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トランプ政権は、エルサレムをイスラエルの首都として承認する意向でリスク拡大!

米国のトランプ政権が、エルサレムをイスラエルの首都として承認。いずれテルアビブの米大使館を移転する意思を示したことで、アラブ諸国は反発。

12/5に、トランプ大統領は、アラブ諸国と電話会談を行い6日に演説を行う予定。世界中でイスラム教徒が反発し、中東の地政学リスクが拡大するとの見方が強い。

エルサレムを首都に米国が承認する意志

エルサレムは、ユダヤ教・イスラム教・キリスト教それぞれの聖地。イスラエルはエルサレムが首都と主張しているものの、各国は主張を認めず、テルアビブに大使館を置いていました。1967年の第三次中東戦争で、ヨルダンが統治していた東エルサレムを占領して以降、ユダヤ人入植地が建設されて、約20万人が居住。

元々、1947年、国連のパレスチナ決議で国連管理下の国際都市に決定。しかし、イスラエル建国時の第一次中東戦争で西半分がイスラエル、東半分がヨルダン領に。イスラエルは1950年にエルサレムを首都に定めました。アラブ側は占領地からのイスラエル軍撤退を求めており、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家を悲願としています。

BBCニュースによるアラブ諸国の反応は厳しいもので、日経平均株価は大幅下落、金価格は上昇しています。

トランプ政権はエルサレムをイスラエルの首都と認めるのは、現実追認と説明。

  • サウジアラビアのサルマン国王:世界中のムスリムに対する挑発
  • パレスチナ自治政府のアッバス議長:和平プロセス、地域・世界全体の平和に危険な結果を与える
  • ヨルダンのアブドラ国王:和平プロセスを再開しようとする努力を損なう
  • エジプトのアブドゥル・ファタ・シシ大統領:地域の状況を複雑にしないように求める
  • トルコのエルドアン大統領:トルコはイスラエルと国交断絶する可能性あり
  • ハマスのイスマイル・ハニヤ氏:一線を越えた行為

アラブ連盟もパレスチナ自治政府の要請で、緊急会合を行い、米国のエルサレム首都承認に反対する声明を出しました。

パレスチナ過激派がイスラエルに攻撃を仕掛けるリスクが高まっており、予断を許しません。さらに、米国内でのテロ攻撃リスクも心配されるところ。もし、日本が米国に追随して、エルサレムを首都として承認したならば、過激派のターゲットにされる可能性もあります。

現在、アラブでは、サウジアラビアのイランの対立が深まる一方、諸国間の関係がややこしくなっています。サウジアラビアは、湾岸協力会議(GCC)とは別に、UAEとサウジらビアの間で新たなパートナーシップを形成した様子。GCCはカタール包囲網の中で力を弱めていましたからね。

田中宇氏の記事では、トランプ大統領が進めるイラン敵視戦略は、最終的にサウジアラビアの没落を狙っているとの話。

サウジアラビアとイスラエルの和解はある?

サウジのサルマン皇太子に対して仕掛けているという話は壮大です。

サウジとイスラエルを和解させて、両国が組んでイランを倒すというシナリオ

  1. 米政府は、パレスチナ自治政府にイスラエルと和解するように圧力
  2. サウジアラビアは、サルマン皇太子の独裁
  3. サウジ王政のテロ支援体制を根こそぎ打倒&王族の財産を没収してサウジ財政の立て直し
  4. サウジ&イスラエルでヒズボラやイランに対抗
  5. GCCとアラブ連盟の分裂・結束力低下
  6. サウジと米国に見放されたパレスチナやヨルダンは、イランやロシアとの関係強化
  7. 力を弱めたサウジアラビアは、中国・ロシアに接近
  8. サウジ国営石油会社のアラムコは、香港で上場する?
  9. ドルの基軸通貨が低下し、米国覇権から多極化世界に移行

田中宇:サウジアラビアの自滅

中東の地政学リスクは、高くなっています。リスクのカナリアたる金価格も米国の金融引締路線に関わらず、1250~1300ドルあたりを維持しています。

まずは、トランプ大統領のエルサレム承認に関する演説を聞いてみましょう。

トランプ大統領のエルサレム承認宣言

では、実際のところ、トランプ大統領は、どのような内容でエルサレム承認と米国大使館への移転を宣言しているのでしょうか。

ホワイトハウスのエルサレム承認宣言を見てみましょう。

◆米国の外交政策は、現実主義に根差しており、明白な事実の正当な承認を行う

◆米国議会は、1995年のエルサレム大使館法以来、エルサレムをイスラエルの首都と認識し、イスラエル大使館をイスラエルに移転するように促した。

◆米国上院は、2017年6月5日に全会一致で同法を再確認。

◆エルサレムは、実質的にイスラエルの首都として機能している。

◆米国は、エルサレムでのイスラエルの主権の範囲・境界について関与しない

◆イスラエル・パレスチナの平和を希望する

◆エルサレムは、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地であることに変わりない

◆中東の指導者たちに永続的な平和のための話し合いに参加することを望む

◆ドナルド・トランプ米国大統領は、米国がエルサレムをイスラエルの首都として認識していると宣言し、米国大使館をできるだけ早くエルサレムに移転することに同意。

トランプ大統領は、選挙中の公約を守った形。クシュナー氏・イヴァンカ氏がユダヤ教徒であり、イスラエル寄りなのは、以前から伝えられていましたが、この約束を早期に実行するとは思いませんでした。パレスチナ問題に関してユネスコ(国連教育科学文化機関)が反イスラエル的だと脱退を宣言したのも今秋でした。

今後も、トランプ政権がイスラエル寄りの姿勢であることは確実で、ここまで押されっぱなしのアラブ側がどのような反撃を見せるか気になります。

12月7日から夕方にかけて、ガザ地区からイスラエル領内にロケット弾攻撃。イスラエル側は、ハマスの施設2か所を報復攻撃。

◆NY金価格の日足チャート GMOクリック証券のCFD 2017年12月8日

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金相場は、中東情勢の悪化に大きな影響を受けず。それよりも米税制改革法案やFRBの利上げの方に影響を受けて下落に変化。節目の1250ドルを割り込む動きを見せています。

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