ファイナル・クラッシュ:世界経済は負債の増大によって最終的にクラッシュする

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プライベートのヘッジファンドマネージャーとして活躍しているヒューゴー・ブーロー=本名はトビー・バーチ氏の書いた本。

最悪のシナリオとして、リーマンショック以上のファイナル・クラッシュが世界経済を襲うことを予測しています。2007年春に出版された本で、リーマンショックや米国債の債務不履行危機・ユーロ圏の国債危機等も予言。

そして、世界経済がクラッシュする可能性が高い中、金投資やシンガポールへの脱出を進めています。

ファイナルクラッシュが起きる原因

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ヒューゴー・ブ―ローことトビー・バーチ氏は、人々が貯蓄や勤勉の精神を失い、消費優先のライフスタイルになったことが、ファイナルクラッシュの原因としています。

もちろん、これは、人々の倫理観を変えればいいだけの問題ではなく、国家運営・企業運営の双方で「負債」が当たり前になっていることが要因。

勤労と貯蓄の文化を持っていた西洋は、ベトナム戦争前後のインフレの波と負債の増加によって、絶望的な消費・借金漬けになったとします。

そして、リーマン・ショック以上の危機が訪れると予想。

●GMOクリック証券のCFDチャート

米株や米REITは、リーマンショックもなんのそのQE=量的緩和の恩恵を最大限に受けて上昇を続けています。クラッシュの前兆は株価の乱高下であり、上下動が激しくなった時には、リスクが大きいと考えておきましょう。

株価と金の長期チャート

私は、2008年が終わる前に、市場の亀裂を見ることになると予想している。2010年から始まる新たな10年間では花盛りの後の憂鬱が訪れるだろう。そして本当に苦痛な離散の期間はその後にやってくる

ファイナルクラッシュより

リーマンショックは前兆に過ぎず、本当のクラッシュはその後・・・・確かに、今、世界経済は、リーマンショックの後を先進国の金融緩和で乗り切った状態です。

その分、中央銀行や政府の負債は大きく膨れ上がり、この負債によるクラッシュは非常に心配されています。一方、米国のトランプ氏は、財政出動を増やして、さらに負債を増加させようとしています。

●日本・米国・中国の政府負債:GDP比率

政府の負債総額

世界経済のネタ帳

この後に訪れるのは、繁栄かクラッシュかどちらになるのでしょうか?

実際、世界中にある負債の額はとんでもない量です。

世界中にある金融市場の価値の合計

  • ビットコイン:50億ドル
  • 銀:140億ドル
  • 最も裕福な人(ビル・ゲイツ):792億ドル
  • アップルコンピュータ:6160億ドル
  • 連邦準備制度理事会貸借対照表:4兆5000億ドル
  • 市場に流通する紙幣や硬貨、銀行券:5兆ドル
  • 商業的な不動産:7兆6000億ドル
  • 金:7兆8000億ドル
  • 狭義のマネーサプライ:28兆6000億ドル
  • 株式市場:70兆ドル
  • 広義のマネーサプライ:80兆9000億ドル
  • 負債:199兆ドル
  • デリバティブ市場:最大1200兆ドル

出典:インフォグラフィックス

デリバティブと負債の壮大さをご覧ください。紙幣や硬貨の5兆ドルに対して、デリバティブは1200兆ドル!

ニクソンショックで金本位制が終り、金の鎖から離れたマネーはとんでもなく膨張してしまいました。

ファイナルクラッシュとは

  • 政府による財政出動と国債発行を続ければ、いつか国債発行金利が上がり、デフォルトになる。
  • もし、米ドル・米国債の双方に問題を抱えたら・・・・ドルが通貨として弱く、米国債の信認性が低下したら・・・世界の主要通貨の下落になりかねない。
  • 日本にこれ以上、米国債を買う力はなく、中国もその力を失ったら。
  • 通貨が下がり、金や銀・原油が値上がりしてインフレになれば、保護主義・自国優先主義が登場する。
  • 第二次大戦を生じさせた大恐慌後の世界と同じ。⇒現代の戦争は個人の野心や野望ではなく経済で生じますからね。
  • アジアと西欧で逆転が起きる

金投資をすすめる

借金が続かなくなり、通貨価値が下がると、輝きを増すのがゴールド。著者は、金投資をファイナルクラッシュへの保全策としてすすめています。

特に現物のゴールド、メキシコ金貨やクルーガーランド金貨・メイプルリーフ金貨など純度の高い金貨を保有することが対策として一番。米ドルが下がれば金が上がることは当サイトでもお伝えしている通り。

長い目で見て、資産の一部を金投資に振り向けるのは正しい道だと思います。

ただし、大恐慌時に、米国政府は、国民が持っているゴールドを没収するという暴挙に出ています。日本も戦争中には、国民から貴金属を集めましたし、煮詰まった政府は何でもやります!

ゴールド以外の資産としては、スイスフランとシンガポールドルという負債の少ない小国をヒューゴー・ブローは著書で奨めています。

彼が、本書を書いた時から違うのがシェール革命。これによって、米国は、原油・天然ガスを自国で賄うことができるようになり、米国の崩壊が遅れたと言えるでしょう。インフレのタイミングも遅くなりました。トランプ政権になってからが、ファイナルクラッシュになるかどうかの分水嶺。ここからの4年間に注目です。

世界は救われるのか崩壊するのか!第一次・第二次大戦の悲劇から多くを学んだ人類が、叡智を集めて小規模クラッシュにとどめることを期待したい。

詳しくは、書籍(ファイナル・クラッシュ)を購入してお読みください。

訳者の石角莞爾さんは、経済産業省を経て、弁護士になった方。ユダヤ教に改宗したこともあり、ユダヤ人との人脈が強いことが特徴。