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  1. ファンダメンタル及び中銀
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新型コロナショックで、中央銀行の金融政策は弾切れに

コロナウイルスのパンデミック化で、各国の中央銀行が行った金融政策。政府と中銀総掛かりで行う対策で効果は出るのでしょうか?

さすがに、金価格ですら、現金化の余波で、下落しています。これは、リーマン・ショック時の金価格と同じ動き。

FRBを筆頭に、素早い利下げと緩和で、金融市場を下支え。しかし、今回は、旅行・運輸どころか実体経済にまで、ウイルスによるパンデミック被害が広がっています。それだけに、利下げは、実体経済を支えるのに弱いとの指摘があります。ワクチン開発や肺炎による死亡の恐れを払拭する病に対する対策。そして、政府による財政政策が待たれるところ。

いくら利下げをしても、外出や買い物させることはできません。それどころか、政府自身が国境封鎖や外出自粛を行っているのに、金利を下げても資産価格を支える機能しか発揮しないでしょう。

江戸時代の飢饉、欧州の黒死病などと同様、大きな被害がすでに出ていますから。

新型コロナショックに対応する中央銀行の金融政策

●日銀:ETF買い入れ目標額の上限を年間約6兆円から約12兆円に引き上げ。ただし、原則的な買い入れ方針は、年6兆円ペース

●FRB:3月3日の緊急会合で、0.5%の利下げ。さらに、15日のFOMCで、1.0%の大幅利下げを行い、政策金利は0~0.25%とゼロ金利政策を実行。今後、数ヶ月で米国債を少なくとも5,000億ドル買い入れ、MBS(住宅ローン担保証券)も2,000億ドル購入

●ECB
①追加の長期リファイナンスオペ(LTRO)によって銀行に直ちに流動性を供給する
②条件付き長期リファイナンスオペ第3弾(TLTRO3)は20年6月から実施、借り手により有利なレートを適用
③民間部門を中心に追加で1200億ユーロ(約14兆円)の資産(債券)購入(QE)を年末まで実施する
ピクテ投資顧問:幻冬舎

●英中銀:3月11日に緊急利下げ。0.5ポイント引き下げて、政策金利を0.25%に。

●アイスランド中銀:3月11日に、0.5ポイントの緊急利下げ

●カナダ中銀:3月13日、1.25%から0.75%に引き下げ

●NZ中銀:3月16日、0.75%の引き下げで0.25%に。

●トルコ中銀:3月17日、10.75%から9.75%に引き下げ

利下げをしても株価を支えることはできていません。人とモノの移動が完全につまっているため、実質金利が急上昇しているにもかかわらず、ゼロ金利に近い現状では、金利を下げる余地がほとんどない。利下げできない日銀とECBが、それを明確に示しています。

事実、アメリカではここ数日、下がらない長期金利と期待インフレ率の低下によって、これら2つの差である実質金利が急上昇しており、これが金価格などの急落に繋がっている。実質金利のチャートは次のようになっている。利下げでも実質金利が上昇

弾切れの中央銀行

サマーズ氏は、FRBが手持ちの手段をもっとゆっくりと使うべきだったと指摘する。50 bpの利下げについて「はっきりした効果は見えない」とし、将来のために温存すべき弾薬を無為に失った可能性を示唆した。同様に政策対応は後回しとすべきと唱える人に、IMFチーフエコノミスト、インド中銀総裁を務めたラグラム・ラジャン教授がいる。同教授は、まず伝染病と戦い、ある程度の結果を出し、それを示すことで人々の信頼感を回復すべきと主張している。FRBは早く動きすぎた

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