金投資は、米国の税制改革に進展があり、NYダウをはじめとした株価が上昇。世界経済の好調が続いていることから、じり安の状況。
しかし、リスク要因として北朝鮮のミサイル発射・ロシア疑惑問題が浮上していることで、大幅安には向かわず。
◆金価格の日足チャート 2017年12月2日
米国の税制改革の進展で、金価格は安くなるも週末のフリン前大統領補佐官のロシア疑惑問題で上昇。
週末の米株は、減税・金利上昇などの恩恵を受けやすい分野は上昇もナスダックは下落。
米税制改革法案を上院で可決
米上院がついに税制改革法案を賛成51:反対49で可決。後は、下院との一本化が必要。
法人減税を35%から20%に引き下げ。下院案は、来年からの引き下げながら、上院は2019年からとなっており、どちらで決まるのか大きな課題。
米企業の税負担が減少し、多数の法人税が安い国との競争力が上がるため、世界経済の動向に変化をもたらしそうだ。
個人の所得税も最高税率39.6%から38.5%に引き下げる予定。
世界の法人税率(法定実効税率):2017年
- 米国:38.91%
- フランス:34.43%
- ドイツ:30.18%
- メキシコ:30.00%
- 日本:29.97%
- イギリス:19.00%
- アイルランド:12.50%
米国の競争力は大幅に上がるでしょう。それを見越しての米株価大幅上昇なんですけどね。
ロシアの米大統領選関与を調査するロシアゲートでは、FBIに虚偽の証言をしたとして、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)を訴追。
フリン氏は、イスラエルの国連決議を巡り、ロシア当局者と連絡を取っていた。この件は、クシュナー氏の指示だったとのこと。
うーん、この問題は、どこまで進むのでしょうか。
トランプ大統領は、来週にエルサレムをイスラエルの首都と認める可能性があるとの報道もあり。また、テイラーソン国務長官の更迭を否定するなど政権を巡る諸問題は落ち着きません。
2018年のシナリオ
今後の金融市場の状況は、ゴルディロックス相場のサイクルが終りに近づいていくことになります。それが2018年になるのか19年になるのか。
上がり過ぎた株・不動産などの資産価格が逆回転を始めるときは、米10年債の金利が上昇を始める時というのが、ヘッジファンドをはじめとする専門家の見方。
米国の税制改革成立は、噂で買って事実で売るモードへのターニングポイントとなるのでしょうか。それとも2018年はまだバブル継続の年になるのでしょうか。
そろそろと米金利が上昇していく気配がある以上、短期的に金投資は少し難しい局面にあると思います。日米欧と金融引締め局面に向かいつつある今は、金利を生まない金相場は下落サイクルに進みやすいので、一時的には抑え気味にするのが良いと思います。
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