リアルタイムの金価格や予想・金投資のノウハウを紹介します。世界で人気の純金積立や投資信託の方法。さらに、今後の見通しを徹底的に解説いたします。

  1. 相場に関するお役立ち情報
  2. 261 view

NY・ロンドン・パリの銀行に金地金の在庫はない?リースや担保がその理由

中央銀行・国家が保有している金。これは、厳重に保管されていると皆が思っています。ところが、ほとんどの金が失われているという話が、金融市場で噂されています。

最近もドイツが米仏にある金を本国に戻したニュースが話題でした。ユーロ崩壊に備えてマルク復活との話もありますが、手元に置いておかないと安心できないという側面もあるのです。

ドイツの金輸送に時間がかかるのは在庫がないから?

<スポンサーリンク>

ドイツは、674トンの金をドイツ本国に戻す計画を立てており、366.3トンを戻すことに成功したと2017年2月9日に公表しました。

この輸送について二つの疑念がもたれている。一つは、ユーロ崩壊に向けてマルク復活の準備。そしてもう一つが、なぜ、金を本国に戻すだけの事に何年もの時間がかかるのかという点。

2020年までに戻す計画ですから計画公表から約8年の歳月をかけることになります。ドイツ連銀の説明によると、輸送・保険・安全と物流に関する問題があり、右から左にスッと移すわけにはいかないとの話。

金価格は、1トロイオンス1200ドル前後(1g約4500円)と高い品物。そのため、泥棒・強盗・紛失リスクに気を使うのは理解できます。一方で、2015年の鉱山からの産金量は3186.2トン。輸送に関するノウハウを上手く利用すれば、もっと早く戻すことも可能ではないかと思わずにはいられません。

金輸送

なぜ、すぐに輸送できないかの答えが衝撃的。コモディティー・インテリジェンス:商品先物情報の提供会社によると・・・

なんと、金をすぐに準備することはできない。NY・ロンドン・パリに保管されている金は、すでにリースもしくは売却されていて倉庫にないというのだ。

金の現物は枯渇している

私達は、金を保管している倉庫には、金地金が山積みになっていると考えている。ところが、この金は西から東に移されており、無くなっているという見方が存在する。

過去には、リースされた金はロンドンやニューヨークの中央銀行のプールに銀行ごとに分けて保管されていた。しかし今では非常に異なっている。コモディティー・インテリジェンス

ところが、現在は、中国・ロシア・インドが主な買い手であり、彼らは現物の金を欲しがる。そのため、ブリオンバンク(貴金属を取り扱う銀行)は、金を売却した後、中央銀行や他の銀行から金を購入するか借りてくる必要がある。ここで、同じ金がいくつかの銀行の担保になっている可能性が高いとの話をコモディティー・インテリジェンスは語っている。

金融資産のほとんどは、銀行などが発行する帳簿上の存在。また、金融取引において、担保を差し入れれば、何倍もの金融取引を行うことができます。つまり、A銀行にあるAファンドの金は、いくつかの取引で担保に入れられており、簡単に引き出せない状態になっているということ。

ロシア・中国の金準備高の増加量は近いうちに調べておきたい。世界各国の金保有量:外貨準備

西側においては、金ETF等の人気が高い。しかし、皆が一斉にデリバティブではない金の現物を要求した場合に、在庫がないのではという疑惑は以前より囁かれている。

2013年に起きたゴールド不足はここ30年間で初めて見た光景だったと以前コメントした事があるが、2015年の現在も同じ状況であり、金の現物市場には流動性がなく供給はタイトになっているマネーボイス

ここでもう一つ言えることは、この問題は金投資に限った問題ではないということ。金だけでなく株式・不動産などあらゆる分野でデリバティブは増加し、レバレッジがかけられて現物市場をはるかに超える規模になっています。マネーの奔流は怪物と化して世界を飲み込むなどの話を聞いたことがあると思います。

金ETFの最大手、SPDR®ゴールド・シェアの純資産残高は、841.169トン。(2017年2月21日)

そのため、金だけでなく、不動産・株・債券などでも現物を要求されても提供することはできません。それが現在の金融システムのメリットかつデメリット。特に、近年の中央銀行の量的緩和バブルはいつかはじけるのではと恐れられています。

ただし、金の場合、他の金融商品以上に、資産のラストリゾート・安全資産の側面を持ちます。それゆえに、他の資産以上に安全管理が必要になってくるのです。その金ですら、信用・信頼できない事態に陥る場合の損失は想像を絶します。

だからこそ、中国やロシアは、金を購入した後に、証明書だけでは満足せずに現物を欲しがるのです。この姿勢は、私達も学ぶべきでしょう。

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP