2013年4月15日の金価格は、東京そしてロンドン・ニューヨークと暴落中です。最大の理由は、キプロス中銀の金売却計画がオモテにでてきたこと。
金価格下落の理由
・米国および中国の指標悪化
・海外ヘッジファンドなどの5-6月決算に向けたポジション手仕舞い
・キプロス中銀の金売却計画
・南欧州諸国の金売却可能性
・米FRBの金融緩和(QE)縮小の可能性
などが理由として挙げられています。
キプロス中銀の金売却計画
キプロスの経済破綻は、EUの支援によって救う道となり、そのためには、倒産した企業と同じように保有している資産の売却が求められます。それゆえにキプロス中銀の保有資産である金売却計画が浮上。ジョージアデス財務相は金準備の売却は最優先ではないと発言しているように、キプロス救済の上で考えられている案の一つ。
そもそも、キプロスは、ユーロの中でも小国ながら、金融立国を目指して、ロシアなどから資金を大量に集めました。ところが、ギリシャ危機によって、保有資産のマイナスが膨らみ、金融危機が勃発。
EUによる救済策が合意されたものの、マネーロンダリング・金融立国の経緯が、救済する側の厳しい指摘を促すことになりました。そのため、救済案の内容が厳しくなったのです。預金者にも破たん費用の負担を強いるもの。そこで、キプロス中銀にも、金準備を売却して、再建計画の穴埋めに役立てようという案が検討されました。キプロスの金準備高は13.9トンだったために、10トンの金を売却すれば、10億ユーロの資金を得られる計算。
金価格の下落により為替市場もユーロ高資源国通貨売りの流れ。
先週末に金は1500ドルを割りこみ、テクニカル的にもサポートラインを割り込んでいるため、大きく下落しています。
2013年、下落相場のスタートに結果としてなってしまいました。