ISM製造業景況指数の上昇で米12月利上げ確率が急上昇:2016年10月10日週の金相場見通し

<スポンサーリンク>

10月4日に、金価格は43ドルの急落。1300ドルを割り込み1269.7ドルまで下落。その後も下落が続き、週末終値は1251.9ドルまで下げて終了。

金相場が下落した要因は、経済指標の好調で米国の12月利上げ予測が急激に高まったこと。昨年の12月に利上げを行ってから、なかなか2回目の利上げに踏み切れなかったFRB。年2~3回の利上げどころか結局、ここまで、利上げせずに来てしまい、その分、安全資産・金利のつかない金価格は高値を維持していました。

今夏頃から利上げを実施しておきたいFRB、イエレン議長をはじめFedの高官達が、利上げへの地ならしを行ってきました。9月のFOMCでも、利上げの根拠は強まっているとするなど、いよいよ利上げという姿勢を見せています。

●各国の金融市場終値:2016年10月7日

各国の金融市場

金相場が急落。債券金利が上昇するなど利上げ確率の高まりが影響。

金価格急落の理由はISM製造業指数が大きく上昇したこと。

<スポンサーリンク>




そして、10月3日に発表された9月ISM製造業景況指数が前月の49.4に対して51.5と大きく上昇したことで、利上げ確率が急速に高まり、米10年債の下落=金利上昇。金価格の急落を呼ぶことになりました。

米国FF金利先物の利上げ確率は、急激に上昇。11月=8.3%ながら、12月の利上げ予想は65.1%となり、利上げが実施される方向に変化。利上げが実施されると、金利を生まない金投資から米ドルへと資金が流れるために、金価格は下がります。

利上げペースに注目していきましょう

これは、従来から、指摘してきた通り。米利上げにより、金相場が下がる局面が出てくるのは予想通り。どこまで下がるかは利上げペースと利上げが世界経済に与える影響。正直、トランプショックよりも米利上げショックの方が経済を混乱させる可能性は高いと思います。

もし、利上げショックが中国・欧州などに大打撃を与えて、米国に戻ってくるようであれば、利上げペースは緩くなるでしょう。現時点でも次々と追加利上げが実施される状況ではありません。

●各金融市場の動き:GMOクリック証券のCFD

各市場の動き

今のところ、日米をはじめブラジルの株価も現状維持。今回の利上げ確率上昇に反応しているのは、金・銀・白金をはじめとした貴金属と不動産市場(REIT)。

ちなみに、注目されていた10月7日の米9月雇用統計は、非農業部門雇用者数は、15.6万人増加。失業率は5.0%。平均時給は前月比0.2%増、前年比2.6%上昇。雇用統計自体の数字は、予想より悪かったものの、現状では、余程、数字が悪くならない限り、利上げに与える影響は小さくなっています。

それよりも重要になっているのは、GDPやISM製造業指数など景気関係の指標。ここまでFRBが根回しを行っている以上、12月利上げの確率はかなり高いでしょう。イエレン議長・フィッシャー副議長は、利上げの副作用を十分に理解して、ここまで耐えてきました。もしも、利上げによって、米経済がダメージを受ければ、もう一度、金融緩和路線に戻せばいい話。ここで利上げを行わねば、実施するタイミングがつかめなくなります。

●米GDP(前期比年率)の推移

米GDP前期比年率

2015年~2016年にかけて、好調な雇用関係の数字に対して、強気になれない米GDPの数字。10月28日に速報値が発表されるが、年末にかけてGDPの数字が悪ければ、利上げが出来なくなる可能性を残す。

現状、可能性は低めながら、利上げ回避になれば、金価格はまたも上昇局面へと動くでしょう。

●NY金価格の日足チャート:EVOCX

NY金価格の動き

金の現物相場は200日移動平均線を割り込。

ゴールドマン・サックスは、10月4日の金価格下落について、FRB当局のタカ派的発言の後と指摘。年末にかけては中立。年内に利上げの可能性ありと指摘。至極当然の意見です。

●東京金価格の日足チャート

東京金価格の動き

NY・東京とも金相場は大きく下落。一目均衡表の雲の傾きも下を向いており、テクニカル的に弱気模様へと完全に転換。

南アフリカのストライキ

プラチナ市況を左右する南アフリカのストライキは、全国鉱山労働者組合とインパラ・プラチナが合意。

7.5~10.0の賃上げ率で合意したとのこと。

労使交渉が一歩進んだと言えます。