ドイツ銀行の危機とCoCo債(偶発転換社債)の情報を集めたまとめ

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2014年の発行額が1,085億ドルに達したCoCo債は、2016年の2月に、ドイツ銀行の利払いが遅れるとのニュースで一躍話題になった比較的新しい債券。2月の円高・金価格上昇の要因にもなりました。正直、CoCo債を理解するには、債券と株式の深い知識が必要です。金投資家の私としては、判断を専門家にゆだねると共に、様々な方面からの情報をまとめておこうと思います。

ドイツ銀行の危機とCoCo債


ドイツ銀行で話題のCoCo債とは

偶発転換社債とも呼ばれる債券で、株式と債券の中間型。金融機関の自己資本比率が一定水準を下回った場合などに、元本の削減または普通株式への転換を求められる債券。CoCo債(ココ債)は、「Contingent Convertible Bonds」の略称。

仕組みの複雑さから、サブプライムローンのように、誰も評価価額を出せないジャングルのような状態になる可能性も指摘されています。

自己資本規制を強化する流れの中で、2010年頃から欧州の金融機関を中心に発行され、その後、アジアや米国など世界中の金融機関に資本増強手段の一つとして広まりました。(2019年にかけて新たに導入される自己資本比率規制(バーゼル3)において、上積みを求められる中核自己資本への算入が可能になったことから金融機関で人気化)金融経済用語集

日本の金融機関もCoCo債ファンド等を販売しています。

破たん時の損失負担リスクの見返り
■CoCo債を発行する金融機関が経営破たんした時などには、元本は損失処理に充てられます。投資家が損失を一部負担するリスクの見返りとして、CoCo債は高い利回りが設定されます。

三井住友アセットマネジメント

CoCo債と転換社債の違い

まず、転換社債は株式へ転換する権利が投資家にあるため、投資家は株価上昇時に転換社債との交換で株式を取得します。このとき投資家の取得する株式は転換社債よりも価値が高いことから、転換社債には投資家にとって有利な権利が内包されているのです。

一方でCoCo債は、発行体の銀行の自己資本比率が一定以下となったとき、強制的に株式へ振り替わります。そのような緊急事態が生じたときは銀行の株価が急落しているため、投資家に交付されるその株式の価値は二束三文です。

よって、CoCo債に内包されているのは、投資家にとって不利な義務。すなわち、その取引相手の発行体に有利な権利なのです。いったいなぜCoCo債は、発行体の銀行にとって一方的に都合の良い仕組みとなっているのでしょうか?

CoCo債とは?(ヤバい仕組みとリスク)

2016年に起きたドイツ銀行のCoCo債問題

金融機関の自己資本比率が下がると投資家にマイナスなCoCo債。つまり金融機関の経営危機が起きると保有している投資家は損失が生じる可能性があるということ。

騒ぎの発端は1月28日の決算発表だった。15年に約68億ユーロ(9000億円)の巨額赤字を計上。市場関係者の事前予測よりも赤字幅が拡大し、経営を取り巻く厳しい状況が浮き彫りになった。ドイツ銀、信用回復に苦慮 巨額赤字で債券利払い不安

ドイツ銀行は信用回復のために総計6000億円規模の債券を買戻し

信用不安に見舞われているドイツ銀行は12日、自らが発行した債券を買い戻すと発表した。総計で6000億円規模のユーロ建てとドル建て債券が対象になる。債券を買い戻す経営体力があることを投資家に示し、金融市場の不安を鎮めることを狙う。ただ今回の措置だけで信認が回復できるかは見えていない。日経新聞

ドイツ銀行だけを考えれば、かの銀行が倒産しなければ、CoCo債の問題は生じない。その点で今後の金融市場や金相場に影響を与えるのは二つ。

  • ドイツ銀行は倒産及び経営危機にあるのか
  • 他の銀行は大丈夫なのか、CoCo債は
  • リーマンショック時に問題となった金融機関のモラルは回復したのか

もし、ドイツ銀行及び欧州の銀行が発行したCoCo債がアウトになれば、リーマンショック以上の危機が生じるかもしれず、それを先取りして世界の株式は下落し金相場は上昇しているのだと思います。

その市場規模・金融機関の内実・マイナス金利や難民問題と山積みの中で、欧州発の金融危機が起きるかどうかしっかりと見ておきましょう。

ドイツ銀行の株価チャート

stockchart.com:底値からは反発しています。:2016年2月15日