8月雇用統計が悪く、米国9月利上げ確率は21%に止まる:2016年9月5日週の金相場見通し

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先週の金相場は、やや下落基調。8/26のジャクソンホール以降、米国の利上げ基調が台頭して米ドル高への動きが出ており、相対的に金価格は下落。FRB高官達からは、次々に利上げに関する話が出ているものの、市場は利上げを強く織り込んでいない様子。

9月2日の8月米雇用統計は、予想より悪い数字で前月比+15.1万人。予想とのギャップは2.9万人。平均時給も前年比+2.4万人。

20万人を超えれば、9月利上げもありうるとの予測が出ていただけに、結果を受けて金価格は、急激に上昇を見せた。

現在のCMEによる9月利上げ確率は21%、12月は、41.1%。FRBは利上げをしたそうな素振りを見せているも、米経済が利上げに耐えられるかがポイント。

2016年8月最終週の金相場振り返り

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金価格は下げ、白金は大きく下落。米10年債は、ようやく1.6%に乗せてきました。

各市場の動き

各市場の動き:日足チャート GMOクリック証券CFD

日足チャート

米経済&世界経済は利上げに耐えられるかが鍵

8月ISM製造業指数も2年半ぶりの50割れで49.4まで低下。何度かお知らせしている通り、米経済の現状は弱くインフレの状況は続くスタグフレーション傾向。米ドル高や原油安などが足を引っ張っており、米国がドル高を避けたい意向なのは以前のまま。米ドル高は金価格の下落要因であることはお伝えしている通り。

高金利は短期的に通貨高となり、長期的にはインフレによる通貨安に動きやすい傾向を持つ。

FRBとしては、いずれ来るであろう景気後退局面に利下げというカードを持つためにも、まだ経済が良いうちに、利上げをしておきたいとの考えから、地ならしをしている最中。米経済は、弱いながらも欧州や日本に比較すると強めであり、長らく続いた金融緩和の出口戦略を欧州や日本に先駆けて実施することで、出口戦略の副作用をどこかに押し付けられる可能性も持つ。ハト派のイエレン議長はよくここまで利上げを我慢してきたと思います。

後1回位の利上げには耐えられるかもしれませんが、利上げが相次げば、米経済よりも世界経済に大きなダメージが来るのは、2015年12月の前回利上げの時に、世界経済が大きくダウンし、金価格が1250ドルを突破した時に見た通り。思えば、その時よりも金価格は高値を付けており、欧州や日銀の緩和路線があるとはいえ、世界の投資家が、恐れを抱いていることの証明ではないでしょうか。

米国大統領選挙は、トランプ大統領候補とメキシコペニャニエト大統領の会談において、トランプ候補の主張する国境の壁建設の建設費用をメキシコ大統領が支払わないとトランプ氏に伝えた件で盛り上がりました。メキシコ側からすれば当たり前の話で、大騒ぎするようなことではありません。米メディアはリベラル派が主流で、明らかに偏向しています。そのため、クリントン候補優勢だとは思いますが、最後まで結果は分かりません。どちらが勝つかは金投資および市場の状況を見ておくのがいいでしょう。

南シナ海での領有権問題を巡り、オバマ米大統領と習近平中国国家主席の会談では、双方の主張は平行線。

安倍首相とロシアのプーチン大統領の会談では、北方領土問題について前向きな方向性。安倍首相は、北方領土問題を含む平和条約交渉に意欲を見せた。

政治面において、中国対日米の対峙姿勢が出てくる中、政治的安定度を増している安倍首相は、中国包囲網を敷き始めている。アジアが安定するまでには地政学的混乱が今後も出てくるでしょう。混乱や紛争激化は、特に中国での金投資が盛り上がることになります。

白金相場は引き続き下落基調、ランドが安くなる中で、南アフリカの白金鉱山の採算が良くなり、白金が増産されるとの見通しが広がっている。また、日欧の景気改善が弱い中で、景気に左右されやすい白金需要は盛り上がらないことも下落要因。

●NY金価格の日足チャート EVOCX

NY金価格の日足チャート

一目均衡表の遅行線が価格を割り込み、雲の中にも突入。短期的な動きとして、2016年9月は金相場の下落警戒感が強い状態。高値は1350~1380ドルが目安。安値は1300ドルを割り込んだ場合の急激な下げが怖いところ。もし、FRBが予想外の9月利上げを行えば、サプライズ感が強く、一時的に金相場は大きく下げる可能性が高い。

●東京金価格の日足チャート EVOCX

東京金価格のチャート

8月26日に東京金先物価格は、4250円の安値を付けるも、先週は円安ドル高に動いたために、国内金価格は上昇。引き続き、NY金安警戒に対して、ドル高円安での東京金が上昇する動き。どちらが強いかで最終的な国内金相場の動きが決まってくる。

4200~4500円の間で引き続き動きと予想しています。