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FRBの独立性は、トランプ大統領に屈するのか?ドル高金安路線はどうなる。

イエレン前FRB議長は有能でしたが、トランプ政権の圧力を嫌っていました。ジェローム・パウエル議長は、トランプ大統領からの圧力に屈して、FRBの独立性を損なうことになるのでしょうか?

パウエル議長は、7月17日の議会証言で、段階的な利上げ継続を示唆。これによって、NY金価格は、大きく下落し、1年ぶりの安値圏。ところが、20日にFRBの利上げを批判したトランプ大統領の発言で、米ドル安金価格上昇に動く結果に。

また、貿易戦争への懸念も強まっており、バンクオブアメリカメリルリンチは、今週、貿易戦争に対する懸念で、債券に50億ドルを投資し、金投資から12億ドルを引き上げたとのニュース。

FRBの独立性を巡るパウエル議長とトランプ大統領の対決

対決といっても、トランプ大統領の方が優位にあり、それをパウエル議長がいなす形になると思います。

ある程度、利上げをしたいFRBと低金利&ドル安を望むトランプ政権。

●トランプ大統領:利上げはドル高を呼び、米国の貿易赤字を増やしたり、株価を引き下げる効果がありますから、トランプ政権は避けたい意向。

●パウエルFRB議長:経済が好調なうちに利上げを行い、バブルやインフレを防ぎたい。将来の景気悪化への対応のため、金利を上げて、引下げ余地を残したい。

政治家は、低金利&好景気を望み、中央銀行は、中間値を好む。そのため、政治家の行き過ぎを防ぐ意味で、中央銀行の独立性が必要というのが、中央銀行必要論の骨子。一方で中央銀行の人為的なコントロールが経済をオカシクし、銀行をはじめとした金融業のモラルハザードを呼ぶとの声も。

そして、金価格はどうなるかというと。ドル高と利上げは、金利の付かない金相場を下げる効果がある。

2018年7月17日 パウエル議長の上院銀行住宅都市委員会での議会証言

さて、貿易戦争が懸念も米経済は好調というのが、パウエルFRB議長の考え。FRBの考えだけを見ると、年内後2回の利上げは、実施されそうです。

  • 段階的なFF金利の引き上げが適切と確信
  • インフレ率は、目標に近く、最近の指標は心強い内容

そのため、このパウエル議長の議会証言後に、ドル高・NY金価格安へと相場は反応。

金価格の日足チャート及び株価:2018年7月22日 GMOクリック証券のCFD

金融市場の動き

トランプ大統領のFRB批判発言

トランプ大統領は、CNBCとのインタビュー及びツイッターで爆弾を投下。

  • 米国に輸入される中国製品5000億ドル相当に追加関税の用意
  • 景気が上向くとFRBは金利を引き上げる。私は、それに不満で面白くない。同時、彼らが最善と考える行動を容認している。

金融市場は、トランプ大統領の発言をFRB批判・中央銀行の独立性を損なうと反応。ドル安金高へと動きました。

そして、火消しに動いたのが、ムニューシン米財務長官。アルゼンチンのG20会議で記者団に語りました。

トランプ大統領は、パウエルFRB議長を信頼している。FRBの独立性を支持。

長期的に強いドルが、米国の利益。米経済が優れた結果、成長率及びドル資産保有に繋がる。

◆NY金価格 サクソバンクCFD

金価格と為替のチャート

平均足の金価格は、下向き。ただし、NY金価格の日足チャートは、やや踊り場にあるため、新規の売りは躊躇したい。

当たり前の話ですが、行き過ぎた米ドル高は、トランプ政権・・・歓迎しません。ここまで、順調にトレンドを描いたドル高円安に警戒感が強まりそうです。

金価格の下げトレンドも一度、落ち着きを見せてもみ合うのではないかと予想します。

■来週の注目スケジュール
7月23日(月):米・中古住宅販売件数、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数速報値など
7月24日(火):日・製造業PMI、全国百貨店売上高、米・製造業PMIなど
7月25日(水):米・新築住宅販売件数、米欧首脳会談、BRICSサミットなど
7月26日(木):米・耐久財受注、米・卸売在庫など
7月27日(金):欧・ECB専門家予測調査、中・工業利益など

フィスコ

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