週刊日本の貨幣コレクションには、旧20円金貨や天正大判金のレプリカが付いてきます。その創刊号を買ってみました。アシェット・コレクションズ・ジャパンから発売。
創刊号についてくるのは、旧20円金貨のレプリカ。明治4年(1871年)に導入された金貨で、明治新政府が貨幣単位として円を採用するなど貨幣の歴史上のターニングポイント。
旧20円金貨と新貨条例
明治新政府は、当時、国際通貨として流通していたメキシコの銀貨に合わせる銀本位制を採用する予定。しかし、洋行していた伊藤博文が金本位制を主張した結果、金本位制に決まりました。
明治4年の新貨条例:金1.5g=1円
今の金価格は1g=4500~5000円と非常に高値を付けていることを思うと、インフレの力は大きいなと思います。
この20円金貨をデザインしたのは、加納夏雄氏。当時の日本は、刀の鍔や鞘を作る刀工関係の職人が職を失い、花瓶・香合などインテリアデザイナーへと転身を図りました。その精密作業能力・美術能力は、海外のコレクターに愛されて「明治の超絶技工」として、ジャパンブームを起こしていました。彫金技術は世界でも屈指の素晴らしさだったのです。
現在は、義務教育の延長で、職人として大事な10代の時期を勉強に当てるため、以前のような素晴らしい作品を生み出すことが難しくなっています。
旧20円金貨の製造枚数等
日本の貨幣コレクションによると旧20円金貨の製造枚数は46,139枚のみ。
- 明治三年銘
- 重さ:33.33g
- 直径:35.06mm
- 当時の価値:40万円
- 現在の取引額:500~600万円
金価格が上昇していることを思えば、もう少し高値がついてもいいかもしれませんね。金投資の方法として金貨やコインを保有している方も多いことから、コレクションとしての価値もあります。
レプリカの20円金貨。なかなか良い出来。表面には龍が刻まれています。裏面には、皇室の紋章として菊紋と桐花紋。
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