イスラム法(シャリア)で金投資の新基準が承認されました!WGCが全面協力し制定

<スポンサーリンク>

2016年12月5日、イスラム金融機関会計監査機構(AAOIFI)とワールドゴールドカウンシル(WGC)は、金投資についての規制・基準を発布したと公表。

イスラム金融において、金投資・取引をする際の初めての規定であり、イスラム法の元でも金及び銀への投資が正式に認められることになりました。

これまで、イスラム教徒は、金の現物や宝飾品として保有していたものの、金融商品・投資として明確な基準がなく、認められず。

イスラム教徒

今回の承認によって、イスラム教徒からの需要が増えると期待されています。

イスラム法での金投資に関する基準

<スポンサーリンク>




正式名称はAFPによると、Shari’ah Standard No. 57 on Gold and its Trading Controls(金および金取引規制に関するシャリア(イスラム法)基準No.57、以下「基準」)。イスラム法委員会に金業界の権威であるワールドゴールドカウンシルが協力して制定。

基準は、金とその諸形態・カテゴリーに関するイスラム法の規制、金取引に関するイスラム法規制、金融機関における金ベース金融商品の規制について規定している。AFP

この基準によると、適切なザカート(喜捨)を含む金所有など、イスラム法の規定を満たすことで、金投資が認められる。

  • 11月20日:イスラム金融機関会計監査機構(AAOIFI)のシャリアボードで承認
  • 12月5日:バーレーンの世界イスラム銀行会議で承認

WGCによる金需要予測

世界人口の25%を占めるイスラム教徒から、大きな需要があるとWGCは見込んでいます。

  • イスラム教徒の人口は約16億人
  • 現在の世界全体の金投資への需要は約4千トン強
  • イスラム金融は年平均16%成長
  • 2020年までに2兆ドルに達する見通し。そのうち1%が金に配分されると
  • 500~1000トンの金投資需要が生まれるとWGCは予想

これは、かなり、大きな影響を金相場に与えそうです。米利上げ・トランプ政策で、下げている金価格(1160ドル前後)には、大きな下支え要因。

WGCのアラム・シシュマニアンCEOは、イスラム投資家と金にとって、革新的だと発言。

金投資に関しての権威あるガイダンスが出来た。金は、イスラム投資家が富を守り市場リスクを分散させるために利用できる資産とコメント。

ワールドゴールドカウンシルは、専門のウェブサイト:シャリアゴールドドットコム(shariahgold.com)を開設して、イスラム教徒に対して、【金のシャリア基準】をダウンロードできるようにしているほか、ケーススタディやFAQを用意しています。

装飾品のゴールド

WGCがFAQで推奨するように、資産の2~10%をゴールドに振り分けることをイスラム教徒が実行すれば、金投資の需要は大きく高まります。

▽AAOIFIについて
1991年創立のバーレーンに本拠を置くAAOIFIは、世界のイスラム金融業界のための発展と基準設定に主として責任を持つ国際的な非営利組織である。AAOIFIは、45か国以上の中央銀行、規制当局、金融機関、会計・監査企業、法律事務所を含む多数の機関メンバーによって維持されている。その策定した諸基準は現在、世界中の主要なイスラム金融機関によって順守されており、国際的なイスラム金融業務の革新的な調和を先導している。AFP

イスラム金融の基本

イスラムは、イスラム教における規範や法を意味するシャリアに則った行動が求められており、金融もその例外ではありません。コーラン及びムハンマドの言葉・行動であるスンナを元にしており、国家及び生き方の規範として、最も大切なことです。

日本・中国・欧米においてもキリスト教・仏教・儒教などの元に、法とは別に、倫理やモラルがあるのと同じであり、教徒への強制力があるとお考えください。

イスラム金融の主な規則

  1. 利子の禁止:資金の貸し借りで利子を受け取ることは不労所得として禁止
  2. 投機的な取引の禁止:投機的行為やとばく的な行為を禁止している
  3. 不確実な取引の禁止:価格や数量などの条件が不確実な場合、当事者間に不公平・詐欺的行為を生むために禁止
  4. 禁避的行為の禁止:豚肉・アルコール・タバコ・武器などの禁制品の利用を禁止

これら、シャリアの禁止事項を守るために、利子に変わる「ムラバハ」、共同出資にあたるムシャラカやムダラバなどの制度が存在。

イスラム金融のスキーム:イスラム金融に関する概要を知りたい方は、ifinanceのサイトでご確認ください。

ゴールドの需要が増える

このように、欧米・日本などで利用されている金融とイスラム金融は、利子・投資などの分野で違うところが多い。

そのため、金投資についての明確な基準が、これまではありません。そのため、イスラム世界では、宝飾品としての需要が中心。これからは、通貨・金融商品・資産としての金投資需要が増えてくるでしょう。

特に、中東・インドネシア・アフリカなど、国の通貨や資産を信用しにくいところでは、世界共通通貨としての「ゴールド」の価値が高まると予想できます。