南北朝鮮のパンムンジョム宣言実現で、中国のアジア覇権が前進か:2018年4月30日週の金相場予想

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2018年4月27日に開催された韓国と北朝鮮の首脳会談は成功に終わり、朝鮮半島和平への大きな一歩を踏み出しました。

1年前には、この二人が抱き合うなど想像できない姿。韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、1953年の休戦で止まっている朝鮮戦争を終結するための平和条約を年内に締結すると発表しています。

この朝鮮半島の融和&米長期金利の上昇で、NY金価格は下落。


南北朝鮮の会談:パンムンジョム宣言実現の裏側

◆NY金価格の日足チャート GMOクリック証券のCFD 2018年4月27日

金投資関係の日足チャート

パンムンジョム宣言では、南北の敵対行為を停止し、今後の外交交渉を進めることを宣言。中国及び米国は、この内容に対して称賛・歓迎の姿勢を示しました。

懸念点は、朝鮮半島の非核化の文字がなかったこと。軍事専門家の中には、北朝鮮の時間稼ぎという意見も根強い。ただ、笑顔で抱擁しあう両首脳の姿からは、和平に向けての強い意志を感じました。

2月の平昌五輪への参加で、南北融和ムードが高まり、金正恩朝鮮労働党委員長の訪中。マイク・ポンペオ米国務長官(当時はCIA長官)との会談と続いた流れを見ても、交渉の大筋は固まっていると思います。

ポンペオ国務長官は、経済制裁の成果を強調しており、米国そして中国の圧力が、非核化の話し合いを実現させたと北朝鮮の心変わりの理由を説明。

米中貿易戦争の交渉が続いていることも、中国が北朝鮮への圧力を強めるきっかけになったのでしょう。中国は、米国の要求に応えたといえるはず。

南北朝鮮の裏は、米中の覇権争い

  • 北朝鮮の非核化
  • 北朝鮮の平和と暴発防止をどこが管理するのか
  • 北朝鮮の経済状況と国内の安定

上海国際問題研究院学術委員会副主任の呉寄南(ご・きなん)氏は、中国による外交努力と圧力が、南北朝鮮の会談を実現させた理由と説明。

「中国と北朝鮮の国境は1400キロある。北朝鮮の隣国の中で、もっとも長い国境線を持った最大の貿易相手が中国だ。北朝鮮の対外貿易は年間130億ドルで、その9割が中国向け。今回の経済制裁で、北朝鮮から中国への石炭、鉄鉱石、海産物などがストップし、北朝鮮は貴重な外貨を失った。IWJ

北朝鮮は、相当、追い詰められていたのでしょう。核実験場も、度重なる実験のせいか、施設がボロボロで使用に耐えなくなったとの説もあり、核実験を停止せざるを得ない状況だったのかもしれません。

朝鮮半島の非核化が実現されるかはわかりませんが、中国が責任を持って管理し、中国の傘の下に北朝鮮が参加する流れが進むのではないかと思います。

アジアの地域覇権国が中国。インド洋の覇権国がインド。日本は、中国と一線を引いての対米同盟国として存在するというハンチントン教授の地域覇権論が実現に近づいているのではないでしょうか。日本が、中国の一帯一路(いったいいちろ)に対抗するには、オーストラリアをはじめとするオセアニア諸国とインドの協力が不可欠。

いずれ、中国は、人民元を国際通貨そして基軸通貨の一つとする目標を実現するために動いてくるでしょう。そうならないと、米ドルが、米国の経済力以上の力と責任を負わされている現実との乖離はいつまでもなくなりません。その過程では、米ドルの価値減少が生じる可能性が高いため、受け皿の一つとして、【金価格】の上昇が起きると思います。

人民元:IMFのSDRへの参加

今回の南北朝鮮会談は、そういったアジアの覇権と通貨を巡る抗争の一貫。長期的な視点で、南北朝鮮会談と金価格を見ると、中国の覇権拡大と米国のアジアからの撤退論が見えてきます。

米国の撤退については、トランプ大統領の独断ではありません。オバマ大統領の2013年9月10日に発した【米国は世界の警察官ではないとの考えに同意する】という言葉は、歴史的なターニングポイントだったということ。

●パンムンジョム宣言全文:NHK

朝鮮半島の平和と繁栄、統一のためのパンムンジョム宣言

大韓民国のムン・ジェイン大統領と朝鮮民主主義人民共和国のキム・ジョンウン国務委員長は、平和と繁栄、統一を願うすべての同胞のいちずな願いを込めて、朝鮮半島で歴史的な転換が起きている意味深い時期である2018年4月27日に、パンムンジョムの「平和の家」で、南北首脳会談を行った。

両首脳は、朝鮮半島にもはや戦争はなく、新たな平和の時代が開かれたことを8000万のわが同胞と全世界に厳粛に宣言した。両首脳は、冷戦の産物である長年の分断と対決を一日も早く終息させ、民族的和解と平和繁栄の新しい時代を果敢につくり出し、南北関係をより積極的に改善し発展させなければならないという確固たる意志を込めて、歴史の地、パンムンジョムで次のように宣言した。

1.南と北は、南北関係の全面的で画期的な改善と発展を成し遂げ、途絶えた民族の血脈をつないで共同繁栄と自主統一の未来を早めていく。南北関係を改善して発展させることは、すべての同胞のいちずな望みであり、これ以上先送りできない時代の切迫した要求だ。

(1)南と北は、わが民族の運命はわれわれがみずから決定するという民族自主の原則を確認し、すでに採択された南北宣言とすべての合意などを徹底的に履行し、関係改善と発展の転換的局面を切り開いていくことにした。

(2)南と北は、高官級会談をはじめとする各分野の対話と協議を早い時期に開催して、首脳会談で合意された問題に取り組むための積極的な対策を立てていくことにした。

(3)南と北は、当局間協議を緊密にし、民間交流と協力を円満にすることを保障するため、双方の当局者が常駐する南北共同連絡事務所をケソン(開城)地域に設置することにした。

(4)南と北は、民族的和解と団結の雰囲気を高めていくために、各界各層の多面的な協力と交流往来と接触を活性化することにした。

対内的には、6・15(2000年6月15日の南北共同宣言)をはじめ、南と北にとって同じように意義がある日を契機に、当局と国会、政党、地方自治体、民間団体など各界各層が参加する民族共同行事を積極推進して和解と協力の雰囲気を高め、対外的には、2018年アジア競技大会をはじめ国際大会に共同で出場して、民族の知恵と才能、団結した姿を全世界に誇示することにした。

(5)南と北は、民族分断で発生した人道的問題を至急解決するために努力し、南北赤十字会談を開催して離散家族・親戚の再会を含む諸問題を協議し、解決していくことにした。さしあたって、来る8・15(8月15日)を契機に、離散家族・親戚の再会を進めることにした。

(6)南と北は、民族経済の均衡的発展と共同繁栄を実現するために、10・4宣言(2007年10月4日の南北共同宣言)で合意された事業を積極推進していき、1次的にトンヘ(東海)線およびキョンウィ(京義)線鉄道と道路を連結し、現代化して活用するための実践的対策を取っていくことにした。

2.南と北は、朝鮮半島で先鋭化した軍事的緊張状態を緩和して、戦争の危険を実質的に解消するため、共同で努力していく。

(1)南と北は、地上と海上、空中をはじめとするすべての空間で、軍事的緊張と衝突の根源となる相手に対する一切の敵対行為を全面中止することにした。さしあたって、5月1日から軍事境界線一帯で拡声器放送とビラ散布を含むすべての敵対行為を中止して、その手段を撤廃し、今後、非武装地帯を実質的な平和地帯とすることにした。

(2)南と北は、黄海の北方限界線一帯を平和水域にして、偶発的な軍事的衝突を防止し、安全な漁労活動を保障するための実際的な対策を打ち立てていくことにした。

(3)南と北は、相互協力と交流、往来と接触が活性化することによるさまざまな軍事的保障対策を取ることにした。南と北は、双方の間で提起される軍事的な問題を遅滞なく協議解決するために、国防相会談をはじめとする軍事当局者会談を頻繁に開催し、5月中にまず、将官級軍事会談を開くことにした。

3.南と北は、朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制構築のために積極協力していく。朝鮮半島で非正常な現在の停戦状態を終息させ、確固たる平和体制を樹立するのは、これ以上先送りできない歴史的課題だ。

(1)南と北は、いかなる形態の武力も互いに使用しないという不可侵合意を再確認して、厳格に遵守していくことにした。

(2)南と北は、軍事的緊張が解消されて互いの軍事的信頼が実質的に構築されることによって段階的に軍縮を実現していくことにした。

(3)南と北は、休戦協定締結65年になることし、終戦を宣言して停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制構築のために、南・北・米の3か国、または南・北・米・中の4か国の協議開催を積極推進することになった。

(4)南と北は、完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認した。

南と北は、北側が取っている主導的な措置は、朝鮮半島の非核化のために非常に大きな意義があり、重大な措置だという認識をともにし、今後それぞれが、みずからの責任と役割を果たすことにした。南と北は、朝鮮半島の非核化のための国際社会の支持と協力のために積極努力することにした。

両首脳は、定期的な会談と直通電話を通じて、民族の重大事を随時、真剣に議論し、信頼を強固にして、南北関係の持続的な発展と朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けたよい流れをさらに拡大していくために、一緒に努力することにした。
さしあたってムン・ジェイン大統領は、ことし秋にピョンヤンを訪問することにした。

2018年4月27日
パンムンジョム
大韓民国大統領ムン・ジェイン 朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長キム・ジョンウン

NHK

GWの金価格予想

目先、北朝鮮リスクは後退。次は、米国と北朝鮮の会談次第で、金価格の動きも出てくるでしょう。次のトランプ政権の課題であるイランの核及び原油問題にも話題が移ります。

米国は、中国&欧州との貿易戦争を抱えていますから、米ドル安の圧力からは逃れられず、相対的に金価格は支えられそう。

そして、現在の金融市場に大きな影響を与えるのが、FOMC。インフレの兆しが出ている中、パウエルFRB議長の舵取りには不安しかありません。金利上昇は、金相場に下落圧力を与えますから、米長期金利の3%越えによる値下がりは覚悟する必要があります。5月2日のFOMCでは利上げの可能性は低いので、大きな相場変動はないと予想されています。

そして、3%のレベルでオタオタしている金融市場は、低金利に慣れすぎています。クラッシュしかけたら、FRBをはじめ中央銀行が助けるというのは、モラルハザードそのもの。

日本は、GWながら、金相場に関する多くのイベントやニュースが出てくるので注意すること。

◆NY金価格の日足チャート

金価格の日足チャート

ボリンジャーバンドの下限方向に、金価格が近づきつつあります。1300ドルをキープして、横ばいから軽い上昇に転じるのを予想したいところ。1300ドル割れのリスクに警戒しておくこと。

■来週・再来週の注目スケジュール
4月30日(月):米個人所得、米中古住宅販売成約指数など
5月2日(水):連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表、ユーロ圏失業率など
5月4日(金):米4月分雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)など
5月7日(月):日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(3月8・9日分)など
5月9日(水):IT関連展示会「Japan IT Week 春」、米生産者物価コア指数など
5月10日(木):イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表など
5月12日(土):イラン核合意見直し期限、イラク議会選挙など

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