世界で相次ぐテロの脅威は終りを見せず、核・軍拡競争リスクが高まる:2016年12月26週の見通し

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クリスマスを控えて、金相場は落ち着きを見せています。米国のFOMCで予想通りに金利が引き上げられて、2017年以降の金利上昇スピードが早まることから、下落したNY金価格。

ドル高の動きが一段落し、世界中で起きたテロの中、リスクを嫌気した資金が金投資に向かったために、買戻しの動きが出た様子。

●金融市場の動き:GMOクリック証券のCFD 2016年12月25日

金融市場の動き

FOMCを終えて、材料出尽くし感&クリスマス休暇の状態。2016年の12月も利上げを行った後に、2017年の1月から相場の崩れが起きたために、新年にトランプ大統領就任前後あたりにリスクが高まる可能性あり。

金融市場の動き

金価格や株価はやや落ち着き

世界各地で相次いだテロ事件

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●12月19日:ドイツベルリンのクリスマスマーケットに、大型トラックが暴走して突っ込んだ。ISISが犯行声明を出しており、アニス・アムリ容疑者はイタリアのミラノ郊外で射殺された。

東洋経済:テロ事件の衝撃

●同じく、12月19日、ロシアのアンドレイ・カルロフ駐トルコ大使がトルコの首都アンカラで射殺、犯人はアンカラ機動隊のメブリュト・メルト・アルトゥンタシュ容疑者

映像には、黒いスーツ姿の男性がピストルを振りかざし、アラビア語とトルコ語で叫ぶ様子が映っている。男性は「アレッポを忘れるな、シリアを忘れるな」と叫び、アラビア語で「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と口にする。BBC

中東・アフリカ・アジアなど各地で、様々なテロが起きており、平和を維持することの難しさが浮き彫りに。物語にも出てくるように、自分の命よりも誇りや自立心・独立心・他者の命を大切にする面を持つのが人間であり、そう簡単に、テロは収まらないでしょう。

自分が正しいと、自己の価値観を押し付けては、様々な反発が起きてしまいます。

優秀な人材は欲しいが、社会保障に依存する人はいらないという、どの国にも共通する思惑が浮かび上がってくる。移民をどのように社会に受け入れ、自立させていくかが、ドイツのみならずどの国の移民政策にも共通する課題だろう

ドイツは人種のサラダボウル?

結局、各国の本音は優秀な人材・人口減少を補う分だけを受け入れたいのであり、人道的見地から難民・移民を受け入れたい訳ではない。上記の記事は、2014年に書かれたものであり、これが、悲しいかな各国及び国民の許容範囲だった。

大きく、移民・難民を受け入れる体制が変わったのが、2015年のアイランさん事件。トルコ海岸で亡くなった一人の男の子の写真が世界の心を揺さぶり、ドイツのメルケル首相が難民を受け入れ始めた。

トルコの海岸に打ち上げられた、アイランちゃんの遺体の画像は世界中に衝撃をもたらした。世界中で激しい怒りを伴う世論が巻き起こり、アイランちゃんの親類が提出した難民申請を拒絶した、中東から遠く離れたカナダの政治指導者らを困惑させている。ウォールストリートジャーナル

この事実は、非常に痛ましい悲しい事実。しかし・・・ドイツの混乱を深め、欧州を分裂の方向に向かっているのは、多文化共生・グローバル化に対する反発であり、エリートの理想主義に疲れた民衆たち。

トランプ大統領と核拡大そしてイスラエル問題

The United States must greatly strengthen and expand its nuclear capability until such time as the world comes to its senses regarding nukes

Donald J. Trump

トランプ次期大統領がツィートした米国の核能力強化も問題になっています。核開発・軍備強化をトランプさんは推し進める可能性あり。仮想敵国は中国・ロシア・・・どちらかというと中国でしょうか。

さて、トランプが「核戦争、大いに結構!」というのは、先日も書いたばかりですけど、トランプ流の「交渉術(The Art of Negotiation)」であって、最初に「ごらぁ!」と相手を恫喝しておいて、最終的には中庸で穏便な「落とし処」に帰着させるやり方です。
だからトランプが強硬なコトを言っているので、(すわアメリカがとんでもない方向へむかっている!)と早とちりしない方が良いでしょう。実際、今回のトラ様発言は、ロナルド・レーガンがソ連に対してぶち上げた「スターウォーズ計画」のプレイブックのパクリです。そしてこの発言はイランに向けられていると思います。トランプの発言

トランプさんが、このような発言を繰り返すのは、今後もありますし、本音と恫喝がないまぜになっています。

戦争・軍備拡大は、短期的に株価を上昇させますが、それによって財政が疲弊して、米ドル安に向かう可能性があります。もちろん、偶発的な事件により戦争や紛争を招く場合もありますね。

中長期的には、世界的な紛争リスクを高めるため、金価格を上昇に向かわせるでしょう。

イスラエルのヨルダン川西岸入植に対する国連安全保障理事会の非難決議案について、ドナルド・トランプ次期米大統領が反対を表明したため、投票が延期された。オバマ政権が投票を棄権するかもしれないと知ったイスラエル政府が、トランプ氏に介入を求めていた。BBC

結局、12月23日に、国連安保理は、イスラエルの入植地建設を違法として建設停止を求める決議案を採択。米国は投票を棄権。イスラエル側はオバマ政権を非難。

親イスラエルのトランプさん。2017年以降は、イスラエルも火種になるかもしれません。トランプ政権においては、財政・減税問題に加えて、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の宗教問題と東洋・西洋の主役交代に関する欧米の危機感が政治的な重要課題になるのではないでしょうか。