現物以外の金投資といえば商品先物取引がその代表。そこに、金ETFやCFD(差金決済取引)が登場し、選べる金融商品が増えました。CFDは、海外の個別株や株価指数・金や白金といったコモディティを一つの口座で管理できる金融商品。
金の商品先物取引は、将来のある期日に金を受け渡す約束をして、その「買い」の価格、または「売り」の価格を現時点で決める取引。一年後の金価格が上昇すると予想すれば、安いうちに購入し期限までに価格が上昇すれば売値と買値の差額を利益として受け取れます。もちろん、逆に下がれば損失です。CFDも似ている仕組みを持つ商品。
金価格が上昇しそうなときには「買い注文=買い建玉」、下落しそうなときには「売り注文=売り建玉」を行うことで、金価格が上昇しなければ利益が出ない現物取引と違い、先物取引では金価格が下落しても利益を得られるチャンスがあります。
CFD取引とは
商品先物取引と似た仕組みの金融商品として登場したのがCFD(差金決済取引)。インターネットによるオンライントレードにより人気の出てきた商品で、レバレッジ取引が可能なため、資金効率の良さが特徴。さらに、24時間取引できるなどのメリットから世界的に広まっています。NYダウや米国株・新興国株など、豊富な銘柄が用意されています。
金を差金決済できるCFD取引の魅力
金投資を行う上でのCFD取引の魅力をご紹介します。
1.ほぼ24時間取引ができる
金市場は、ニューヨークやロンドンの取引量が多く、夕方から深夜にかけて価格が動きます。その時間帯にも取引ができるのはメリット。
2.レバレッジをかけた差金決済取引
少額の資金で大きな取引ができるレバレッジ効果で資金効率の良さは魅力です。
3.インターネットでスピーディに取引
CFDは、インターネットを使った取引で、売買・情報収集・口座状況確認がカンタンにできます。
4.売りからスタート
商品先物取引と同様に売りからスタートできるため、金価格の値下がり局面でも利益が狙えます。金現物のヘッジとして利用する方もいます。
5.現物の金より低いコスト
現物の金投資より低いコストで取引ができます。そのため、現物で金を持っていて、値下がりリスクを避ける活用方法も有効。その場合、【4.売りからスタート】を活用します。
主な商品先物CFDで扱う銘柄は、金・銀・プラチナ・パラジウム・原油・コーン・小麦・大豆など。そして、通貨は、米ドル・ユーロ・日本円などで取引するため、金の場合、XAU/USDやXAU/JPYという銘柄表記をします。
●IG証券の金CFD概要
出典:IG証券
金のCFDを提供するIG証券では、トロイオンス・ドルの取引だけでなく、業界で初めてCFDでのグラム・円建ての金取引を行うことができます。為替の影響を受けないドル建ての取引と分かりやすい日本円建ての取引と選べます。
CFD取引と商品先物取引の違い
最大の違いは、取引所取引と相対取引の点です。
CFDの特徴である相対取引は非取引所取引ともいわれます。
- 証券取引所や商品先物取引所などの取引は、取引所が注文の執行を行います
- CFDの場合は投資家の取引相手(取引会社)と一対一(相対)で取引を行います。
こう書くと難しそうですが、金の現物を田中貴金属などの地金商と売買するのも一対一の取引で「相対取引」の一つと考えればCFDの事を難しく考える必要はありません。
日本商品先物取引協会がまとめた商品CFDの2012年統計は以下の通り。
・エネルギー:53%
・貴金属:40%
・農産物:7%
商品CFDの取引額割合は、原油・ガソリンなどエネルギー系の取引額が最も多いということが分かりますね。
代表的なCFD取引会社は、サクソバンクやGMOクリック証券など。
サクソバンク証券CFD:6000銘柄以上のCFDを取引できます。日本円建ての金取引ができるのは嬉しい。
GMOクリック証券のCFD:FXで有名な会社。銘柄数は少ない。