米国の12月利上げが織り込まれために、金価格の下落も落ち着き、NYは1250ドルを底にした小動き。東京金価格は、4100円を底に上昇の動きを見せた一週間になりました。そして、そろそろインドのディワリによる金投資の需要が強まる時期。
ディワリは、ヒンズー教のお祭りで新年を祝う行事。
NY金は、10/7の1243.2円が直近の安値。東京金は10/11の4111円が安値。
FRBからは、12月利上げを示唆した発言が相次ぎ、米大統領選挙もクリントン氏優勢の動きから、現状のシナリオは、「クリントン大統領誕生と12月の米利上げ」が規定路線として、市場に織り込まれています。
12月の次に行う利上げについての議論もこれからうるさくなるでしょう。
●金融市場の終値
ユーロについて、ECBのドラギ総裁が10月20日に、QEの唐突な停止はないだろうと発言。テーパリングに関する懸念が弱まったこと、12月の米利上げとECBの緩和路線継続による金融政策の違いが先取りされており、ユーロ安ドル高の動きを見せています。
●海外市場の日足チャート:GMOクリック証券のCFD
NYダウは、利上げを踏まえても高値圏を維持。日経平均株価や英株価は上昇しています。
米国利上げとアジアからの需要が材料:インドのディワリ
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金相場は、米国利上げによる下落は消化傾向。中国やインドなどアジアからの金投資が押し上げ。
インドのダンテラス・ディワリといったヒンズー教の祭典が金買いの要因になっているとの話。
ディワリは簡単にいってしまうとインドのお正月です。「ヒンズー教のお祭りはいっぱいあるよ」と先生はいいます。その最大のお祭りのひとつがディワリです。お正月といってもヒンズー歴でいうお正月は1月ではありません。ヒンズー歴は日本でいうところの「旧暦」に近い古い暦です。
インドのお祭り:インドタウンページ
このため、金の装飾・贈り物等で需要が高まる時期。ディワリは、ヒンズー教の女神ラクシュミーをお祝いし、買い物をすると縁起が良いとされています。
そして、ダンテラスは、ディワリの2日前に行われる行事。ダン=お金、テラス=13日目を意味し、満月になってからの13日目に買い物をすることで、お金に苦労しないという話。インドの金や銀を買う習慣の一つ。
~ここでダンテラスストーリー~
昔とあるインドの王様(名前はハマー王)の16歳の息子が結婚4日目にコブラに噛まれて瀕死の状態になっています。
王子は寝てしまうと死んでしまう為、妃が寝ずの看病で王子が眠らない様一晩中話し続けていました。
ある時妃は自分の宝石(金、銀、金貨、ネックレスetc,…)をあるだけ持って来て小さい山を作り、Diya(オイルランプ)も沢山持って来て部屋中に灯しました。
もう部屋の中はランプの光が金や銀に反射してまぶしい位。妃は王子が眠らない為に色々考えました。
そんな時、Yamaが蛇に化けてやって来ました。Yamaは王子の魂を運びに来たのです。(Yama(ヤマ)とは天国か地獄どちらに行くのか審判にかける場所まで魂を持って行く神様)蛇になって部屋に入ろうとしましたが、部屋があまりにも明るくて眩しかった為Yamaは動くことが困難になり宝石の山の上で座っていました。
そのうち朝になりYamaは何もせずに帰って行きました。
妃は王子の魂を守りました。
現在のダンテラスのオイルランプはYamaへのリスペクト(尊敬)の為に炊かれています。
近年のインドは、貿易赤字解消・外貨流出を防ぐために、金購入に規制をかけることが多い。特に金価格が高くなった場合や需要が増えた場合に、輸入規制が実行されやすくなります。
●NY金価格の日足チャート:EVOCX
●東京金価格の日足チャート
インドのディワリ(新年のお祭り)による需要が金相場の下値を支えています。米国の利上げは織り込まれつつあり、次回以降の利上げ有無やスピードが更なる下げを呼ぶ可能性があります。イベントが起きない限り、急速な上げは考えにくく、一目均衡表の雲の角度や位置に注意しておきたい。NY・東京とも雲の形は下向きで、下値リスクに注意しておきたいところ。
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