金(Gold)は、商品(モノ)としての面と通貨(お金)としての面の両方の意味を持っています。そして、石油と同じように商品取引所で先物取引の売買が行われます。
金価格の決まり方は、需要と供給の関係、つまり「欲しい」という人が多ければ値段が上がり、売りたいという人が増えれば値段は下がるという相場商品。
目次
世界の金市場
金が取引される市場は香港、チューリッヒ、ロンドン、ニューヨークの世界4大市場が中心。また、これらの4大市場以外でも、世界中で24時間取引されています。日本にも金先物を扱う日本商品取引所があります。
そのなかでも世界の金価格に大きな影響を与えるのはロンドンとニューヨークの市場です。その他の市場は、ロンドンとニューヨークの市場価格を参考にした価格で取引が行われます。
現物(スポット)の中心はロンドン、先物市場の中心はNYのマーカンタイル取引所(NYMEX)
1.ロンドン市場:ロコ・ロンドンの金
ロンドン市場では、毎日午前10時30分と午後3時の2回、当日の取引で決まった価格を公表しています。
ロコ・ロンドンと言われる「ロンドンでの受け渡し」(輸送費や保険料のかからない値段)を条件とした現物取引の金価格が決定されます。現物は、2営業日後決済という条件で24時間取引が可能。
金価格の表示は、1トロイオンスあたりの米ドル建て。LBMAゴールドプライス
2.ニューヨーク市場の金先物相場
世界最大規模の参加者数による金取引が行われるのが、ニューヨークの金先物市場です。時差の関係で日本の夜間に取引が行われますから、日本の国内金価格はニューヨーク市場の金価格の影響を大きく受けます。
国際的な金価格は、トロイオンス/米ドル建てですので、日本国内の価格に転換する場合、為替相場も影響します。
世界の金市場の中心と言える存在。1975年1月からニューヨーク商品取引所ではじめられ、現在はCMEグループに属するニューヨーク・マーカンタイル取引所で売買が行われます。
●世界時計とドル/円レート 日本の金価格は、円高で安くなり円安で高くなります。
ロコ・ロンドンとNY金の取引ルール
ロコ・ロンドンの取引ルール
本来のロコ・ロンドン(金)は、以下のようなルールで行われています。
・建値:ドル/トロイオンス(31.1035g)
・取引単位:5,000オンス(約156kg)※1
・決済条件:2営業日後支払い
・受け渡し:2営業日後ロンドンにて口座付け替え
・受け渡し供用品:LBMAにより指定されたブランド※2
NY金(Gold)の取引ルール
・値段単位:1トロイオンスあたり
・取引単位:10トロイオンス
・レバレッジ:25倍(=証拠金率は4%)
ロコ・ロンドンは、金スポット(2営業日後の現物。そして、NY金は、ニューヨークマーカンタイル取引所のCOMEX部門で、アルミニウムや銀と共に取引できます。
以下に、東京をはじめとする世界の金市場をご紹介します。
3.東京商品取引所
1982年3月23日に金取引が開始されました。先物市場として、NYに次ぐレベルに成長した金市場です。
ただし、2000年代に入ると、FXや証券取引の伸びに押されて商品市場全体が低迷しています。金ミニや東京ゴールドスポットなどの導入で、需要を喚起したいところ。
4.チューリッヒ金市場
スイスのチューリッヒは、現物取引中心の市場。宝飾品加工・販売の中心であるイタリアやフランスと近いため、古くから金貨・金市場として栄えていました。スイスユニオン銀行・クレディスイスの二大銀行が取引の中心。
5.香港・上海市場
極東アジアの中心市場。現物・先物ともに存在し、中国の生産・需要拡大に伴って、存在感を増しています。
中国政府による金取引の規制緩和に伴い、上海金交易所・上海期貨交易所での現物・先物取引ができるようになりました。