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米ドルを使えないなら仮想通貨「ペトロ」を使おう。金・石油に連動する新通貨!

中米の産油国ベネズエラは、2017年12月3日に、原油・天然ガス・金(ゴールド)などに裏付けされた仮想通貨「Petro(ペトロ)を作成することを発表。

ベネズエラは、石油価格の下落・米国の経済制裁に苦しみ、通貨のボリバルは暴落。ハイパーインフレで経済が成り立たない状況。これを逃れるために仮想通貨を作って、通貨価値を安定させようという目的。

ベネズエラ経済の破たんとハイパーインフレ

1999年に腐敗した政権打倒を目的に、チャベス大統領が社会主義路線を旗印に政権を獲得。すると、米国に距離を置き、中国との蜜月がはじまることに。

ウーゴ・チャベスのボリバル革命

社会正義、既存体制の転覆、石油収入の公平な分配、新たな憲法の制定といった力強い言葉に後押しされ、1999年2月ウゴ・チャベス中佐は大統領となった。彼は自らの政権を「ボリバールの革命」と称した。GNV:ベネズエラの状況

世界でも有数の産油国だったベネズエラは、企業を政府の支配下に置き、公的部門を拡大。民間企業の経営者は追放・逮捕されて、外国企業の投資は減少。投資減少は、原油売買益と中国からの融資で賄う経済政策。

しかし、残念ながら、上昇していた原油価格が下落に転じると経済は悪化。中国からの融資を頼りにしていたベネズエラは苦境に追い込まれることになりました。

◆ベネズエラのインフレ率 世界経済のネタ帳

ベネズエラのインフレ率

07~14年に中国はベネズエラに630億ドルを融資。この金額は同時期の中国の中南米諸国への融資総額の53%に当たるが、その気前のよさには裏がある。返済は石油で行うことになっていたのだ。融資契約の大半が結ばれた時期に1バレル=100ドル強で推移していた原油価格は、16年1月には1バレル=30ドル近くまで下落。こうなるとどう頑張っても返済が追い付かない。今やベネズエラは契約当初の2倍の原油を中国に輸送する羽目になっている。ニューズウィーク

米国の経済制裁でベネズエラ経済がさらに悪化

米国離れ中国・ロシア寄りの姿勢を取り、米国企業の権益を強奪したベネズエラに対して、米国は経済制裁で対抗。ニコラス・マドゥーロ大統領をはじめ政権有力者の米国内にある資産を凍結。ベネズエラの新規発行国債や国営石油会社の債券取引を停止するなどで兵糧攻めを実施。

米国の軍事・政治的な力は落ち込みを見せるも、米ドル及び米金融機関の力は絶大。米ドルを介さずに多くのお金を扱うことは難しい。金投資・ビットコインなどもまだまだ市場規模が小さい。ユーロは・日本円は、米国とのリンクが強く、米国が経済制裁したならば、追随してくる。

ルーブル・人民元は、基軸通貨に挑めるレベルではありません。

米ドルを使えないなら仮想通貨「ペトロ」だ

ベネズエラ政府は、経済政策への対抗手段として、米ドルの支配から抜け出す方法を試しています。すでに、原油輸出を米ドルから人民元に切り替えたとラモン・ロボ財務大臣は話しています。

となると思いだすのが、イラクのフセイン大統領が、2000年に原油取引を米ドルからユーロに切り替えたこと。その後、イラクが占領・フセイン大統領殺害へと進んだのは記憶に新しいところ。イラン・リビアなども似たようなことを実施して米国の逆鱗に触れたこともあります。

今回の仮想通貨「Petro」の話もその延長上にある話。米ドルを使えないなら人民元や仮想通貨を使おうというアイデア。国民も米ドル・ボリバルが使えないならビットコインだと利用しているケースもあるようです。ただ、ビットコインは価格が安定していないのが問題。せめて金価格のように安定すれば、米ドルを利用できなくなった国で使える可能性が出てくるのですけどね。

しかし、破たん寸前の国家が発行する通貨が信用されるのでしょうか。すでに、通貨「ボリバル」は紙くず同然。

ベネズエラ政府は、信用の裏付けに、石油・金など国内の資源を裏付けに仮想通貨を発行することを考えている様子。資源備蓄と仮想通貨「ペトロ」を連動させるという話ですが、資源備蓄がどれだけあるのか・本当に存在しているのかという信用問題を解決できるのでしょうか。

ペトロを持っている人は、いざとなれば、石油や金と交換できる金本位制をデジタル通貨で行うような貨幣体系なんでしょうけど。ベネズエラ政府や経済は不安定でも金価格や原油価格が暴落しない限り、仮想通貨も下落しないという理屈。

かなり、実現性と継続性に乏しい話だと思います。

ペトロの販売開始

2018年1月31日にベネズエラ政府は、2月20日からペトロの販売開始を決定。最初の売り出し価格は60ドルに設定も原油価格によって変動。

1億ペトロの中で、3840万ペトロを2月20日から3月19日に予約販売。1バレルあたりのベネズエラ原油価格に基づいて初期価格は決定。

原油価格に基づいてのことと言いながら、順調に売れれば、60ドル×1億(まず3840万ペトロ)の通貨発行売上を得られるという皮算用でしょうか。ペトロの裏付けに原原油があるといえども、ペトロと原油を交換してくれるという訳ではなさそうです。

2016年のベネズエラ経済状況

  • 実質GDP成長率:-18%
  • 消費者物価上昇率:254.95%
  • 政策金利:29.50%
  • 対米ドルレート:9.26ボリバル

jetro:ベネズエラ

IMFの2017年予想(2016年12/15公表)では、-4.5%成長と2,200%のインフレと経済状況は破綻状態。もちろん、公式為替レートは機能せず、闇レートは10倍~100倍と上昇。もはや、石油・金などの資源をそのまま渡す物々交換レベルにまで落ち込んでいます。

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