北朝鮮は、核実験を実施し地政学リスクが強く意識される状況になり、金相場は上昇、世界的に金利は下落。金価格は1年ぶりの高値圏を維持。
米国の経済指標は弱く、利上げ予想が後退し、年内の利上げはなくなるとの見通しが強まりました。北朝鮮&米国の混乱が金価格の上昇を支えています。
◆GMOクリック証券のCFD 2017年9月10日
北朝鮮の水爆実験により、リスク回避が急上昇
北朝鮮は9/3にICBM用の水爆実験に成功と発表。国際的な非難を浴びながら核による抑止力を得ることに全力を挙げています。
米国と北朝鮮関係の悪化により、金価格上昇、米長期金利低下が生じています。さらに、米金利低下のため、米ドル安円高の状況。
米10年債金利は、2.05%(終値)まで低下。世界的な不安感・危機意識は非常に高まっていると言えるでしょう。
心配されていた北朝鮮の建国記念日である9/9は、太陽のフレア(小規模な爆発)による電子機器障害リスクもあってか、何も起こらず。
米国は、11日に国連安全保障会議で北朝鮮制裁決議の採択を求める予定。
- 北朝鮮への原油供給の全面禁止
- 金正恩氏の資産凍結
- 繊維製品の販売を禁止
- 北朝鮮労働者への就労許可発給禁止
これが決議されて、実行されれば、北朝鮮への兵糧攻めとなりますが、中国・ロシアが賛成&実行するかどうかには疑問がもたれます。
北朝鮮は、武器・核技術などの実験によって、軍事技術・兵器の輸出で稼いでいるものの、中国・ロシアからの原油や食料を止められると相当なダメージを受けます。
米国経済の状況
米経済は、ハリケーン「ハービー」「イルマ」に立て続けに襲われたことで、今後の状況が心配になっています。
水害復旧の予算78.5億円ドルの緊急予算を可決。債務上限を12月中旬まで引き上げる方針で民主党と合意。ただ、今後、どうなるかはまだ不透明。
さらに、トランプ大統領は、不法移民の子供たちを強制送還の対象から外すオバマ政権の政策を段階的に撤廃する方針を表明。米国の分断・混乱が高まるおそれがあります。
そして、FRBでは、フィッシャー副議長が突然の辞任。個人的な理由としていますが、本当のところはどうなのか金融政策に与える影響が危惧されます。
◆NY金日足チャート EVOCX
NY金の上昇トレンドは続く。
中国人民銀行は9/4に、独自の仮想通貨を発行し、資金調達する「新規仮想通貨の公開(ICO)を禁止すると公表。ビットコインを含む仮想通貨の価格はダウン。
米ドル・人民元からの逃避先として選ばれていたビットコインの陰りは、金投資の再開へと動くかもしれません。
◆東京金日足チャート EVOCX
トランプ大統領による軍事行動は第一オプションでないとの発言で金価格の上昇はストップしましたが、今週も地政学リスクと米国政治、そして、FRBの金融政策に注目です。
■来週の注目スケジュール
9月11日(月):機械受注、工作機械受注、中元建て新規貸出額など
9月12日(火):中古車販売台数、英消費者物価コア指数、アップル新製品発表など
9月13日(水):国内企業物価指数、ユーロ圏鉱工業生産指数、米財政収支など
9月14日(木):マンション発売、中小売売上高、米消費者物価コア指数など
9月15日(金):米NY連銀製造業景気指数、米小売売上高、ユーロ圏財務相会合などフィスコ
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