているとNYタイムズのコラムで言及。
景気減速及び急激な雇用統計の悪化は、ドル高が要因とのこと。
そして、もしもリセッションが起きた場合に、低金利状態のFRBは金融緩和の余地がない。議会は共和党が支配しており、大統領がクリントン氏に決まっても財政出動の余地はないと発言。
クルーグマンの意見を参考にするならば、ドル安に誘導すれば米景気は減速しないということになります。つまり、米国側としては利上げしたいが米ドル高は嫌だということなんでしょう。
結果的に財政出動と円高を押し付けられるのは日本ということになりかねません。欧米は、世界の成長エンジンを中国からインドにシフトしている感もありますから。
NY金価格は上昇
●NY金価格チャート:2016年6月9日 GMOCFD
5/30の1199.8ドルを底値に金相場は上昇トレンドに変化。1200ドルがポイントになりやすいセオリーは生きていました。一目均衡表の雲を抜けて更なる上昇をするかどうかというところ。
一段の上げについては、米利上げが出来ない・更なる債券価格の低下・米株のクラッシュ・米ドル安が起きた場合にありえる。
ただし、6月23日に英国の国民投票(ブレグジット)という一大リスクイベントが待ち受けているため、結果次第で金価格に大きな影響が出ることもあるので、6月の金相場は予想しにくいところ。
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