NY金は、19日のFOMC後に行われたバーナンキFRB議長の記者会見で、2013年後半にQE3の縮小を行い、2014年に終了する可能性を示唆したことなどから下落が続いています。
また、中国の短期金利急騰・株価下落などの中国リスクも金需要の高まりにはつながらずリスクオフの流れが強まり金投資から資金が逃げ出しています。
●NY金価格は、約1238ドル(2013年6月26日)
●東京金も一時、4,000円割れの3,842円まで下落しました。
●エースCXオンラインの月足チャート
目次
金価格下落の理由
主な下落理由です。
・米国のQE(金融緩和)縮小の動き
・ドル高傾向で金からドルに資金が移動
・金ETF最大手のSPDRゴールド・シェアの残高減少
・ファンドの買い減少
・中国経済の後退リスク
・金融機関の金価格見通し下方修正
・インドの金輸入規制強化と通貨(ルピー)安による需要減少
南アフリカ共和国の産金コストを下回る
南アフリカの金鉱山はかつては世界一の産金規模を誇っていましたが、浅い鉱床を掘り尽くしコストが上昇しています。
さらに、2013年の金価格下落により、産金コストを下回っているとのこと。
南アフリカの産金会社:ハーモニー・ゴールド・マイニングやゴールド・フィ―ルズは、生産コストおよび設備投資コストは賄えない水準。
SBGセキュリティーズのアナリスト「デービッド・デービス氏」の話では、1トロイオンス1400ドルは下回ってはならない水準。ブルームバーグ
現在の1200ドル台では、南アフリカの金鉱山は閉山や縮小に追い込まれるかもしれません。
金融機関の金価格予測
大手金融機関は6月20日以降、次々と見通しを下方修正しています。
・欧米金融機関の2013年4月の暴落前予測
・ソシエテ・ジェネラルの予測、1200ドルへ下落するとレポート
・投資家ジム・ロジャース氏の予測
スイスUBSの金価格見通し
平均価格見通し
2013年:1,600ドル⇒従来1,440ドル(10%引き下げ)
2014年:1,325ドル⇒従来1,625ドル(18.5%引き下げ)
FRBの金融緩和縮小見通しを材料に引き下げ。
現在の価格よりまだ高い水準で見通しを出していますが、大幅引き下げです。
HSBC(旧香港上海銀行)の金価格見通し
英国の大手金融グループHSBCは、金価格の見通しを引き下げています。
平均価格見通し
2013年:1,540ドル⇒従来1,396ドル(9.5%引き下げ)
2014年:1,435ドル⇒従来1,600ドル(10.3%引き下げ)
2015年:1,395ドル⇒従来1,575ドル(11.4%引き下げ)
ただ、下方修正したものの現在価格よりかなり高い水準です。
ゴールドマン・サックスの金価格見通し
米国の投資銀行大手、ゴールドマンサックス平均価格の見通しです。
2013年:1,300ドル⇒従来1,435ドル(9.4%引き下げ)
2014年:1,050ドル⇒従来1,270ドル(17.3%引き下げ)
特に2014年の引き下げが大きくなっています。QE3終了を引き下げ要因として、大きく下落を予想しています。