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21世紀の金準備は中国・ロシアが大幅増加しスイスは減少!

2000年代の金(ゴールド)は、西から東へ移動。旧ソ連崩壊・中国の台頭と続いた流れの中で、力を付けてきた中国・ロシアは、外貨準備の一部を金に置き換える政策をとってきました。

米国をはじめとした西側諸国と交流をしているとはいえ、その距離感は微妙。万一のリスクを恐れて安全資産である金を資産として持っておく選択をしています。

西から東(中国・ロシア)に移動する金

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ロシアの通貨ルーブル、中国の通貨人民元共に、国際的に安定度・安心度においてはまだまだ。そのため、通貨が値下がりして価値を失うリスクがあります。

特に、ルーブルは通貨危機に何度も見舞われている通貨。1998年には、ロシア通貨危機でデフォルトに陥り、大手ヘッジファンドのLTCM危機を引き起こしました。ロシアのデフォルトで、彼らのアービトラージ戦略は大きな含み損を抱えて、世界を危機に陥れることに。

金価格にも値下がり・値上りがありますが、紙幣のように紙切れになるリスクは小さい。そのため、信用の裏付け&中央銀行の資産保全に利用しています。

中国も同じく経済成長にあわせて、金準備を増やしました。

金準備を増やす中国&ロシア

WGC調査による中央銀行の金保有額を確認すると、スイス・英国は減少。米国はほぼ変化なし。それに対して、中国は395トン⇒1838.5トン、ロシアは384.4トン⇒1542.7トンと大きく増加しています。

金準備額の比較

WGW(ワールドゴールドカウンシル):2000~2016年9月末の金保有高(単位:トン)

増減額だけ取り出すとスイスの大幅減少と中国・ロシアの増加が目立つ。

ゴールドの増減額

実際、ロシアは、増やした金のおかげでルーブルの下落による損失を埋め合わせることに成功。2015年に外貨購入を休止。ロシアは、金価格の上昇で外貨準備高の目標5000億ドルに近づいたというブルームバーグの報道もありました。

ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は8カ月にわたって外貨購入を休止しているが、再開を急ぐ様子はない。金相場が四半期ベースでは1986年以来最大の上昇を示し、ロシア中銀は1年余り前に通貨ルーブルを救済するために出した損失のほとんどを取り戻してきている。ロシアの金購入ラッシュ、ルーブル下落時の損失補う-金価格上昇で:2016年4月4日

金準備を減らしたスイス

スイスは永世中立を標榜しており、ニクソンショックで金が米ドルとのリンクから外れても金投資を続けました。

1999年に憲法改正されたことで、スイス国立銀行は、金準備の一部売却を行えることに。そして、スイス保有の金準備を半分だけ売却することを決定。

その結果、1379.4トンの金を減らすことになりました。この売却は、金価格が歴史的な安値水準にある時に実施してしまい、底値で売るというスイスにとっては痛恨の出来事。

結局、210億フランが政府と州の収入となった。67億フランはスイス国立銀行が保持し、通貨準備の増額に充てた。スイス国立銀行に残された金はわずか1千40トンとなった。

国際的に注目される投票の行方

2008年~12年、金融危機や新興国からの需要の増加に伴い、金の価格は記録的に高騰した。金の価値が再び上がったことで、スイス国立銀行の金売却を後の祭りと悔やむ声もあちこちで聞かれた。スイス国立銀行の金準備

なお、金準備を増やすかどうかはスイス国民の中で重要な争点になっています。2014年11月30日に【金を救え】国民投票も行われました。

この間に、順調にゴールドを買い続けていたのが中国&ロシア。ちなみに日本は増減なしです。

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