リアルタイムの金価格や予想・金投資のノウハウを紹介します。世界で人気の純金積立や投資信託の方法。さらに、今後の見通しを徹底的に解説いたします。

  1. 金価格・相場の予想
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産油国の増産凍結合意(4月17日に会合)とIMFの世界経済減速リスクに揺れる2016年4月の金価格

安全資産としての金投資は、再燃しつつある世界経済の減速リスクに影響されている状況。サウジアラビアとロシアが4月17日の会合を控えて増産凍結で合意とのニュースとIMFの経済成長率引下げが同日(4/13)に入ってきました。

一方、米国利上げは年2回が予想シナリオも3回的な話も残っており、金利を生まない金相場にとって、利上げの遅れはプラス材料。0~1回利上げも有力。

NY金は上昇、東京金は円高で下落トレンドの中、チャート的にも重要なポイントに来ています。

NY金価格チャートはヘッド&ショルダー形成の可能性

NY金価格の動き

NY金価格の日足チャート:EVOCX

1250ドル前後の金価格は大事なところに差し掛かりつつある。レンジ自体は切りあがっており下値は1200ドル。もし、このラインを割り込むとチャートパターンがヘッドアンドショルダーを描くため、更なる下落を警戒しなければいけなくなる。

1200~1300ドル水準のレンジが継続すれば安心ながら、原油価格上昇による米経済のインフレ傾向が出てくれば、一時的な下落確率の方が高いのではと予想。金相場の大暴落的な予想はしていない。

●東京金の日足チャート

東京金の動き

東京金価格の方は、リスクオフ相場の再燃による円高進行が響き、高値から大きく下落。3月高値は3月7日の4622円。1月安値は4046円。

フィボナッチで押し目を計算すると以下の通り。ほぼ半値押しまで下げたことになります。

  • 61.8%:4401円
  • 50%:4334円
  • 38.2%:4266円

2016年4月17日:産油国会合開催

金相場に直接・間接的に関係するのが原油価格。

原油価格上昇はインフレへの道であり、モノとしての金価格を上昇させる。一方、インフレは米国利上げに繋がるため、その点では下落要因。

現在の金相場は通貨としての意味合いが強く資産価格が下がれば上昇する傾向が強い。

さて、4月17日に産油国会合が開催されて、原油価格を維持・上昇させるために増産凍結合意の方向で進んでいます。

2016年2月22日の会合では、サウジ・ロシア・ベネズエラ・カタールの4か国が他の産油国も足並みをそろえるという条件付きで合意。イラン・イラク・リビアなど他の産油国を合意させられるかどうかに注目が集まります。

4か国以外の主要産油国も足並みを揃えることを条件に、今後の産油量を各国の1月生産水準以下に留めること、そのうえで各国の原油生産の遵守状況をモニタリングしていくというものだった。住友商事グローバルリサ―チ

  1. 全ての産油国が増産凍結に合意
  2. 合意できる国だけでも増産凍結に合意
  3. 引き続き条件付きで合意
  4. 増産凍結できずに決裂

産油国会合の結果は4パターンに分かれます。このうち1パターンが理想的、経済制裁が解除されたばかりのイランは大幅な増産余地を残しており、現水準での増産凍結は望まない。イラクやリビアなども戦争・内乱で国が荒れており似たような立場であり合意は難しいと予想されていました。

4月13日のニュースでは、サウジアラビアとロシアが増産凍結で合意。サウジアラビア以外の産油国はイランへの理解を示していたため、サウジアラビアの譲歩で、イランの増産継続を認めた上での増産凍結の可能性が高まっています。

ただし、増産凍結に合意しても大幅な原油価格上昇にはつながらないとの予想がメイン。底入れには成功しても在庫の調整には時間がかかるとの見方。

トラフィギュラのジェレミー・ウィアー最高経営責任者(CEO)は「相場は底入れした」とし、第3、もしくは第4・四半期までに需給の均衡を見込む。

マーキュリアのマルコ・ダナンド氏も、来年には価格が50ドル超まで戻すことを予想する。ロイター

そもそも米国からのシェール大量供給で需給バランスが変化したことが要因であり、以前のような100ドルレベルには戻らないとの予想には私も同意です。

底打ちの原油価格

ロイター原油ニュース:原油生産量及び埋蔵量:リアルタイム価格など

シェール開発側にとって、銀行が与信枠を軽減するとのニュースもある。ロイターニュースによると、早くも35億ドル、全体の2割が削減。5月までに更に与信枠が削られるとの見方。産油国とシェール業界のチキンレースは、いよいよクライマックスを迎えようとしています。

石油・天然ガス生産企業は、半年ごとに取引先銀行と交渉し、保有資源の価値に基づいて与信枠を設定する。これまでの与信枠見直し局面では、石油企業側が原油価格下落にヘッジをかけていたことや、経費節減を続けられる態勢にあったことが評価され、銀行からはある程度寛大な条件が提示されていた。しかし今回は、多くの企業のヘッジがほぼ満期を迎え、与信枠算定の基準となる原油価格が半年前より最大で20%低いこともあり、銀行の態度は厳しくなりつつある。与信枠見直し交渉時期が始まってわずか数週間を経過しただけだが、既にロイターが集計したデータでは合計35億ドル、全体の2割相当の与信枠が削られた。このペースなら5月までの交渉期間で、残る500億ドルの与信枠のうち100億ドルがなくなってしまうだろう。ロイター

IMFによる世界経済見通し引下げ

IMFは2016年4月12日に世界経済見通しを引き下げ

●2016年の経済成長率予想:2016年4月予想()内は1月

  • 世界全体:3.2%(3.4%)
  • 米国:2.4%(2.6%)
  • 日本:0.5%(1%)
  • ユーロ圏:1.5%(1.7%)
  • ブラジル:-3.8&(-3.5%)
  • ロシア:-1.8%(-1.0%)

日本は、2017年に消費税率が引き上げられればマイナス0.1%とマイナス成長になることをIMFは予想し、安倍政権に対して増税延期を後押し。

金融リスク・地政学ショック・政治的不和から、世界経済のリスクは大きく。成長ペースは緩慢。中国経済の減速が更に大きくなったり、原油価格安が長引くと、大きなショックが生じる可能性があると指摘しています。

●IMF公式サイト:よろめく世界経済

金価格にとっては、金融混乱リスクや地政学リスクが高まれば上昇要因となります。

IMFの奨める解決策は、ここでも構造改革・財政支出・緩和的財政政策。世界経済減速リスクが顕著な中で、イエレンFRB議長は利上げできるのでしょうか。

金利を生まない分、安全資産としての価値が高い金投資にとって、イエレン議長の利上げ決定が一番怖い要因。

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