商品市場は、中国景気減速・株式下落で、価格が下落。原油・銅白金などの実需に利用する資源が大きく下落。金価格すら下落。
上海・深センの取引所では、1300社の株式が売買停止。全上場企業2808社の約45%が売買停止。この状態を見て、投資家は一斉にリスクオフ(回避)。株式・商品市場ともポジションの手仕舞いが起きている。
欧州のギリシャ支援の問題もくすぶるなか、東西でリスクが顕在化している。中国株の状況はかなり厳しい状況で、中国と関係の深い欧州としても連鎖反応が怖いところ。ギリシャが欧州を離れる場合、中国・ロシアの援助を当てにするだろうし、地政学リスクとしてもギリシャの位置は重要。
ところが、中国に余力がなくなる、欧州景気悪化になると、ギリシャの軟着陸も難しくなる。
- 中国:上海総合指数チャート
- 国際商品指数:CRB指数チャート
中国の株価下落がリスクオフを引き起こした
中国株の下落要因
- 上海総合指数は2015年初から60%、2014年7月からは2.5倍の上昇
- 中国経済の減速:GDP成長率目標は7.0%と低下中
- 世界の銅消費伸び率を下方修正【ウッドマッケンジー調査】
- 金融危機の顕在化:シャドーバンキングなど
株価下落により、更に実体経済に影響を与える可能性がある。
白金・金価格も下落
貴金属の中では、金よりも景気に敏感な白金が下落。ただ、今回の上海株式下落以前から、全体的に下落トレンドを描いている。欧州・中国の景気減速は、今に始まった訳ではない。
●NY白金価格チャート月足:EVOCX
2015年の白金価格は、毎月下落。
●NY金価格も緩やかな下落トレンド
2015年のNY金価格は山・谷を描きながら下落。米利上げ問題が大きく影響。1トロイオンス1200ドル割れが定着する可能性もある。
中国が世界需要の4割を占める銅はロンドン市場で1トン5300ドル台を割り6年ぶりの安値。原油も3か月半振りの安値を付けるなど商品市況全体も崩れている。
- 中国証券監督管理委員会(CSRC)は8日、持ち株が5%以上の株主を対象に向こう6カ月間、株式売却を禁止する措置
- 中国の証券会社で作る団体は4日、国内の21の証券会社が資金を出し合って、合計1200億元(約2.4兆円)の資金を出してETF(上場投資信託)に投資する異例の対策
中国も株価維持のため、様々な対策を打ち出している。しかし、商品市況の下落を見ても分かるように、景気減速感が大きく、小手先の策では厳しい。おそらく、日本・米国・欧州が行っているような金融緩和策を強化してくるだろう。
- ゆとりずむ:中国株が売買停止に至るまで、北京五輪後から現在に至るまでの中国バブル崩壊が上手にまとめられています。
- 週間現代:中国バブル崩壊
何度も崩れそうな状態を支えてきた中国政府。今回もなりふり構わぬ施策を取ってくると思います。そうなると金余り&ペーパーマネーに対するリスクが顕在化して見直されるのが金投資。NY金価格は下落傾向にありますし、米国利上げ時期次第で更なる下落も考えられます。しかし、長期的に見れば、上手く底値で掴める可能性もありますので、金投資を勉強するチャンスです。