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2020年東京五輪時の金価格は、7,000円に達するのか?ちょっと難しそうですが・・・

東京五輪時の豊島氏の金価格予想は、なんと1gあたり7,000円。NY金は、1,700ドル。まだ先の話ではありますが、超強気の予想でした。

2015年8月25日開催のセミナーでの予想ですが、それ以外でも話を出していますので、金にブルな豊島さんらしいと思います。

2020年東京五輪の金価格は、7千円の強気予想

2020年の東京オリンピックのとき、国内価格は1グラム当たり7千円になるかもしれません。為替レートが120円、海外価格がドル建てで1700ドルという前提ですが、これでも控えめの読みで自信があります。田中貴金属:東京五輪の金価格

田中貴金属開催のセミナーでの予想。1g4,000~4,800円の中で超強気。

  • 金の需要に生産が追いついていない
  • インド・中国・ドバイなどでの金需要は旺盛

ということでした。とはいえ、強気な予想は、豊島さんだけではありません。ANZも豊島氏以上の強気予想を披露。

ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)が、2030年までに金価格倍増(2400ドル)の予測を出し、話題になっています。2025年までには2000ドルとも言っています。その根拠は、中国・インド中心の新興国需要。

長期的に見れば、急増して、現在の年間2500トンから5000トンになるとの見通し。

2020年、2030年の金価格

今のところ、そこまでの高値はつけていません。ただし、10~20年後の需給バランス悪化を専門家が危惧しているのは事実。もともと、経済の拡大(=GDP成長率と言い換えてもいい。)に対して、金の供給は追いつかないことから、金本位制は中止されました。ということは、根本的に金は不足となります。金本位制の欠点

2019年4月12日の市場価格

  • NY金価格:1293.30ドル
  • NY白金:895.30ドル
  • 東京金:4,645円
  • 東京白金:3,217円
  • 米ドル/円:111.87円

予想はうそよと言われるほど、特に、長期予想を当てることの難しさを痛感いたします。

金(XAU)及び為替(米ドル/円・ユーロ/ドル)のチャート サクソバンク証券 2019年4月12日

金及び為替のチャート

長期チャートでは、金価格は、落ち着きを見せており、横ばい状態。米ドル/円は、変動幅がどんどん小さくなっている。

一方、東京五輪について、後2つの怖い話があることをご存知でしょうか。それが、五輪の呪い

五輪の呪いで景気悪化

五輪による景気悪化も金価格に影響を与える要素の一つ。

五輪の開催は、スポーツに限らない一大イベント。そのため、政府・都市は、スタジアム・インフラ投資におカネをかけます。そして、開催期間中は、観光客が大量に訪問するため、景気がよくなります。

しかし、大会が終わると、おカネをかける理由もなくなるため、反動として景気が悪くなるというシナリオ。これが五輪の呪い。

ただし、五輪やワールドカップという一大イベント開催に向けて全力を出す新興国と余力のある先進国では立場が違います。そこは、身の丈にあったインフラ投資を行えるかどうかが鍵を握ることになるでしょう。

スポーツと経済の関係に詳しい早稲田大学教授の原田宗彦さん(58)に疑問をぶつけた。原田さんは「五輪は一種の公共事業。前倒しで国や企業が投資したり、市民が消費したりした反動が出てくるのです」と教えてくれた。特に新興国は遅れているインフラを一気に整えようと巨額のお金を投じる。高速道路や新幹線が次々できた60年代の日本はその典型だ。東京五輪後の景気悪化

エコノミストの上野泰也氏の調査でも、1984年のロス五輪から2012年のロンドン五輪まで8つの五輪で、翌年の経済成長率が低下したのは6つ。1996年の米国と2012年の英国はプラス方向。

確率的には、経済成長率が低下する傾向が強いことがわかります。低下する国々は、住宅市場を中心にバブルが発生しているケースが多いと上野氏は指摘。インフラ整備やホテル・スタジアム建設が不動産バブルを起こしやすいのは、当たり前ですよね。スペイン・中国・イギリスなどでは、バブルが生じて、そのダメージは大きかった様子。

その点で、今の東京の不動産市場は、給与・過去の価格に比べて、高すぎる懸念。一方、世界各地の大都市よりは安いという2つの要素を持ちます。

ただし、スポーツイベントには、五輪以上とも言われるワールドカップもあります。日本の経済規模から考えると、多少の影響で済むのではないでしょうか。それよりも、世界経済全体の減速や保護貿易体制への移行の方が影響大だと思います。

東京五輪の経済効果は過去の五輪と比べて小さい

また、日本銀行は、2020年の東京五輪関連需要によって、開催時の2020年に名目GDPは8兆円程度押し上げると試算している。これはGDP比1.4%程度と推定されるが、過去の五輪開催時の平均である10%程度と比べて相当小さい。つまり過去の五輪と比べると、2020年の東京五輪の関連需要、反動減ともにかなり小さいと考えられるのである。東京五輪の反動

エコノミストの木内氏も同じ意見。

それよりも怖いのは、2020年にピークを迎える東京都の人口問題。人口はピークを迎え、高齢者比率が増加する。五輪のインフラ投資よりもこっちの方が問題になる可能性が高いでしょう。

日本全体の人口減少はますます加速すると予測されています。2015年時点では1億2709万人でしたが、20年後の2035年には1億1212万人に、12%も減少すると予測されています。急速に人口が減っていくということです。東京都人口推移

ただし、東京への一極集中は変わらず。

移民を受け入れるか人口減少と高齢化社会を受け入れるかどちらかを選ばなければ行けない時期は、いよいよ東京五輪後に起きそうです。

金価格も心配ですが、東京及び日本の人口問題は、本当に心配な問題です。

豊島氏の予想が当たるかどうかも気になりますし、金メダルとともに、金価格の動きも見ておきましょう。

なお、今から、7,000円まで上昇するケースは、リーマン・ショックレベルの経済ショックが生じないと難しそう。ちなみに、米FRBが利下げ・欧州中央銀行の緩和再開・金供給の不足などが起きれば、大きく上昇することになるでしょう。

 

 

 

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