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トルコリラ危機で、ついにNY金は1200ドルを割り込んで下落

トルコリラとエルドアン大統領が、危機に陥っている。そのため、トルコをはじめとした新興国から流出したマネーは、米国のドルへと流れ込み、金価格は下落トレンドを継続中。1200ドルを割り込んで、1175ドル前後で推移。

金相場は、米ドル高に押されて弱気モード。

トルコリラ危機で、金は弱気

1997年のアジア通貨危機やロシア通貨危機の時のように、投資マネーは、米国へと戻り、安全資産としての金は価値を失いつつあるように見えます。米ドル高に押されて、NY金価格は、節目の1200ドルを割り込んでいます。

◆NY金価格の月足チャート サクソバンク証券 2018年8月16日

NY金価格の月足

トルコは、エルドアン大統領の金融政策が嫌気された上に、米国に経済戦争をふっかける暴挙に出たことから、リラが暴落。解決策は、エルドアン大統領の辞任くらいしかない状況。

2016年12月の1120ドルが次の目標かつ抵抗線。

◆米ドル/トルコリラの月足チャート サクソバンク証券 2018年8月16日

ドルトルコリラ

トルコリラは、激しく売られる状況

エルドアン大統領が抱える問題まとめ

  • 中央銀行の独立性を損なう利下げ圧力
  • 通貨安防衛で利上げが必要なのに、利下げを指示
  • 強いインフレ:市場は大幅な利上げを要求も大統領は無視
  • 米国との経済戦争:資産封鎖や関税強化
  • 米国人牧師、アンドリュー・ブランソン氏の拘束。2016年のクーデター未遂事件を支援した罪

官民で3200億ドルの外貨債務を抱えると言われるトルコ。カタールが150億ドルの支援を表明しているものの、かなり危ない状態です。

トルコが倒れれば、関係の強い欧州及びイスラム圏が危険。

スペイン・イタリア・フランスの債務が多いとフィナンシャルタイムズ紙は、8/10付けの記事で報じています。さらに、中東からの難民は、トルコに滞在している人々が多く、トルコ国家の支援が弱まれば、欧州へと流出するでしょう。

そうなると、落ち着きつつある、難民問題がクローズアップされてしまいます。ロシアW杯では、トルコ系ドイツ人のドイツ代表MF「メスト・エジル」選手が、大会前にエルドアン大統領と面会されたことを激しく責められました。グループリーグで敗退したドイツ代表で戦犯扱いされたエジルは、代表引退を決意。ドイツサッカー協会を強く非難しています。

トルコは、2018年3月には、595.46トン保有していた外貨準備の金保有を売却。2018年4月には、235.96トンと359.50トンも売ったことになります。この資金をリラ防衛に投入したと思われますが、とても足りません。トルコの金保有量

これは、キプロス危機の時に、キプロス中央銀行が金売却を求められた時と同じような相場。2013年4月の金暴落

米国の利上げによるマネー流出

米国との経済戦争・対立も一つの要因ですが、根本にあるのは、米国の金融引締めによる新興国からマネーが流出していることにあります。

バーナンキ氏時代にもバーナンキショックによる新興国株式・通貨下落が起きました。これは、米国のQE終了に伴うショック。

今回は、米金利上昇&金融引締めによって、マネーが新興国から米国に戻っている形となります。ブルームバーグの予想では、FRB・ECB・日本銀行の資産購入額は、2018年末までにゼロになるとの見込み。これだけの資金流出が止まる訳ですから、リスク資産への影響は大。

ブルームバーグ・エコノミクスの予測では、日本銀行を含む3つの主要中銀による純資産購入額は、2017年末の月間1000億ドル(約11兆1200億円)近くから18年末までにゼロに縮小する見込みだ。

さて、そうなると問題は、金相場。

安全資産と言われる金投資に、お金が向かっていないのはなぜでしょうか。

答えは、米国があるからです。新興国が危なくなれば、米ドル・米株式・米国債にお金を置いておけば安全だから。そして、米ドルが上昇すれば、金は下がります。

現在の米国は、株価上昇⇒好景気の良いサイクルが続いており、金利もそこそこ付きます。10年債で2.8~3%あたりですから。金利のツカナイ金投資よりも米国投資の方が好まれているのです。

いずれ、トランプ政権の反動による米国債の増発・財政赤字がクローズアップされる時が来るまで、金投資は眠らせておくのが無難でしょう。少なくともトルコリラショックが収まるまで買いにくい相場です。

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