2017年は米利上げ回数と欧州の選挙に伴う混乱がテーマ:2016年12月12日週の見通し

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12月2日の11月米雇用統計は、前月比17.8万人増加。失業率は4.6%と良い数字。今週の12月FOMCで利上げされることはほぼ確実。

その中で、日米ともに株価は大きく上昇しており、トランプ政権誕生に向けて、旺盛な株買いの意欲は強い。ただ、19000円・19000ドルの達成感及びFOMCでの利上げによるショックは注意しておきたい。

フィスコの情報によると、1カ月間の株式時価総額の増加は2兆ドルで、債券の減少幅とほぼ同額。債券から株式への資金移動が顕著であり、その分、債券利回りは上昇しています。

●金融市場の日足チャート:GMOクリック証券の日足チャート

日足チャート

日米ともに株価が大きく上昇。米国のREITも上昇。金相場は引き続き下落の動き。

相場の動き

混乱深まる欧州とユーロ

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先週は、ユーロで二つのイベントがありました。ECB理事会は、ついにテーパリングを開始。ドラギ総裁は、テーパリングとは段階的に債券買い入れ額を減らすことであり、今回の処置はテーパリングではないと力説。

2016年12月のECB理事会:テーパリングを開始

今回のテーパリングは後者の措置であり、またECBは今回の会合で政策金利を下回る利回りの債券を買い入れないとしていた規定を取り払う決定を下している。つまり、現在の政策金利である-0.4%を下回る債券も、これからは買い入れることが出来るようになるということである。

これらの事実は、買い入れ額が結果的に減少したとしても、ECBが可能な限り限界まで債券を買い入れていることを示唆している。そしてECBが債券を限界まで買い入れている限り、債券価格が下がる(つまり金利が上がる)ことはないだろう。少なくとも金融市場は今回のテーパリングをそのように解釈したということである。グローバルマクロリサーチ

ECB・日銀ともに緩和の限界に達しつつあり、いつまでも買入れを続けることはできません。

もう一つの重要なイベント、イタリアの憲法改正を問う国民投票は、改正反対派が勝利し、レンツィ首相は辞任することになりました。EU主導・ユーロに対する反対派が勝利し、英国のEU離脱・ローマ市長ビルジニア・ラッジ氏の当選・トランプ氏の勝利と反グローバリズムの流れが止められないことを示唆している。経済成長よりも平等や民族の文化維持を望む方が多数であり、そう簡単に止まらないでしょう。

金相場含む商品市場の状況

金の需要に関して、中国・インドで弱気のニュース。中国政府による金輸入制限の話、そして、インドのモディ政権が高額紙幣を無効化により、金の現物を買う余力を失っています。

モディ首相は11月8日に行ったテレビ演説の中で、翌9日0時から高額紙幣を無効にすると宣言。無効になった紙幣の流通量は全体の80%に上り、人々は新紙幣への交換や、旧紙幣のATMへの預け入れを行うべく銀行に殺到しました。窓口での紙幣交換は11月24日に中止となったので、以後は銀行に口座を作って預け入れることになります。モディ政権の高額紙幣廃止

モディ政権側は、ニセ札や不正蓄財防止を目的にしており、キャッシュレス社会を目指すようですが、政権や通貨への信頼を無くした人達は、いずれ、金投資へと戻ってくる可能性があります。

いきなり、紙幣無効化されては、政府を信用できなくなりますからね。

石油は、12/10の会合をウィーンで開き、OPECに加えてロシア・メキシコなどが協調減産することで合意。

  • OPEC:120万バレルの減産
  • 非加盟国:56万2千バレルの減産

日量で合計180万バレル規模の減産となる見通し。ロイター:原油関連の記事

金相場の見通し:来週の主なイベントや経済指標。いよいよ12月FOMC、0.25%の利上げが予想されており、予想通りの場合は、利食いのドル売りが出てくる可能性もあります。その場合は、金相場も反発するでしょう。もっともイエレン議長の会見で、今後の更なる金利上昇を示唆された場合は、ドル買いの勢いが強まる可能性もあります。

プラチナの需要について・・・気になることが一点。欧州の自動車業界は、ディーゼル車から電気自動車へと切り替わっていくことを示唆しており、排ガスの白金触媒需要減少が懸念されています。

●NY金価格の日足チャート:EVOCX

NY金の動き

●東京金の日足チャート

東京金の日足チャート

NY金価格は、日足チャート的にも引き続き、下値警戒感が強い。FOMC次第ですが、インフレ警戒感が強まっており、2017年の米金利が大きく上昇する可能性あり。その場合は、米ドル建てのNY金価格は下落。

現在、FOMCは、2017年に年2回の利上げを想定。ゴールドマン・サックスは年3回の利上げを予想。市場の関心は来年以降の利上げ及び金利動向へと移りつつ。

東京金は、為替相場の円安により、下げ幅が相殺されているために、横這いが続いています。

12月12日(月):機械受注、工作機械受注速報、米財政収支など
12月13日(火):中鉱工業生産指数、独ZEW期待調査、米FOMCなど
12月14日(水):日銀短観、米小売売上高、イエレンFRB議長会見など
12月15日(木):日ロ首脳会談、独製造業PMI、米製造業PMIなど
12月16日(金):ユーロ圏消費者物価指数改定値、米住宅着工件数など

フィスコ