金価格の短期的な上昇はピークを付けた可能性あり:2017年8月7日週の見通し

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NY金は上昇するも週末にかけて下落。1275ドルを超えたところが高値のピーク。米国の追加利上げが遅れるとの見通しで、金価格は上昇していましたが、8/4の米雇用統計が予想より好調なこともあって、下落に転じました。

米国の経済指標は、7月の米製造業景況指数が低下、自動車販売台数も減少と良い数字と悪い数字がまちまちの状態。しかし、余程、数字が悪化しない限り、年内後1回の利上げ及び資産縮小を開始するでしょう。

◆各金融商品の日足チャート 2017年8月6日 GMOクリック証券のCFD

金価格チャート

米株価上昇は危ういシナリオの上に成り立っているのではないか

米国は、4-6月期のGDPが、前期比2.6%増加。7月雇用統計が失業率4.3%、雇用者数は20.9万人と好調な数字。

景気が持ちこたえていることを示しています。米株価も史上最高値を更新しており、危うい前兆は多々ありながら、このまま上がり続けるとの予想も出ています。

しかし、トランプ政権の混乱の中、オバマケア廃止法案も上手く通らずに、減税やインフラ投資だけ成立するのでしょうか。

米株価上昇シナリオは、トランプ政権の政策が実行されて、FRBの利上げ幅や時期が遅くなるという難しいシナリオを描いている形に見えます。そのシナリオが実現する可能性はかなり低いのではないでしょうか。

原油価格も上昇していますし、経済指標がそれなりに好調な中で、FRBは金融引締めを行うでしょう。その場合、金利を生まない金は下落すると共に、米株価も下落することになります。

そこで、下落した金を底値で買い拾うのは、金投資家のベストシナリオ。

産金業界のWGCが8/3に公表した世界金需要は、金相場の弱気材料。

2017年第2四半期(4-6月)の世界金需要は、前年同期比9.7%減少の953.4トン。金ETFの資金流入が減少。

小菅 努氏は、この金ETF減少の流れを以下のように分析。

私は、世界的な金融政策正常化の流れ+政治リスクの後退で金ETF市場から資金が流出しているのに対して、金価格上昇はドル安に反応した短期筋のショートカバーに過ぎないとの分析を紹介しました。商品アナリスト日記

私は、上記に加えて、潜在的な米株価上昇に対するリスク・中国・中東などの自国資産に対する不安なども金価格上昇の一因だと思います。

仮想通貨の中でもメインとなるビットコインは、分裂し、新通貨である「ビットコインキャッシュ(BCC)が誕生しました。一応、従来のビットコインと新たしいコインを合わせた価値は、分裂前と同じとされています。これは、ビットコインを含む仮想通貨の弱点の一つ。悪貨は良貨を駆逐する方向に動くのか利便性の高い通貨に収斂する方向に向くのか今後の動きに注目です。

ビットコイン分裂騒動は鈴木淳也 (Junya Suzuki)氏の記事に詳しい。

今回の一連の騒動は、ビットコインが潜在的に抱える諸処の問題の解決を先延ばしにした側面が強く、遠からず大きな壁となって立ちふさがるだろう。問題は大きく次の2つある。

  • スケーラビリティの問題
  • ビットコインを支えるマイナーの多くが中国(しかも特定マイナー)に集中している問題

ビットコイン分裂に関する3つの疑問

決済機能として有用になる可能性のある仮想通貨。しかし、新通貨の立ち上げによる通貨間の競争。もし、人口減少社会・経済成長ではなく縮小に向かった場合の課題など問題はまだまだ山積み。

●NY金価格の日足チャート:EVOCX

NY金価格の動き

RSIが買われ過ぎを示唆した後に下落。

●東京金価格の日足チャート

東京金価格の動き

今週も米国の政治動向や経済指標に影響されると思います。ただ、、FRBの金融引締めは計画通り、行われる可能性が高く、金相場にとって中期的に強気になり難い環境だと思います。

短期的には高値売りのスタイルが良いでしょう。政治不安による米ドル安の進行などにも影響されますから、決め打ちせずに流れを見ていってください。

■来週の注目スケジュール
8月 7日(月):景気動向指数、独鉱工業生産指数、米消費者信用残高など
8月 8日(火):独貿易収支、中貿易収支、中海外直接投資など
8月 9日(水):トランザス上場、中消費者物価指数、米卸売在庫など
8月10日(木):機械受注、米財政収支、米生産者物価コア指数など
8月11日(金):独消費者物価指数、米消費者物価コア指数など

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