金価格は、買戻しの動きで反発中。米税制改革法案が議会を通過して、米国債利回りが急上昇、10年債は2.5%・2年債は1.9%のレベルにまで達するも米ドルの上昇が弱く、期待外れからか金相場が買い戻されるている模様。
ただ、買われ過ぎ感も出ており、1280ドルを超えないのではという見方が一般的。しかし、少し金融市場に変化が出つつあるのではという感じを受けます。
金融市場の日足チャート:2017年12月24日 GMOクリック証券のCFDチャート
◆NY金価格の日足チャート
米国の税制改革法案成立と長期金利上昇
基本的に、米金利上昇と米ドルの上昇は、金価格の下落をもたらします。その点で、今回の税制改革法案成立は、金投資に多大な影響を与える事象。
米長期金利も2.4%を超えて上昇。
FXネオ:GMOクリック証券
- 税制改革が経済成長及びインフレを実現させる
- 米国の財政赤字が増加して債券価格が下落
米金利が上昇すると、金利を生まない金価格は下落するのが筋。しかし、現実はそうなっていない。
市場は、想像以上にインフレを警戒している可能性、そして、金利上昇に米国経済が耐え切れずに金利上昇ペースが緩やかになる可能性を検討しているのではないかと思います。
イエレンFRB議長は、インフレ率が上昇しないことをミステリーと読んでいますが、水面下ではじわりじわりとインフレになりつつあるのではないでしょうか。ITの発達で、従来のようなハイパーインフレは考えにくくても素材価格などは原油を筆頭に上昇しはじめていますからね。
◆銅価格チャート 世界経済のネタ帳
北朝鮮の軍事衝突リスク
もう一つ、大きな地政学リスクが北朝鮮。これが金価格の下支えをしている可能性があります。北朝鮮が核開発を今更、止めることはほぼありません。
核による抑止力を持った上でしか米国との交渉をしないでしょう。
一方で、北朝鮮から脱北者が出るなど、経済的に苦しくなっているのも確かです。それゆえに、このまま破滅するよりも名誉ある暴発を検討していてもおかしくありません。
そうなると、米国が先制攻撃を仕掛けるという軍事衝突リスクが高まっていると言えるでしょう。中国も自国への北朝鮮難民の流入やミサイル攻撃リスクを視野に入れて行動していますからね。
米国共和党のリンゼー・グラハム上院議員は、12/3に在韓米軍の家族を韓国国外に避難させる時が来たと語り、クリスマスシーズンに合わせて帰国させるとのうわさも出ています。
2018年2月9日から韓国の平昌で開催される五輪に、米国が参加するかどうは不透明。IOC(国際オリンピック委員会)は、国家的なドーピング疑惑によって、ロシアの参加を認めない方針を決めるなど開催されるかどうかすら危ぶまれる事態に発展しています。もし、米朝衝突となれば、韓国での五輪開催など実現不可能。米国およびIOCの動きはそれを見越してのことではないでしょうか。冬季五輪にロシアを参加させない決断を下せたのは、五輪開催が中止になることを示しているとしか思えません。そのことをロシアも知っているからこそ・・・
有事の金という下支えが、本来、もう少し下げておかしくない金価格を支えているような気がしてなりません。2018年早々に、北朝鮮への軍事攻撃は、金投資家のシナリオに入れておくべきことです。
かなり、危うい状況にあることは確かです。
本日は、12/24・・・メリークリスマス!
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