金相場を動かすニュースが盛りだくさんの一週間、NY金は1250ドルをキープしたまま。ロシアのテロ事件から始まり、米国のシリア攻撃、米中首脳会談、雇用統計と金融市場は、材料を消化不良のまま終えたようなムードです。
地政学リスクが高まっているために、金価格は下支えられそうな状況が継続中。
●4月3日(月):ロシアのサンクトペテルブルク地下鉄爆破テロ事件、アクバルジョン・ジャリロフ容疑者と共謀した疑いで3人を6日に逮捕。
●4月3日:S&Pは、産金国南アフリカのレーティングを引き下げ。ズマ大統領とゴーダン氏のゴタゴタ
●4月5日:3月FOMCで、バランスシート縮小を検討していたこと、利上げを緩やかに進めること、財政リスクがあることが公表。
●4月6日:米軍のシリア軍事施設へのミサイル攻撃。
●4月7日:米3月雇用統計は、前月比9.8万人増加と予想より減少。失業率は4.5%と低下。3月半ばの積雪が影響しているとの見方あり。今後の利上げにどのような影響を与えることになるでしょうか。
米中首脳会談の決定事項
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トランプ大統領と習近平主席との首脳会談が、4月7日から2日間の予定で行われました。その最中に、米軍のシリア攻撃があり、非常に緊迫感の溢れる雰囲気。
- 世界の平和と安定に向けて、歴史的な背筋を果たす
- 米国の輸出促進と対中貿易赤字縮小に向けた通商交渉のために100日計画
- 中国側は貿易黒字削減に関心を示す
- 北朝鮮問題で両国が協力を強化
オモテで決まったことはこのあたり。実際のところはどうでしょうか。北朝鮮問題・貿易問題でかなり突っ込んだやり取りはあったはず。
GMOクリック証券のCFD 日足チャート 2017年4月9日
地政学リスクの高まり
米国のシリア攻撃によるロシアとの関係悪化、米中首脳会談を受けての北朝鮮の反応次第で地政学リスクが高まるため、金価格は1250ドルのラインで支えられそう。
11日に北朝鮮最高人民会議、15日に北朝鮮 金日成国家主席の生誕105周年があるのも気になるところです。
今回、トランプ大統領がバノンの進言を無視して、サッサと巡航ミサイルによる制裁を決断したことは、トランプ政権の中でグローバリストの影響力が高まっていることを感じさせます。
広瀬氏の見解では、スティーブン・バノン首席戦略官の影響力が低下し、イヴァンカ・トランプ&クシュナー夫妻の影響力がましたと記事に書いています。
さらに、ゲイリー・コーン氏、ディナ・パウエル氏といったグローバリストの発言力も増加。ディナ・パウエル国家安全保障副補佐官はまた美人です。
ディナ・ハビブ・パウエル:エジプトカイロ生まれ。ゴールドマン・サックスにも在籍した才色兼備。
■来週の注目スケジュール
4月10日(月):国際収支、日銀支店長会議、米労働市場情勢指数、FRB議長講演など
4月11日(火):ユーロ圏鉱工業生産指数、ZEW期待調査、北朝鮮最高人民会議など
4月12日(水):機械受注、中消費者物価指数、米MBA住宅ローン申請指数など
4月13日(木):オフィス空室率、米生産者物価コア指数、中貿易収支など
4月14日(金):米小売売上高、米消費者物価コア指数など
4月15日(土):北朝鮮 金日成国家主席の生誕105周年など
4月16日(日):トルコ憲法改正案の是非を問う国民投票など
フィスコ
トムソンロイターGFMが発表したゴールドサーベイ2017(3月31日)によると、2016年の金総供給が前年比2.5%増加の4511トン。需要は18.3%減少の3559トンと供給過剰の状態でした。
●NY金の日足チャート:EVOCX
●東京金の日足チャート
突発的なイベントリスク(北朝鮮。シリア、米露関係、米中関係)などに注意。その場合、一気に金相場が跳ね上がる場合あり。逆に緊張が緩むと売られることになるでしょう。
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