2月3日の英科学誌「ネイチャー・ケミカルバイオロジー」で公表されたゴールドを固める能力を持つ細菌が、デルフチア・アシドボランス(Delftia acidovorans)。
カナダの研究チーム「ネーサン・マガービー氏」によると細菌を使って水に溶けた金を固まらせることも不可能ではないと夢が広がる話をしてくれています。
デルフチア・アシドボランスのちから
分泌された代謝物に有毒な金から身を守る作用があり、金のバイオミネラル化を生じさせる作用があることを示す初めての事例:AFP
金は水に溶ける?
金は、溶けない・腐らないなど安定した物質、とはいえ、水にまったく溶けないわけではありません。
海水にも微量ながら含まれています。しかし、濃度的には薄すぎて生産できるレベルではなく金イオンとして存在するに過ぎませんが。
ほとんど溶けることのない金をわずかながらも溶かす水の力はすごいですね。海水は、どんなものでも微量なら溶かすため、下記のデータ通り、様々な物質を含みます。
- ・海水成分中の金:0.011μg/kg(海水から資源)
- ・海水の組成:様々な物質が海に溶け込んでいます。
ところが、今回、発見された細菌を活用することで、海水や湖水から金を取り出すことが何十年後かにできるようになるかもしれません。もしも、採算ベースに乗れば錬金術の復活です。そのためには、何万トンの海水が必要になるのでしょうか。
金を溶かす液体「王水」
なお、金を溶かすことができる希少な液体として有名なのは、【王水】。
濃塩酸と濃硝酸とを3:1の体積比で混合してできる液体で、金だけでなく白金を溶かすこともできます。
●王水に溶ける金箔
この動画を見てください。金箔が溶けて、王水の色が金色に変わっていきます。
かつては、この王水にしか、溶けないと言われていましたが、実は、身近な物質で金を溶かすものがあるのです。それは、うがい薬などに使う「ヨードチンキ」。溶かす力は王水ほど強くはありませんが、わずかでも溶けてしまうと、美しさや魅力が半減するので、高価格の金製品には近づけない方が良いでしょう。
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