2016年1月は、原油安と中国経済悪化による世界同時株安で幕開け。その影響を受けた金価格は上昇傾向。リスクオフの中で、有事の金投資的な要素が出てきており、少々、米ドルがが上がる局面でも金価格が上昇する事もあります。
ニューヨーク証券取引所上場の世界最大規模の金ETF「SPDRゴールド・シェア」の現物保有量も上昇。2016年1月26日現在:前日比5.06トン増加の669.23トン。これは、2015年11月5日(671.77トン)以来の高水準。
NYと東京の金価格は上昇傾向:NYは1100ドルを回復
●NY金価格日足チャート:EVOCX クリックすると拡大
NY金価格は、1月20日1100ドルに達した後も、1100ドルをキープしています。テクニカル的に短期上昇トレンドを描く。もう少々上昇余地はあると見るが深追いは危険。
シェール生産量の増加等で、原油価格が一時30ドルを割り込、上海総合株価指数も3000を割り込んでいる中で、世界経済への不安感が増して、金投資が増えていることが上昇要因。
しかし、安全資産への逃避については、さすがにここまで原油価格が下げてきた事から一服傾向を見せています。原油相場の底値は10ドル~30ドルとまちまちだが、ここにきて、ロシア・ベネズエラ・OPEC・イラクなどから協調減産の話が出てきていることは金相場にネガティブ。
1月27日のFOMC、29日の日銀金融政策決定会合、2月5日発表の1月雇用統計、2月10日のイエレンFRB議長の議会証言などは重要。米利上げをどうするか、日本の追加緩和の有無で金相場と米ドルが動きます。
1月のFOMCは利上げ見送りが有力。声明文の内容で景気・インフレなどに対するFRBの姿勢を判断していきましょう。
中国経済は、不安要素が盛りだくさん。上海総合をはじめ株価や経済指標を確認。
●東京金日足チャート
東京金は、米ドル/円が116円~119円とドル安円高に動いていることもあり大きく上昇。4200円を越える場面もあり。
ちょうどフィボナッチリトレースメントを計算しやすい形になったので、上昇トレンドの目安を計算。
●東京金価格の直近高値:4958円 2015/1/23
●東京金価格の直近安値:4046円 2016/1/15
- 76.4% 4742.768
- 61.8% 4609.616
- 50% 4502
- 38.2% 4394.384
- 23.6% 4261.232
この辺りの価格を戻りのメドにしてください。
その他貴金属相場に関するポイント
- ECBのドラギ総裁は、2016年3月に追加緩和を示唆
- 日本では、プラチナ価格が安くなったこともあり、販売量が大きく増加
- ロイターの市場調査では、2016年の白金相場は中央値で904ドルと予測(3か月前から20%の下方修正)
- 米国の利上げに関して世界同時株安の中、継続性に疑義をジョージ・ソロスやラリー・サマーズ氏が話している
- 原油相場の上昇や米ドル高は金価格の下落要因
この記事へのコメントはありません。