利上げ観測の高まりと欧米製造業の弱さそして北朝鮮の核実験が材料:2016年9月12日週の金相場見通し

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NY金価格は、9/1の1305ドルを底値に反発を見せている。ただし、上値が切下がっているだけに、目先は、下落リスクが高いと見ています。

最大の材料となるFRBの利上げは一進一退を繰り返しています。ジャクソンホールの後、FRB高官からは相次いで早期利上げ観測の発言が登場。しかし、米雇用統計・ISM製造業景況指数は悪化と9月のデータは芳しくありません。

●金融市場の終値:2016年9月9日

金融市場の終値

●9月9日に米9月FOMCでの利上げ懸念が台頭。金価格以上に株価やREITが下落。

各市場の終値チャート

米FRBは利上げに向けて地ならし中の様子

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ハト派のボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、9日に、利上げを遅らせることで米経済は一段のリスクに直面。海外の景気鈍化は懸念材料も米経済は底堅く景気過熱のリスクがあると指摘。

タルーロ理事は、インフレが持続可能な形で、加速していることが分かれば利上げを行う。ダラス地区連銀のカプラン総裁は、米利上げの根拠は強まるも、辛抱強く慎重に行動する必要ありと指摘。

FRB内でも最もハト派とされるブレイナード理事がシカゴで12日に講演。FOMCに向けたブラックアウト期間の開始が翌日であることからも注目。

米FRBは、9月もしくは年内利上げに向けて地ならし中。これまで、金融市場は相次ぐ高官発言にも反応が弱かったものの、ついに、株価下落を見せました。米経済データに加えて株価の反応を見て、FRBは、利上げ有無を決めるのでしょう。今は、利上げした時の市場の反応を見極めている期間。

金相場を取り巻く材料:北朝鮮の核実験やドイツの輸出減など

同じ9月9日は、北朝鮮が地下核実験を行い、核兵器の実装に近づいているとの見方が広がりました。恐怖指数はこれを受けて上昇。米利上げ観測によるドル高がありながら、金価格の下げが弱いのは、このニュースが影響しています。

北朝鮮の崩壊は近いと言われながら、ここまで耐え続けており、ついに核攻撃能力を持つ一歩手前にまで来ていることを忘れてはいけません。独裁の崩壊前に、破れかぶれになった政権が、他国を攻撃する可能性はゼロではなく、充分な警戒が必要。話し合いが通じる余地はほとんどなく、北朝鮮内のでの内乱やクーデーターが一番望ましいシナリオ。この地政学リスクの高まりは、金相場の下支え要因になる可能性があります。

ドイツの輸出減少。

また、ドイツの7月貿易収支は、195億ユーロと前年同月の250億ユーロから大きく減少。ドイツ経済減速懸念が浮上しています。EU以外への輸出が13.8%と大きく減少しています。これにより、非鉄金属の銅や亜鉛などが下落。

米国や欧州の製造業部門が鈍化していると、コモディティ関係者は語っており、米国・中国・欧州の製造業指標の推移に注目が集まりそう。

韓国の韓進海運破たん

米農務省は8日のリポートで、韓進海運の破綻で港湾運営や船舶貨物などの業界は向こう2、3カ月にわたって混乱し、米韓の貿易にも影響が及ぶ可能性があると指摘した。米西海岸からアジアへのコンテナ貨物の平均運賃は5月以降、2倍強に上昇しており、さらに上がる可能性があるという。ロイター

韓国の海運大手、韓進海運の経営破たんで、船便の輸送コストは上昇。クリスマス商戦に向けて、在庫不足による売上減少懸念。運賃高騰によるインフレ懸念の双方の側面があることも、今後の小売売上高や物価指数を見る時に考えることが必要。

 

このように、米経済は、インフレの状況が強まる中で、経済指標は強くない状況に変化はない。株価が調整すれば、金投資が増える可能性もあり、下値については支えられそうな気配。

●NY金価格の日足チャート:EVOCX

NY金価格の日足チャート

上値が前回高値を超えられずに、下落基調に転じているのが気になるところ。金価格が厚い雲の中に突入しそうで、雲の動きも上昇から横這いに変化しつつあることから、予想外のイベントやリスクが起きない限り、目先の動きとしては下への動きを警戒したいところ。

●東京金価格の日足チャート:EVOCX

東京金価格チャート

東京金価格は横ばいモードが続く。4200円と4500円の間に挟まれた動きで、為替とNY金相場の綱引き状態。北朝鮮に関するリスクがアジアの金投資熱に火をつけた場合は上昇要因。可能性はまだ低く、このまま横這いと予想。

 

NY白金価格は鉱山スト懸念で上昇

NY白金は、9/1に、1043ドルまで下げたおのの、9月6日に、南アフリカで鉱山ストの懸念が台頭し、急上昇。7日には、1110.5ドルまで買いが進んだ。

白金の業界団体=WPICのレポートでは、2016年の白金需要は、16.2トンの供給不足。前年の10.4トン不足からも拡大。利用可能な地上在庫は58.3トンと前年の74.5トンから減少すると予測。

鉱山からの総供給量は3.7%減少の184.3トン。うち南アフリカからの生産は6.2%減少の130.3トンとのこと。

9月12日(月):機械受注、工作機械受注、米アトランタ連銀総裁が講演など
9月13日(火):法人企業景気予測調査、ソニーPSカンファレンス、中・小売売上高など
9月14日(水):マンション発売、串カツ田中上場、米MBA住宅ローン申請指数など
9月15日(木):東京ゲームショウ、米小売売上高、BOE政策金利など
9月16日(金):米ミシガン大学消費者信頼感指数、ノムラシステム上場など

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