4月19日のNY金は、近日の暴落を受けての実需買いに支えられて上昇し、一時は1400ドルを回復。
ただ、投機筋の売り傾向は根強く引けにかけて下落し1400ドルを割り込んで終了。
G20声明は、日本金融緩和に対して理解を示したことで、為替市場の円安進行の可能性がある。
NY金6月限:1,395.60 +3.10
NY銀5月限:2,296.00 –28.50
NY白金7月限:1,423.90 –5.10
NYパラジウム6月限:677.05 +7.25
2013年4月19日の貴金属価格(前日ニュース)
SPDR信託金残高:1,123.06
金価格の見通し:2013年4月
国際金価格が急落した現状において、下値の目処や今後の見通しについてご紹介します。
●現在は、1トロイオンス1400ドルをはさんで推移。
英バークレイズ銀行の予測
4月19日に、年平均「1483ドル」と従来の「1647ドル」から大幅に引き下げ。下値支持線(サポートライン)は1300ドル。
ゴールドマンとソシエテジェネラルの予測:すでに引き下げ済み。
金投資の専門家「豊島逸夫氏」の予測
貴金属に強い専門家の豊島逸夫氏が4月19日の日経新聞に記事を書いています。
金価格下落の原因
・米国の量的緩和策が転換点を迎えたこと。通貨の供給量や流動性の縮小で金の資金流入が減る。
金相場の底入れは?
・新興国の金現物買い:1トロイオンス1300ドル台は、新興国に魅力あり。
・中国やインド:国内総生産(GDP)成長率が7.7%に鈍化し景気減速懸念、インフレ回避の金購入が一服する可能性。インドも同じ。
豊島氏の2013年金価格予測。
金価格の予測
・当面は1300~1450ドル前後でもみ合う。
・ドルの信認が戻りつつあり、ドルの代替資産だった金市場のマネー流出は続きそう。
・投資家は、今回の急落で臆病に。
・金価格の上限は、1550~1600ドル。東京の金先物は1g4000円~5000円が目処
元ワールドゴールドカウンシルの日本代表:豊島逸夫氏
価格リスクの専門家「新村直弘氏」の予測
・現在の価格は、実質金利から想定される金価格の下限に近く、利益確定の買い戻しが入るかも。
・安値圏では金鉱山の収益性に懸念。コスト高の生産者は1トロイオンス1300ドルを下回ると赤字になる予想あり。白金(プラチナ)は、すでに価格が下げ止まる。
・金のETFから資金流出。
金価格の予測
・欧州債務危機が一服し、ユーロ崩壊の懸念が去る。投資家は安全資産として金より米国債を選ぶ
・米国の財政問題は未解決。債務上限期限は5月中旬。そのため金投資の可能性はある。
・ファンドが金市場から退出傾向にあるため、売りの可能性がある。
・当面の上値は1450ドル前後、東京の金先物は1g4600円前後。
株式会社マーケットリスクアドバイザリーの代表取締役「新村直弘氏」