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経済成長によるトリクルダウン効果はない?:2017年1月30日週の見通し

NY金価格は、1200ドル超えの目標達成感による利食い・株高の影響などで、一目均衡表の雲を突破できずに下落。

2016年10-12月期の米実質GDP速報値は、前期比1.9%増と伸び自体は鈍化するも、引き続き成長を見せている。NYダウは、ついに2万ドル台の大台を突破したまま高値を維持。

1月20日のトランプ大統領誕生以降、TPP及びNAFTAの見直し、パイプライン建設、オバマケア撤廃、メキシコ壁の建設、テロ対策など矢継ぎ早の対策を打ち出しており、世界は戦々恐々としています。今のところ、口だけでなく、行動も伴っている印象のトランプ大統領の1週間。

●各金融市場の日足チャート

米NYダウ

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米リート市場のもみ合い(乱高下)が気にかかるところ。米12月新築住宅販売は、金利上昇により53.6万件の低水準。

保護主義が強まる恐れ

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トランプ大統領、米国・メキシコ国境の壁の建設費に関税を当てると主張するように、貿易において保護主義が台頭しています。

ホワイトハウス、スパイサー報道官:「包括的な税制改革で、メキシコのような貿易赤字を抱える国からの輸入品に課税することを検討している。これで年間100億ドルが捻出され、壁の建設費を簡単に賄える」テレビアサヒ

日本・中国など対アメリカ貿易黒字国は、心配な流れですね。

普通に考えると、関税率上昇は、米国内の物価上昇や米経済にもダメージを与えます。関税率上昇は、米国民が買う商品の値上げに繋がります。

米国は貿易赤字、中国や日本は貿易黒字ですから、自由貿易で恩恵を受けるのは中国や日本。トランプ政権による保護主義強化の動きは、強いカードを持つことになります。

TPPではなく、二国間交渉になると日本や中国は、保護主義台頭のカードに対して立場が弱くなってしまい、米国有利な条約・関税・規制となる可能性が高い。

経済成長は金持ちを潤すだけ?

世界的な動きとして、経済成長率重視・経済成長についての疑問が生じています。

トランプ政権も、そのことを理解した上で、当選していますから、ハッタリだけでは終わらないのではないでしょうか。

ここ数十年の経済成長は、先進国の高所得層を潤すだけの結果におわり、中間層以下は、自国内において相対的に貧しくなりました。新興国は中国のように果実を手にした国もあります。

トリクルダウン効果によって、富裕層が裕福になれば、中間層・貧困層にも恩恵があるという考えは、近年の格差拡大によって、現実的には否定された格好です。ピケティの理論・検証結果などもその一つですね。

リーマンショックから始まる世界経済危機で、多くの人が家を失ったのに対して、危機を招いた大手金融機関は、税金を投入されて救われました。量的緩和によるその後の株式市場の上昇で、金融機関勤務者・経営者に空前のボーナスが支払われたのもご承知の通りです。

そのため、国全体が貧しくなってもいいから、平等・公平の理念を取り戻そうという動きが、トランプ当選や英国のブレグジットに繋がったと思います。その時に、経済・金銭的に損をするという議論をぶつけても意味がないと思います。

問題は、実際に、国全体が貧しくなったり、負のスパイラルに入った時に、本当に耐えられるのかどうかではないでしょうか。その時にどのような行動が起きるかが心配です。

トランプ政権誕生後に下落した金相場が、その後の株価上昇やドル高に関わらず、1200ドルを回復したのも、その辺りの戦争や分断に対するリスクを懸念してのことだと思います。

フランス・オランダ・ドイツそしておそらくイタリアの選挙で、反ユーロ・反EU派が一つでも勝利を収めるとEU・ユーロは終りを迎えるでしょう。その可能性も非常に高いため、2016・17年は、歴史的なターニングポイントの時期になるでしょう。

金価格の先行きと現状

金の現物市場は、中国の春節等の影響もあり買い控え状態。

ソシエテ・ジェネラル:金価格の高値は利食い売りの好機で、1120~1220ドルのレンジ

UBSウェルズ・マネジメント:数週間以内に1250ドルを付けると予想

GFMSは、ゴールドサーベイ2016Q4のレビューを1月6日に公表。金価格が上昇したことで、2016年の金需要は3349トンと需要が減少したと発表。

●NY金価格の日足チャート:EVOCX 2017年1月27日

NY金価格

●東京金価格の日足チャート:EVOCX 2017年1月27日

東京金価格

東京金価格は、円安によって上昇していた分が、また下落。

●金融市場の動き

金融市場の動き

日米独の金利上昇に注意しておきましょう。

■来週の注目スケジュール
1月30日(月):日銀金融政策決定会合、米個人消費支出、米中古住宅販売など
1月31日(火):鉱工業生産指数、黒田日銀総裁会見、ユーロ圏GDP、米FOMCなど
2月 1日(水):中製造業PMI、米ADP全米雇用報告、FOMC政策金利など
2月 2日(木):新車販売台数、ユーロ圏生産者物価指数、米消費者信頼感指数など
2月 3日(金):中財新製造業PMI、米非農業部門雇用者数、米ISM非製造業景況指数など

フィスコ

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