リアルタイムの金価格や予想・金投資のノウハウを紹介します。世界で人気の純金積立や投資信託の方法。さらに、今後の見通しを徹底的に解説いたします。

  1. 金価格・相場の予想
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専門家による2013年後半の金相場予測特集

NY金相場は、約3年ぶりの安値圏での動きが続き、6月28日、2年10カ月ぶりの安値である1オンス当たり1180.50ドルまで下げています。

金融機関は続々と予想価格を引き下げていますが、1200ドルをサポートポイントに下げ止まり感もようやく出てきました。

●NY金の日足チャート:2013年1月~7月12日

テクニカル分析はパラボリック:エースCXオンライン、クリックすると拡大します。

NY金の日足チャート

ちょうど、2013年後半の見通しを貴金属投資の専門家が日経新聞や週刊エコノミストで語っています。

豊島逸夫氏の金相場予想

金投資の専門家として有名な豊島逸夫氏の考えです。2013年始めの予想はこちら

1.現在の情勢

米国の金融緩和による大量マネーに金相場が依存していた。

エジプト情勢やポルトガルの政局不安でも金よりドルが選ばれて有事の金(金価格の変動要因)とはならなかった。

FRBの金融緩和縮小や利上げを見越して金利を産まない金から資金を引き上げる投資家はいるだろう。

2.今後の価格予想

1トロイオンス1350ドル前後まで買われる局面もあるが、年内に1200ドルを割り込む可能性もある。

先物市場の急落が実物の売や金ETFからの資金流出が連鎖すれば1000ドル台に落ち込む可能性もある。

円建て価格は円安により割高になり1g=3700~4400円前後になりそう。

3.今後の金相場

米国の景気回復は、日本や欧州よりも強くドル高傾向が続きそう。そのため金は2014年にかけて上値が重く値下がりしやすい状態が続く

4.金の上昇シナリオ

米国の財政問題が問題となり米国債の格付け引き下げなどが起きるとドル安に為替が動き金に資金が流れるかもしれない。

中国で消費が回復すれば金相場を下支えしそうだ。

亀井幸一郎氏の金相場予想

世界的な金の広報・調査機関ワールド ゴールド カウンシル(WGC)勤務後、様々な経験を経て2002年マーケット・ストラテジィ・インスティチュート代表取締役を務めています。

1.現在の状況

FRBの出口戦略に対して、投資家が過剰反応して金が売られすぎた

下値を切り上げながら相場水準を修正する値戻しが続きそう。

NY市場にファンドの売り建玉(未決済)が積み上がり、金価格が1300ドル台を超えると買い戻しに勢いがつく可能性。

2.今後の金相場

ドル流通量が早期に縮む可能性は低く過剰流動性は当面続く。

米国の量的緩和前(2008年12月)以前の1000ドル未満の水準(金価格)に戻ることはないだろう。

米景気の回復は本格化しつつあり、金が買われにくく、短期的には1150ドル前後もありえる。

3.金の上昇シナリオは9月がキー

米国の連邦債務が9月に上限に達する見通しで、ドイツの総選挙も9月、インド需要も秋の祭礼期に高まりそう。

米国の景気回復に不安が生じれば売り方が買い戻しにかかる。欧州中央銀行の政策金利引き下げや金融緩和の継続。

そして、金ETFに資金が再流入すれば1400ドル台までの反発がありえる。

ワールド・ゴールド・カウンシルのマーカス・グラブ氏

週刊エコノミストでワールド・ゴールド・カウンシルのストラテジスト「マーカス・グラブ」氏が金価格の見通しを語っています。

1.米国の金融緩和縮小観測

金価格は下落したが、QE縮小がそれほどネガティブに働くとは思わない。

年間4400トンの金需要は堅調で価格が割安になったことで中国やインドの地金やコイン需要は強い。

中国の需要は伸び、2013年1~3月で360トンとなり年間需要は1000トンと過去最高となった昨年を上回る可能性がある。

中国の経済減速やシャドーバンキング問題に対するヘッジとして金投資の動きがある。

インドも景気減速で通貨安も金需要が強い。

2.各国中央銀行の金需要

ラテンアメリカ・アジアの中央銀行が国債から金へとリスク分散化の意味で金を購入している。

債券バブル・通貨安競争へのヘッジという観点でも金投資を行っている。

ここ3年、中銀は欧州債務問題を背景に金を買い、2013年1~3月で110トンに達し、年間で450トンになると予測している。(昨年は1962年以来の記録となる550トン近く)

3.金ETFからの資金流出

北米の投資家が金ETFから資金を流出させた。約7割がそれに当たる。

金ETFには450~500トンの売りが入り、ETFの保有残高は5~6ヶ月で2700トンから2200トンに減少。

背景としては、米国経済への強気。QE終了やシェール革命による中期的な経済成長を見込み米国株式への資金移動。

リーマンショックの2008年後半から金ETFに資金が流れ、その後の9ヶ月で500トン金保有量が増加した。金融システム不安から金投資を行った投資家がいた。

金ETFの売りはほぼ終わったと見る。

米国と世界経済の回復力次第だが、今後は、価格上昇基調に戻るだろう。

4.今後の金価格見通し

中期的には、金需要の強さの方がQEよりも重要。

今後、5年間で金需要が個人で1000トン、中銀で1500トン増えると見ている。

QEの調整と経済成長しだいで、金価格の上昇基調が続く。

 

米国FRBの金融緩和(QE)縮小の動き、米国景気の回復具合。そして中国やインドの需要増加が各氏の注目ポイントです。

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