トランプ政権による対中批判が、どんどん高まっています。金価格に影響する地政学的に重要なニュースが登場しました。
中国に南シナ海領有権主張に対して、米国が、正式に却下して、中国の行動は違法と宣言。
中国の南シナ海領有権主張を否定したことで、米中対立強まる
●NY金先物価格:2020年7月13日
NY金価格は、1800ドルを超えて上昇。もちろん、この対立が、ただちに、米中戦争になるわけではありません。むしろ、中国の行動を放置しておくよりも歯止めを掛ける方が、長期的な戦争リスクを下げることになると思います。いわゆる第二次大戦で英国のチェンバレン首相の採用した宥和政策が戦争を止められなかったように、中国の拡張政策を放置しておく方がリスクです。
しかし、短期的には、地政学リスクは、高まり、金価格は上昇。
米国は、南シナ海における東南アジア沿岸国の主権を脅迫している中国の行動に歯止めを掛ける意識があるのでしょうか。海を得るということは、海洋資源と航路の安全を確保するということになります。
米国の中国に対する声明文は以下の通り。
世界は北京が南シナ海を自国の海洋帝国として扱うことを許さないだろう。アメリカは、東南アジアの同盟国やパートナーとともに、国際法上の権利と義務に沿って、海洋資源に対する主権的な権利を保護するために立ち上がる。私たちは、海洋の自由と主権の尊重を守るために国際社会とともに立ち、南シナ海やより広い地域で「力が権利を生む」ことを押し付けようとするいかなる圧力も拒否する。米国の南シナ海への主張
覇権を主張する中国に対して、米国は、断固とした行動を取れるのでしょうか。
今日SaaS株他の最近上げピッチが急だった株が軒並み急落しました。原因は地政学ニュース。中国の南シナ海領有権主張に対しアメリカが正式にこれを却下、中国のやっていることは違法だと声明文を出しました。
— じっちゃま (@hirosetakao) July 13, 2020
🇺🇸ポンペオ米国務長官
「米国はここで明確にしておく。南シナ海のほとんどの資源に対し🇨🇳中国政府が主張する権利は、完全に不法なものであり、その掌握を目的とした嫌がらせの活動も同じく完全に不法だ」米政権、中国の南シナ海巡る権利主張は「不法」と公式に非難https://t.co/drlnss9B6A
— 水上紀行STAFF (@mizukamistaff) July 13, 2020
米政権、中国の南シナ海巡る権利主張は「不法」と公式に非難https://t.co/Hrhs56HvXR
— ブルームバーグニュース日本語版 (@BloombergJapan) July 14, 2020
グーグルらの海底ケーブルが異例の計画変更、米中対立で大動脈分断 | 日経クロステック(xTECH) https://t.co/audVPdA8Wu
— 渡邉哲也 (@daitojimari) June 25, 2020
中国側の反応
中国、米国の南シナ海巡る声明は事実を無視、ロッキード・マーチンに制裁科すと表明との報道が流れています。昨日、ポンぺオ米国務長官が「南シナ海における中国の主張は完全に違法」との発言を受けたものと考えられます。
— SBIリクイディティ・マーケット (@SBILM) July 14, 2020
米中対立構造が、単なる大統領選挙の票集めに利用されるのが、市場にとって、最悪のシナリオです。その場合、金融市場は、混乱に巻き込まれる可能性があります。貿易合意が破棄されれば、米中対立激化から、金価格は、2,000ドルを目指す可能性があります。
むしろ米国の挑発に敢えて乗り、フェーズ1合意で約束した農産物などの購入を止めて、トランプ政権の支持率低下を狙う方が得をするのではなかろうか。以上のように考えると、私はマーケットにとって最悪のシナリオ、つまり、トランプ政権の中国批判がこのまま激化し、貿易合意が破棄され、しかも支持率が回復せずに大統領選を迎える可能性は意外と高いのでないかと感じ始めている。最悪のシナリオ
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