英EU離脱派勝利で離脱ドミノが起きる? 金価格は急上昇し1320ドルに到達:2016年6月27日~

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先週末は、英国の国民投票でEU離脱派が勝利したことで持ちきり。ブラックフライデーとなった24日は、リスクオフの動きが激化して、金価格は急上昇。

NY金先物は、8月限で1322.4ドル、期近の6月限は、1320ドルと急上昇して引け。

ロイターによると英ポンド建ての金価格は、1時、21%高と急騰。インドスエズ・ウェルス・マネジメントのマリー・オーウェンズ・トムセン氏は、1350~1360ドルを目指す可能性と、その後に1400ドル台を目指す可能性があると、今後の金相場上昇を予想。

ロンドンでは、在庫がひっ迫しているとのニュースも出ています。

●NY金価格の日足チャート:EVOCX

急騰している金価格

完全に上抜けた金相場。一目均衡表の雲・遅行線・基準線・転換線と全てが上向き。

英国のEU離脱派勝利で金相場が一気に上昇

6月23日に実施された英国の国民投票は、先週に入り、残留派が優勢と報じられており、出口調査でも残留派勝利との見方が強かった。ところが、24日の朝に流れが変化。BBCの速報を見ていると、日本時間の8時過ぎに、EU離脱派の票が増え始め、そのまま押し切ることになりました。集計に伴い、英ポンド下落・日本円上昇などリスク資産が売られて、安全資産が買われる傾向が強まり、金相場にも買いが集中して、急騰する結果。

今回の投票結果により、英国の欧州離脱が確実となり、政治経済的な不確定要素が増加。今後起きることが分からなくなり、リスク資産を保有している投資家達が、できる限り、ポジション処理に動くことになるでしょう。

株価などの下落により、世界全体で1日で約3.3兆ドル(330兆円)の資産を失う結果になっています。

英国のEU離脱によって起きそうな事態:離脱ドミノ化?

すぐに英国がEUから離脱するわけではなく、猶予期間はあります。しかし、英国政府が警鐘を鳴らしていたように、英国からの企業離脱や移転はこれから起きてくるでしょう。そして、各地で起きてきた反グローバリズム・独立派が勢いを増すことから欧州が混乱します。

スコットランドの独立、フランスのEUからの離脱、カタルーニャのスペインからの独立と離脱ドミノが起きる可能性が指摘されています。

  • 英国内やEUの混乱
  • 英国やEUからの離脱ドミノが起きる可能性
  • 反グローバリズム派の勢いが強まる
  • 各国で財政出動の可能性
  • 金融市場の混乱
  • 米国利上げの延期

国債格付けや英国の銀行格付け引下げも予想されており、債券や金融商品の安全性も見直されます。

FRBの利上げ延期は金価格の上昇要因

この状態では、米FRBの利上げも見送るでしょう。これは、金相場にかなりのプラス材料。米株も下落しており、この混乱のさなか、7月や9月のFOMCで利上げする確率は一気に減少。

FedWatchによると年内に利上げする確率は23.7%まで減りました。2016年中の利上げはできないのではと一気に市場の見方はネガティブに変化。

これらの要因は、ほぼ金価格を上昇させる要因。

●NY金価格の月足チャート

NY金の月足チャート

長く続いた下落トレンドから上昇トレンドに転換。基準線と転換線の位置・遅行線の位置から雲の下限を抜けるとさらに金相場の上昇が考えられます。その場合は雲の上限である1500ドルを目指す動きになってもおかしくありません。

●東京金価格の月足チャート

東京金価格の月足チャート

雲の下限で止まり、上昇に転じています。為替相場の影響も受けますが5000円が上値のめど。

G7声明では、市場動向を注視するとともに、英当局が万全の態勢にあると確信していると明記。合わせて為替の過度の変動や無秩序な動きは、経済・金融の安定に悪影響を与えうると強調した。

そのうえで流動性供給のための手段を用いる用意があるとし、引き続き市場動向と金融の安定を緊密に協議し、適切に協力していくとの方針を示した。ロイター

G7では、今回のEU離脱派勝利による暴落相場を見て、共同声明を発表。政府・中央銀行が、事態収拾に向けてどのような手を打ち出すかに注目が集まっている、取り急ぎ、為替・株価については過剰反応的要素も強く、一時的な反発の可能性も出てきます。

とりわけ、米FRBが量的緩和の再開に動きだせば、これまでの市場は、米国の利上げプロセスの巻き戻しに走ることにもなりかねません。

ただし、悲劇に傾きすぎるのも、良くないでしょう。一部でEUの終りの始りとの論調も出ていますが、EUが終わっても世界や欧州が終るわけではなく、人類や経済は脈々と続いてきました。破局とは、部分的な崩壊に過ぎず、破壊と再生から富の再配分も生まれるということを忘れてはならないと思います。

このような時こそ、金相場の行方を見ておくことが必要。金融市場のカナリア・安全資産としての金投資に、光が当たり始めました。