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  1. 雑学や歴史
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金ドル本位制度の採用:ブレトンウッズでの英国とケインズの敗北

第二次世界大戦前の欧米は、金銀複本位制を採用している国がほとんど。金だけでなく銀を正式な通貨として、金貨・銀貨を製造・発行。紙幣は、金銀への交換が保証された通貨というシステム。そこから、英国の金本位制へと進み始めて、主要国は金本位制へと統一されることになりました。なお、銀は輝き・美しさの継続性・希少性で金に劣ります。

英ポンドと金本位制は1816年に1ポンド金貨が鋳造された時がはじまりとされ、金1オンス=3ポンド17シリング10ペンス半に固定されました。

金本位制の欠点

ただし、金本位制には大きな欠点があります。
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金本位制は、紙幣を金に交換できることが信用の根幹にある大事なポイント。お金の流通量を中央銀行が保有する金の量に制限することで、無尽蔵な紙幣の増刷を食い止める効果があります。

一方、経済が成長すると、それにあわせて、金の生産量・保有量が増えないと、紙幣を増やすことができません。そのため、保有している金の量に依存する金本位制では、経済はデフレ状態になりやすいという欠点を持ちます。

一方、メリットとしては、貿易黒字が増えれば、保有する金の量も増えて通貨量も増える。相対的にインフレとなり、国際的な競争力が落ち、貿易黒字が減る。

1922年のジェノア会議

そこで、第一次大戦が終了した1922年のジェノア会議では、各国の中央銀行がイギリスの国債を保有しようという案が出された。それは、英ポンドに交換可能であり、英ポンドは金に交換可能。つまり、この仕組は、間接的に金を保有していることになるというものでした。

この会議では、参加国の中央銀行が部分的には金本位制に復帰するという提案も決議された。当時、金本位制は、戦費をまかなう紙幣を発行するために停止されていた。しかし中央銀行は、金の裏づけがある経済の方が貿易の障壁は減り経済は安定すると考えており、その現実的な方法として、金を金庫室に保管して維持したまま日々の取引を金と交換できる印刷紙幣で行う方法での金本位制を望んでいた。ジェノア会議

金ドル本位制:ブレトン・ウッズ体制:ケインズの活躍

これを発展させたものが、第二次大戦後のブレトンウッズ体制。

米ドルは、金と交換可能であり、他の通貨はドルと結びついたドルペッグ(固定相場制)を採用。金価格は1オンス=35ドルに固定。米ドルの信用は、金と交換できることで担保されており、他通貨はドルとのペッグ制により安定・信用を得た。

  • 米ドルは基軸通貨として、国際取引・決済に利用されて、金とともに各国の外貨準備として保有
  • 各国通貨は、ドルを介して金とリンクしている
  • 米ドルを保有することは金を保有することと同じ
  • 他通貨は、米ドルと固定為替相場を維持(変動幅は対ドルの上下1%)

ケインズ

このブレトン・ウッズ体制の元、英国のケインズは、新通貨「バンコール」とそれを管理する機関の創設をもくろんでいました。しかし、二度の世界大戦を通じて、力を増した米国に押し切られた結果、金ドル本位制が採用されました。

貿易黒字国米国と赤字国イギリスの自国有利に導こうという交渉は、非常に白熱したものだったと言い伝えられています。

英国のケインズと米国のハリー・デクスター・ホワイトの両氏は、双方の理想と国益を賭けて戦いました。かなり詳細で分厚い本ですが、興味のある方は、ぜひ、下記の本をお読みください。

ブレトンウッズの闘い。

第二次大戦後の経済に大きな影響を与えたケインズを学びましょう。現代の経済に通じる米国覇権とドル本位制の流れがわかりやすくなります。

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