米朝首脳会談は、トランプ大統領と金委員長が共同の合意文書に署名:非核化と平和体制にコミットする!

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シンガポールのセントーサ島にある「カペラ・ホテル」で開催された米朝首脳会談は、一応、成功に終りました。両首脳は和やかな態度、共同の合意文書にも署名。両首脳が直接、会ったという点では、歴史的ながらも、合意内容は、記者会見で明らかにするとのことで、まだこれから。トランプ大統領は、予想よりも良い成果が上がったと話しています。


2018年6月12日:米朝首脳会談で共同の合意文書に署名

会談の前に握手を交わし、平和への良い前触れ・解決し成功するだろうと話すなどポジティブな雰囲気を醸し出していました。

共同の合意文書に署名

●金委員長:ここに至る道のりは簡単ではなかった。我々の足を引っ張る過去があり、誤った偏見と慣行が、目と耳をふさぐこともあった。全てを克服してここに来た。

●金委員長:世界は大きな変化を目にするだろう。過去を捨て去ることを決断。

●トランプ大統領:我々が署名した内容は包括的。朝鮮半島との関係は全く過去と違うものとなる。

両首脳の発言は、ポジティブな内容。特に、金委員長の発言は、ドラマティックな要素を含み、今後に期待を持たせる内容。

米国と北朝鮮の敵対関係を終わらせる始りにはなったと思います。

問題は、北朝鮮の非核化プロセスや在韓米軍・北朝鮮経済の立て直しなど多岐に渡ることから、具体的な内容がどうなるか気になります。

◆為替・金価格の30分足チャート 共同の合意文書に署名後 2018年6月12日 14:55

金価格の30分足チャート

サクソバンク証券

明確な合意文書の内容が不明なこともあって、金価格も為替相場も大きな反応は見せず。少し乱高下しただけ。

合意文書が明らかになり、大統領の記者会見に対しても金相場の動きは小さい。

シンガポール・カペラでの共同声明合意文書の内容

1.平和と繁栄に向けた米国と朝鮮民主主義人民共和国の国民の願望に従い、両国は新たな関係の構築にコミットする

2.米朝両国は朝鮮半島での永続的かつ安定した平和体制の構築に向けて共同で取り組む

3.2018年4月27日の板門店宣言をあらためて確認し、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化向けて努力することにコミットする

4.米国と北朝鮮はPOW(戦争捕虜)とMIA(行方不明米兵)の遺骨収集にコミットする。これらには既に身元が判明した分の即時本国送還を含む

ブルームバーグ

非核化への努力はあるものの、検証かつ不可逆的の文言や具体的なスケジュールはなく、金委員長の主張が通ったと見られています。

トランプ大統領が米朝首脳会談の合意内容を強化

しかし、これまでの米国政権とは、約束の重みが違うとトランプ大統領は考えているはず。強硬派のポンペオ国務長官が、今後のフォロー交渉を担うことから、北朝鮮側は、合意内容にそっぽを向くと、すぐに経済制裁等の圧力を掛けられることになるでしょう。

トランプ大統領は、大きな進展・成果と発言しており、これは、北朝鮮側を意識した内容。合意文書以上の突っ込んだ進展があったことを匂わせて、北朝鮮が逃げる・サボる場合に国際世論にPRできることになります。

トランプ大統領の記者会見

まるで、映画のようなドラマチックなビデオが流れる中で、トランプ大統領が登場しました。

  • 朝鮮戦争が終わるという希望を持つことができた。
  • 安倍晋三首相をはじめ、シンガポール・中国・韓国・北朝鮮を称えています。
  • 金委員長は非核化を決断したと説明。
  • 在韓米軍を撤退させない。ただし、いずれは帰還させたい
  • 経済制裁は当面続ける。核が問題でないと判断すれば制裁を解除する
  • 拉致被害者の話もした。今後、進展するだろう

米国は妥協したのかという質問には、妥協はしていない、合意文書はシンプルで、こちらを進めていけば、問題はない。金委員長は、迅速に合意事項を実行する気だと主張。

やはり、共同声明の内容を補強する内容にしています。これで、実際に朝鮮戦争終結が出来れば、トランプ大統領は、歴史に名を残すことができるでしょう。

現状の判断としては、米朝首脳会談は成功だと思います。時間が無い中で、全てを首脳会談で決めることはできません。

金委員長をここまで引っ張り出したこと。米大統領と1対1で約束したことの重みは大きいはず。合意内容よりも約束を守らせることができるかどうかが対北朝鮮交渉の重要ポイントですから。合意や約束だけならば、過去にもありました。

問題は、合意内容を速やかに実行できるかどうかで、そこにトランプ大統領と金委員長がコミットしたのです。

非核化費用は日本と韓国が出す

北朝鮮の非核化にかかるコストは、膨大なものとなることが予想され、こちらは、日本と韓国が出すことになりそう。

朝鮮半島の統一、中国の影響力大、在韓米軍の撤退・・・といずれ来る可能性の高い未来を考えると日本にとっての地理的リスクは増す可能性があります。

在韓米軍は、1950年の朝鮮戦争後に国連加盟国軍結成(安保理決議83)が元になっており、朝鮮戦争終結となれば、在韓米軍の意義が問われます。そして、米国第一主義のトランプ政権は、撤退シナリオを採用したいのではないかと記者会見を聞いていても感じました。

朝鮮半島に援助をすると、ただでさえ苦しい財政負担が増します。その分・・・円安に誘導なのか?金価格の高値維持も気になりますしね。

今回の首脳会談が成功したかどうかが本当に分かるのは一年後でしょう。過去の合意との違いは、強硬派のトランプ政権が、周辺諸国に圧力をかけていること。金委員長のことも、26歳から国を率いる優秀な人物と褒めあげることで逃げ道をふさいでいます。