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大赤字の政府は、救済を求める企業を救えるのだろうか?

つい、先日まで、企業は、お金を溜め込みすぎているという批判の声が強かったように思います。いかにして、企業が溜め込んだ内部留保を投資や労働者に回せばよいのかという議論がなされていましたね。

そして、政府は、常に財政赤字を抱えて、お金がありません。日本は、消費税&社会保険料を上げて、年金給付を減額や遅らせることに必死でした。

ところが、新型コロナウイルスで、経済がストップすると、その途端に、あらゆる企業が、救済を求めて声を上げています。でも、悲しいかな政府にはお金がありません。集めた税収と社会保険料は、高齢化社会を支えるための医療・介護費に消えていきます。

欧米は、新型コロナウイルス対策で、給与の80%保証という景気の良い話をぶち上げていますが、財源を確保できる目処はあるのか、非常に疑問です。財源があるのならば、こうした対策を打ち出してくれるのは大変、ありがたいこと。飢饉や疫病の際に、備蓄した穀物を配ったり、徳政令を出したりするのは、古代からさいようされていた政策です。

一方、政府による救済を目当てにした行動も出てきたようです。米国のインディアナ州では、「Bailout Flights」という航空会社が設立されました。の企業の目的は、米政府からの1,000万ドルの救済資金を期待してのこと。

まったくひどい話。仮に、政府による救済が常態化すれば、どうなるでしょうか。政府からの救済を期待して、散財するタイプの企業や家計が有利になります。普段から倹約し、補助金・利権に頼らず運営する企業や家計は、馬鹿らしくなってしまいますね。

ラリー・クドロー氏は、景気刺激策が、6兆ドルにも達し、来年の国家債務が、GDPの30%以上になると言っています。Jeffrey Gundlach氏のツイッターから、先進国のほとんどが、膨大な債務を抱え、株式市場に不安を抱けば、資金の逃避先がありません。それゆえ、米ドルが買われるに過ぎず、他に安全な資産があれば、そちらに逃げ出すでしょう。金市場に、一部のマネーは流れ込みますが、あまりにも規模が小さすぎます。

政府による救済&財政出動は、無限の宝箱ではありません。金融政策の効果はなくなり、金利は、低い水準に維持されたまま。金融政策が効かなくなり、低金利が常態化した世界で、今後、起きるであろうモラルハザードは、非常に怖いものになるのではないかと予想します。そのため、低金利&通貨安による金価格上昇が起きているということです。

良くも悪くも、農業には、多くの補助金が出ていることは、皆さん、ご存知の通り。リーマン・ショック時は、金融機関が救われました。今回の新型コロナショックで、旅行・航空・観光業界が救われれば、これはもう社会主義や利権社会に近くなります。利権や補助金を獲得する能力が大事というのは、水滸伝で描かれる宋末期と同じではないでしょうか。

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