2020年2月、中央銀行が購入した金の量は、36トンと前年同月比で、52%の減少。注目すべき買い手は、トルコ24.8トン、ロシア10.9トン、カザフスタン1.8トン、カタール1.6トン。
さて、新型コロナウイルスの影響もあり、高値更新が続く金相場。12月に16.3トンと低いレベルに落ち込みましたが、1月以降、持ち直しています。
Central banks demand creeps higher in February
今後の中央銀行による金購入について
WGCのKrishan Gopaul氏によると、中央銀行にとって、ゴールドが、外貨準備の重要な構成要素であることに変わりはない。最近の市場での不安定さと不確実性さは、中央銀行の念頭にもあるはず。2020年も中央銀行は、金の購入者であり続けるものの、過去二年間ほどの購入は見られないと考えられる。
実際、ロシア中銀の金購入停止のニュースもありました。彼らの外貨購入に占める金の割合は、満足できるレベルに達したようです。
中国の金需要について
中国人民銀行は、2020年2月の金準備高を1,948トンに据え置き。
World Gold CouncilのリサーチマネージャーであるRay Jia氏のレポートを見てみましょう。
コロナウイルスによって、株式やコモディティが急落したため、安全資産としての金需要は増加。中国の小売業全体の売上高は、年初の2ヶ月間に21%減少し、金・銀・宝石の売上高は、41%急落。
しかし、金への投資家需要は、旺盛で、2月の金取引は、1日あたり1,402トンと5ヶ月ぶりの高水準。
現物需要の代替となるAu9999は、2月の取引量が、145トンと、2019年2月よりも71%減少。これは、小売販売の減少を反映してのこと。しかし、3月の1日平均取引量は、12トン。2月の平均を61%上回り、金の現物需要が改善しつつあることを示しています。
中国は、新型コロナウイルスの影響で、小売売上が減少。それに伴い、金の需要も減少。しかし、投資需要は旺盛かつ、現物需要も3月になり改善している様子。
市場は中国の3月PMI(製造業購買担当者景気指数)が49.6しかないと予想していたが、週末に発表された政府版のPMIでは50.5に達していて、人民銀が近々預金準備率を引き下げる必要性が低くなったことを意味している#楊暁帆の中国投資情報 pic.twitter.com/AJGoOflFyx
— ファンドマネージャー 楊暁帆 (@YouGyouhan) March 31, 2019
中国経済全体のファイナンスと銀行融資、3月は予想以上の規模に https://t.co/XsuLbvkMBc
— ブルームバーグニュース日本語版 (@BloombergJapan) April 10, 2020
将来は別として、目先の中国経済は、改善の兆しがあり。欧米そして中国の大幅な財政出動の前に、金投資需要の拡大が期待できます。これだけのコロナ危機を前に、消費者心理として、安全な資産を求めるでしょう。
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