金の歴史は古く、有史以前から貴重な価値を持つ貴金属でした。
砂金や金塊といった金色の輝きを持った金属は、世界各地で装飾品や貨幣として使われています。古代エジプト王朝や中国の王朝などで、金が精製され、加工されていたといわれています。
美しく光り輝く金は、人を魅了し、モノと交換できる現在のお金のような役割を担ってきました。
黄金王の秘宝:ブルガリアのトラキア
紀元前4~3世紀の黄金遺物:ブルガリア、トラキアの秘宝展
トラキア人は、現在のブルガリアを中心とした地域で活躍した人々。エジプトより古い時代に金で装飾品を作っていたことが判明しています。
金が価値を持つ理由
金が世界各地で珍重された理由がいくつもあげることができます。
・金色の輝きが美しく人を魅了する
・装飾品として身に付けたり、物を彩ると美しく引き立てる
・腐ったり錆びることがない。
・汚れたり劣化しにくい。
・人工的に作り出すことができない。=錬金術の失敗
・生産できる量が少なく希少価値を持つ
・柔らかく加工しやすい
このような理由から、金は、そのまま金塊としてやコイン(貨幣)に形を変えて「世界共通通貨」として利用されてきました。
いまでこそ金はそのままモノと交換できませんが、世界中どこでも同じ価格で現金化することができます。
古代エジプトのツタンカーメンと黄金マスク・アマゾン奥地のエルドラド伝説とその歴史は、英雄と叙事詩に彩られています。
金の主な歴史
江戸時代の大判・小判・金貨
●古代エジプトの文献には、紀元前2600年前から金の記述がある。
●最古の金属貨幣は、紀元前7~6世紀のトルコのリディア地方
●後漢の光武帝が日本の奴国に金印を贈る(57年)=漢委奴国王印?
●岩手の中尊寺金色堂:マルコ・ポーロの黄金の国ジパングのモデル?
●1533年、インカ帝国をスペインが滅ぼし金を欧州に持ち帰る
●1694年、イングランド銀行設立
●1776年、アメリカ独立宣言
●1813年、イギリスで最初の金本位制開始
●1848年、アメリカのカリフォルニアでゴールドラッシュ、1851年にオーストラリアでゴールドラッシュ
●1871年、明治政府が金本位制採用、金1.5&=1円
●1914年:第一次世界大戦、1939年:第二次世界大戦
●1944年、ブレトン・ウッズ体制、金融協定、金1オンス=35ドル。1ドル=360円
●1971年、ニクソンショック ドルと金価格の固定レート廃止を廃止
●1980年、ソ連アフガニスタン侵攻をきっかけに金価格急騰 歴史的高値を記録。1g6,945円の高値を付ける
●2008年、リーマンショック、原油100ドル突破・金価格初の1000ドルを突破
あらたなゴールドラッシュの様子
金は、古代から魔除け・王者の象徴と様々な用途で利用されていました。
黒や渋みといった侘び寂びの美も、ゴールドやシルバーといった美しく光り輝く太陽のような存在があってこそ。
太陽や月・星の輝き=貴金属と古代の人は考えたことでしょう。